デスゲーム化
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《Cross Hearts on-line》これは最初のVRMMOが登場してから約3年後にサービスを開始したゲームである。
この3年と言う期間はゲームに置いてかなり致命的な乗り遅れと言える。
しかしこのゲームを開発した、RH社はその致命的な時間を他のVRMMOより一線を越えた新システムを作るための時間として使っていた。
それは完全無料化というものだ。普通のVRMMOならば月額料、ソフト代、課金アイテムなどで作成費用、社の収入を作っていたが、これはゲーム初のスポンサーが付くことでカバーする。方式だ。
どういうことかと言うと、ゲーム内のNPCが管理する店が現実に存在する洋服店やフード店などになりゲーム内マネーで買えるというシステム。
これによりゲーム内で試着、飲食した物が印象付けられ現実での利益アップにつながると予想されスポンサーが着いたのだ。
このゲームのバトルシステムはシンプルに職業とレベル、スキルで構成されている。
職業はそのままそのプレイヤーの戦い方、ステータスの大まかな情報を示したものであり、レベルは強さを表すものだ。スキルは何百とあるスキルの中からプレイヤーの装備した武具、職業に合わせてスキルツリーと呼ばれるもの選んで習得していく。
「やっぱし変わってないか」
《Cross Hearts on-line》のclosedβが約1か月前に行われた。俺は千人の中のテスター枠から漏れそれに参加できなかった。よってゲーム内情報などが全く得れていない。
どうして俺がそのようなことをしていると今日2034年4月7日午前10時よりopenβが開始されるからだ。推定参加人数は1万人を超えるとされていて俺はそれに乗り遅れないようにとあらゆるサイトから情報をゲットしようとしているのだ。
しかし残念なことにどのサイトにも先ほどと同じような内容の紹介文しかなくゲーム内のスクリーンショットなどが無い。始まるまでの約1時間俺はそのような時間の使い方をしていた。
そして時間は午前9時50分を回ったところだ。
ソファーから降り自分のベットへと寝転がる。横に置いてある。フルフェイスマスク型のVR機《VRG》を被る。まだ電源を入れてないため少し暗くなった天井が見える。
電源を入れると目に映っていた天井が徐々にぼやけて行き、気づいた時には白い部屋のような中に居た。
これが初期エリアだ。何もない状態でボイスコマンドかメニュー画面を開くことでこの白い部屋から抜け出せる、もしくは変えることができる。
「セレクト。クロスハーツオンライン」
俺はヴォイスコマンドを使用し、《Cross Hearts on-line》を起動する。
そうすると白い部屋からファンタジーに中世ヨーロッパを合わせたような場所へと移った。これが《Cross Hearts on-line》の初期エリアだ。後はここで約10分間待つ。それにより始まるのだ。完全無料のVRMMOにして今年期待値No1とうたわれる《Cross Hearts on-line》が。