第11話/もしかして寝てたんじゃなくて・・・。
食堂から部屋に戻り、風呂から俺が上がった時には、来夢は既にLINKSを被ってベットに寝ていた。
このLINKSには無線LAN内臓されている為、来夢はベータテスト時代から寝る時はいつもこんな感じだ。
この為だけに、わざわざ無線LANルーターを購入してたくらいだし・・・。
「さてと、余り待たせても悪いしな。」
話しているうちに、未だフレンド登録をしていない事に気がついた俺達は、今日の内に登録だけはしておこうという話になったのだ。
LINKSを被り、リクライニングシートへ寝そべると、俺はダイブした。
どうやら町中でログアウトした場合、次回ログイン時は同じ場所に出るようだ。
どうでもいいけど、これ・・・もし、ログイン先に人が居たらどうなるんだろうか?
「来たね、KAIN。」
ログアウトした時よりも人通りが多くなった道を、CBが居る道端のオープンカフェまで移動する。
CBの向かいに座ると、注文を取りに来たNPCにミルクティーを頼む。
優雅にコーヒーを飲んでいるCBと俺の間に、突如小さなウィンドウが開く。
フレンド相互登録の認証画面だった。
俺がOKを押すと、メニュー画面のフレンド一覧にCBの名前が入った。
「【桜花狂乱】Cherry blossom?」
「うん。それが僕の所属するギルド名。良かったらKAINも入る?歓迎するよ?」
なるほど。フレンド名の前にギルド所属者はギルド名が付くのか・・・。
ギルド入りを丁重にお断りしつつ、運ばれてきたミルクティーを飲んでみる。
うん、普通においしい。
これがバーチャルだとは思えない程に。
ついでなので、CBのステータスを見せてもらう事にする。
<ステータス>
LV:50
HP:2400/2400
MP:3000/3000
経験値:26500/50000
名前:Cherry blossom
職業:術師lv5
ギルド:桜花狂乱
コール:3000000c
ちょ、・・・いくらベータテスト上がりとはまさかレベル50とは。
それにしても、HPが微妙に少ない気が・・・。
「ああ、それは術師の職業カード補正がHPとMPにかかってるからだよ。」
なるほど、それで数値が変化してるのか。
「ちなみに、レベル50ってベータ経験者は当たり前なのか?」
「ん~・・・多分だけど、レベル50に達してる人は余り居ないと思うよ?」
一体、こいつはどんだけ廃人プレイをしたのだろか?
飲み終えた俺達は、聖堂協会へ。
無駄に偉そうなおっさんが、選ばれし者がどうとか語っている。・・・ぶっちゃけ、長い。
ようやく話が終わった所で、ショートソードと冒険者の職業カードを渡された。
これで、俺も無職じゃなくなったわけだ。でも、冒険者って何するの?
「さぁ、始まりのカードを5枚示せ。」
スキルカードを並べて、怪しい仮面の男が指示してくる。
5枚選べって・・・全部で10枚しかないじゃん。
・パンチ
・キック
・剣技
・ジャンプ
・ダッシュ
とりあえず基礎の行動に必要なスキルカードと、黒霧の刀が使いたいので剣技を選んでみる。
槍技も使い勝手がよさそうなので迷ったが、今回は諦めた。
現状はこんな感じ。
<ステータス>
LV:5
HP:350/350
MP:350/350
経験値:50/1500
名前:KAIN
職業:冒険者lv1
ギルド:無所属
コール:2000c
<武器>
右手武器:黒霧の刀
左手武器:無し
追加スロット数:0
<防具>
頭:無し
上着:無し
上半身:冒険者のシャツ
腰:冒険者のベルト
下半身:冒険者のズボン
脚:冒険者の靴
腕:無し
追加スロット数:0
<ジョブスキルカードスロット>
カードスロット1:パンチlv1
カードスロット2:剣技lv1
カードスロット3:ジャンプlv1
カードスロット4:ダッシュlv1
追加スロット数:0
<固有スキル/発動可能スキル>
固有スキル:
・冒険者の加護
発動可能スキル:
・ブレイクダウン
有料で追加スロットを増やすのが嫌だったので、キックのカードはセットせずにアイテムストレージへ。
冒険者の職業カードにより、冒険者の加護が固有スキルとして常時発動する為、受けるダメージを軽減できるらしい。
ギルドへ顔を出すというCBと別れ、俺は早速狩りに行く事にした。
・・・ところで外へつながる道はどっちだろう?




