表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
13/103

第12話/あれ?・・・勝手に倒れたけど?

一体、どうしてこうなったのだろうか?


ただ聖堂協会からまっすぐ、進んだだけなのだが・・・。


今、目の前には若い女性が1人。


「お願いします。【シルバーウルフ】の群れを退治してください!」


ボロボロな姿で懇願してくる。


どうもモンスターを退治してくれる人を探して、声をかけている様だ。


クエストか何かだろうか?それにしても、とてもNPCには思えない程その表情は必至だ。


「【シルバーウルフ】って?」


「助けてくれるんですか!ありがとうございます。」


いや、助けるとは言ってないけど・・・話しかけたら女性は淡々と話し始めた。


何でも、町の西にある【月夜の草原】に、最近になって【シルバーウルフ】が住み着いたらしい。


そのせいで近くにある【リスリム村】が襲撃を受け、大変な事になっているとか。


この女性は、【シルバーウルフ】を退治してくれる人を探して、命がけでこの【リムタウン】来たようだ。


女性が説明を終えて泣き崩れると、クエストを承諾するかYES/NO画面が出た。


というか・・・泣き崩れてる女性を放置とか、絶対後味悪いだろ。


仕方がないのでYESを押す。


≪クエスト・銀狼の討伐を受注しました。≫


システムボイスが流れ、クエスト受注ウィンドウが開かれた。


どうやら、20匹程倒せばいいらしい。


そして、受注しているのにこの女性、まだ泣き崩れている。


何はともあれ女性を泣きやませる事にしよう。


このまま放置はいろいろ世間体的に悪い。


「受けたから、まずは泣きやんでくれ。」


「本当ですか!ありがとうございます。あの・・・こんなものしか有りませんが、どうかお役に立ててください。」


おい。さっきまでの泣き顔は嘘泣きか!


一転して、笑顔で女性はアイテムを俺に渡して来る。


レッドポーションを5個GETしました。


飲むと、1個につきHPが50回復するらしい。


女性と別れた後、町の外に出た俺は有る事に気がついた。


マップを持っていない。


さて、方向音痴の俺が無事に【リスリム村】へ辿り着けるのだろうか?


【リムタウン】の門を前にして、右を向く。


どうも、このゲーム平面でとらえた場合、上が北、下が南、左が東、右が西の様だ。


頭の中でイメージを描き、真っすぐ右の方へ向かい歩き出した。


芝生の絨毯みたいな道がひたすら続いていた。


それにしても、この辺りで寝たら気持ちよさそうだな。


「キュイ!」


寝るかどうか迷っていると、白綿を身にまとったサッカーボールサイズのネズミが出てきた。


モンスターの頭上を見ると、【シルクマウス】と出ている。


それにしてもモコモコが気持ちよさそうだ。


どうやら、モンスターの様だが攻撃してくる気配がない。


これはモコモコを触るチャンスなのでは?


逃げられないように後ろから近づき、モコモコに手を触れてみる。


「キュイ!キュイ!」


「何だ!?」


モコモコに触れただけで、シルクマウスは急に動きを激しくしてこちらに突進してくる。


突然の事で避けらなかった。


ダメージを受けた俺のHPバーが5程経る。


追撃してくるシルクマウスの攻撃を避けつつ、相手に視線を向ける。


そして気がついた、シルクマウスのHPバーが1ドット程減っている。


どうやら、触った時にダメージ判定が出たらしい。


・・・というか、触るだけでダメージ受けるってどんだけ弱いんだよ、このモンスター。


黒霧の刀を鞘から抜き、右手に構える。


シルクマウスは動きは速いが、攻撃モーションは単調だった。


基本的に正面からの突撃しかしてこないようだ。


体の前に刀を構え、突撃に合わせて掛け声一つで振るう。


「やぁ!」


「キュゥゥゥ。」


クリティカルヒット。


シルクマウスのHPバー0になり、その亡骸はガラス細工みたいに砕けて消える。


経験値が、少しだけ入った様だ。


「なるほど。ここは所謂、初心者エリアと呼ばれる所か。」


刀を鞘に収め、アイテムストレージを見てみる。


白綿×2・ショートソード・スキルカード【キック】


このドロップアイテムは、何に使えるのだろうか?


今度、CBにでも聞いてみるとしよう。


その後もシルクマウスに何度も出くわしながら、1時間程で【リスリム村】に付いた。


村に入ると、外には誰一人居なかった。


本当にこの村、人が居るのだろうか?


村の奥に進むと、何やら動く物体が。


人かと思い、駆け足で近寄ってみる。


「グルルルル。」


・・・居たのは、3匹の【シルバーウルフ】でした。


どうもこの【シルバーウルフ】はアクティブモンスターらしい。


目があった瞬間、襲って来やがった。


どこぞの歌詞じゃないが、目と目が合う瞬間に・・・襲われる!


なんという肉食系・・・狼だし当然か。


「ガゥ!」


「くっ!何だこいつ、重てぇ・・・。」


飛びかかって来た1匹目を、刀で受ける。


しっかりガードしたはずなのに、HPバー20程削れる。


しかも、このモンスター飛び去る事はせず、そのまま刀を牙で押さえやがった。


その後ろから、残りの2匹も走ってくるのが見える。


どうやら1匹目が動きを封じている間に、残り2匹が追撃するようだ。


「くそが!離れろ!」


「キャン。」


右手一つで刀を支え、左拳でシルバーウルフの顔面を殴る。


スキルカードのおかげか、モーション補助の入った左拳が綺麗に決まると、シルバーウルフは後ろに吹き飛ぶ。


その間にも左右から同時に、2匹のシルバーウルフが迫る。


俺は、前へ走った。


スキルカードの補助で、前に進む動きが加速されるのを感じる。


そのまま抜き身の刀で、すれ違いざまに右から来るシルバーウルフを斬りつける。


何かを切った感覚はあるが、どうも浅い気がする。


ダッシュの補助モーションが尽きる寸前で、吹っ飛ばした1匹目のシルバーウルフをジャンプで飛び越える。


正直に言うと・・・飛びすぎた。


3匹のシルバーウルフと2メートル程間が空いてしまった。


こうなるとモーション補助も考えものだ。


着地して振り向くと、先ほどすれ違いざまに切りつけたシルバーウルフの色が、紫に変わっているのに気がつく。


それに、徐々に弱っている気が・・・。


「グルルル。ガゥ!」


リーダ格なのだろうか、1匹目が飛び出すのに合わせて他の2匹も追随する。


しかし、紫色に変色したシルバーウルフが途中で倒れた。


「クゥン。」


弱々しい声と共に、地面に倒れると砕け散る。


≪スキル・一刀流【五月雨】を習得しました。≫


システムボイスが頭に響く。


どうやら、スキルを覚えたらしいが・・・どうやって発動するのだろうか?


こうしている間にも、2匹になったシルバーウルフが迫る。


こうなったら仕方がない・・・昔の偉い人の意見を参考にするか。


昔の偉い人は言いました、叫べば何とかなると。


「一刀流【五月雨】!」


≪スキル発動・一刀流【五月雨】≫


システムボイスが響き、刀を構えたまま前に走り出す。


もう少しでシルバーウルフに剣先が当たるという所で、体が右回転をした。


モーション制御された刃は白く、光を放っている。


そのまま流れに身を任せるように、一回転した俺は先頭にいるシルバーウルフの首を斬りつける。


そこで動きは止まらず、振り抜いた刀を今度は斬り返す。


飛び散った血を受けて、白く輝いた刃が赤く染まる。


そのまま再び斬り返し、今度は水平に斬り捨てる。


五月雨は、3連続斬りの技だった。


「クゥン。」


声を残して、シルバーウルフは地面に体をつける間も無く砕け散った。


後ろに続いてたもう1匹は、どうやら逃げたようだ。


刀の血を掃うと鞘へ納め、自分の体を見てみる。


・・・この返り血、なんとかできないだろうか。


ぶっちゃけ、グロい。


戦闘から30秒程で、返り血は消えた。


返り血とかのエフェクトは戦闘中だけの様だ。


そして今回の戦闘で結果、こうなりました。


<ステータス>

  LV:5

  HP:275/300

  MP:290/300

経験値:150/1500

名前:KAIN

職業:冒険者lv1

ギルド:無所属

コール:2000c


<武器>

右手武器:黒霧の刀

左手武器:無し


追加スロット数:0



<防具>

頭:無し

上着:無し

上半身:冒険者のシャツ

腰:冒険者のベルト

下半身:冒険者のズボン

脚:冒険者の靴

腕:無し


追加スロット数:0



<ジョブスキルカードスロット>

カードスロット1:パンチlv3

カードスロット2:剣技lv5

カードスロット3:ジャンプlv1

カードスロット4:ダッシュlv1


追加スロット数:0



<固有スキル/発動可能スキル>

固有スキル:


・冒険者の加護


発動可能スキル:


・ブレイクダウン


・一刀流【五月雨】


剣技ばかり鍛え過ぎた・・・。


そして、アイテムステータスを見てわかったが、どうやら黒霧の刀は猛毒の追加ダメージが与えれるようだ。


流石、アシッドフラワーのドロップ品。


ちょっと長くなりましたけど・・・どうでしょう?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ