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END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
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第99話/真実とは・・・。

はい。急展開過ぎて、頭がついていけない主人公です。


確かに、大学受験よく通ったなってくらい頭悪いのは自覚してるけどさ・・・。


これは、一体どういうことですか?教えて、偉い人!


「ダメ・・・プログラムが自滅を始めてる。」


マリアの攻撃を受けたパナギアを調べていたキュベレーは、その状態に絶望的な顔をしている。


「一体、どうなってるんだ?詳しく説明してくれ。」


「・・・はい。」


というわけで、眞田をサンドバックにしていた凛も加わって、キュベレーの説明を聞く事に。


まずは現状、パナギアのプログラムの核に使われていた物がマリアに引っこ抜かれたらしい。


そのせいで、現在進行形でパナギアは崩壊中との事。


そのパナギアに仕掛けらている爆発対象が、東京大学付属病院との事・・・え?それって歩が居る。


「おい!それ、何とかできないのか?あそこには、俺の知り合いが居るんだ!」


「知り合いって・・・あ!あの少女ね。」


こっちで、歩から何かしらの連絡があれば、現状を伝えてすぐログアウトして貰えるのだが、生憎俺は歩のキャラ名すら知らない。


もし、爆発時にVR機を使っていて巻き込まれたら・・・まずい!歩は歩けないんだぞ!


「ごめんなさい。私には無理です。それに残り時間も・・・1分を切ってます。」


「くそっ!何とかならないのか!」


ふと、焦る俺の手を取る感覚が・・・アシュレー?


「ごめんなさい、お兄さん。私は、ここでお別れみたいです。でも私は、大丈夫だから。安心して。」


「何を言って・・・まさか!?」


おい、何の冗談だこれ?


連絡も何もないと思ったら、まさかアシュレーが歩?


んな、ご都合主義にも程がある事があるわけ・・・。


「今まで、言えなくてすみません。」


「ちょっと待って、本当にあの少女なの?」


流石のこの展開には、凛も疑っている様だ。


しかし、アシュレーの方は真顔で頷いてるし。


あ!あれを聞けばわかるじゃん。


「俺が入院時に飲んだ物は?」


「自作のレモンジュース入り点滴で・・・」


やっぱり、アシュレーは歩だったようだ。


普通の点滴ならば噂を聞けば答えれるが、あれにレモンジュースが入ってるのは、アシュレーしか知らない。


しかしわかった所で、俺の質問に答えてる途中で、アシュレーの体は消滅した。


<世界を終わらせる七つの大罪は消滅しました。>


「・・・強制ログアウトされました。」


「くそっ!キュベレー!お前は、何でこんなプログラムを仕掛けたんだ!」


キュベレーの言葉に、俺はつい感情的になってしまう。


マリアの話では、この独自プロうグラムを作った原因はこいつなんだから。


「え?ち、違います!私ではありません。」


「どういう事よ?マリアの話ではユーザー指定プログラムを実行したのは、あなたでしょ?それを止めようとしたマリアを狙うように、こんな独自プログラムを仕掛けたのも・・・。」


マリアから聞かされた事を説明する凛に対し、答えたのは以外にも眞田だった。


「君達は一体、何を言っているのだ?キュベレーは元々、マリアの抑止力に作られた物だ。」


「そうです。それに崩壊クエストは、元々このゲームのコンセプトにあるグランドクエストのです。」


え?どういう事?


眞田とキュベレーの説明によると、マリアの真実は少し違うらしい。


まず、ユーザー指定のEOWの崩壊クエスト。


これはEND OF THE WORLDの名の通り、一定期間で今の世界を崩壊させ、新たな世界へと仕様変更していく物だそうだ。


この情報は、まだ一般公開されておらず、イベントが近づいた時に告知される予定だったとか。


「ふむ。なるほど・・・それが嘘でない証拠はあるのかね?」


「もちろん。この企画は、本社に提出されているはずだ。それを調べてもらえばわかるだろう。」


眞田の言葉を受け、凛はすぐさまメールにて確認を取った様だ。


「本当だったわ。でも、それじゃ何でこんな事になったの?」


「ただのゲーム企画が、爆発事件を起こすのはおかしいなの!」


シノの言う通りだ。ただのゲームならこんな社会現象は起きない。


「少なくとも、一般企業が2件・水道施設・発電施設・映画館・都庁・警視庁・病院、8件も爆発している。」


「それなのですが・・・。」


アチャーの指摘を受けて、キュベレーは説明を始めた。


説明によると、こうなるらしい。


崩壊クエストに気がついたマリアが、クエストキャンセル処理を割り込む。



即座に、キュベレーは対抗プログラムとして独自プログラムを生成し、これに対応。



マリアは己の管理者権限で、アクセスに成功したそれぞれの場所で暴走するプログラムを指定し、それら


を独自プログラムへ埋め込み逃走。



キュベレーは独自プログラムに利用した権限と資源を回収しようにも、暴走プログラムのせいで回収できず。



結果、資源不足でキュベレーは崩壊クエストを凍結。


え?何それ、つまりマリアが悪いんじゃ。


「そうなります。それに、パナギアのコアを持って行ったのでおそらく・・・。」


<マザー00の解凍を確認。これより、バグデータの修正に入ります。>


キュベレーの言葉を遮り、システムボイスが流れた。


「まずい。ログアウト出来なくなるぞ!くそ!手遅れか。」


「どういうことだ!」


突然、慌て始めた眞田が見た方向を向くと、何やら黒くうごめく物が大量にこちらへ向かっている所だった。

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