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影の暗殺者は復讐に奔る  作者: 結城 からく


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第2話 前編

 深夜、私は暗黒街の奥地を彷徨う。

 影から影へと飛び移り、誰にも気づかれることなく一軒の廃屋へと忍び込む。

 そこには褐色肌の男がいた。

 男は札束を広げて下卑な笑みを浮かべている。


 私は影に溶け込ませた身体を実体化させて話しかけた。


「情報屋ノルだな」


「ん? 誰だそれ。たぶん人違いじゃ――」


 半笑いでとぼけようとするノルに対し、私は素早く接近した。

 そして影の刃を首筋に突き付けて告げる。


「ノル・バイヤード。指の数を減らしたくなければ、従順な態度を示してくれ」


「こ、この魔術……まさかカイドの旦那か!?」


「どうした。まるで死人でも見たような反応だな」


「いや、だってあんた、あの頃と同じ姿じゃねえか! 誰だって驚くだろ!」


 ノルは椅子からひっくり返りそうになって怯えている。

 彼はそこらの人間なら容易く蹴散らすほどの実力者だが、それでは私の足元にも及ばない。

 埋められない実力差を正確に理解しているからこそ、ノルは狼狽しているのだ。


「旦那、暗殺業は引退したんじゃなかったのか」


「仕事ではない。個人的な因縁で殺したい者がいるだけだ」


「……家族の仇か」


「やはり状況は把握しているようだな。さすがは世界一の情報屋だ」


「ははは、褒めても何も出やしないぜ……」


「いや、根こそぎ出してもらう。私は情報が欲しい」


 私は影の刃を僅かに動かす。

 ノルはすっかり恐怖して凍り付いていた。

 私はゆっくりと問いかける。


「誰が、私の家族を殺した? 答えなければ死を超越した苦痛を味わわせることになる」


「ま、待ってくれ! 言うさ! 言うからっ! 昔からあんたを裏切ったことなんてなかったろう! 今回だってそうだ! 俺はあんたの情報を吐かなかった! その証拠がこれさ!」


 ノルが大慌てでシャツをめくる。

 彼の腹には漆黒の呪印が刻み込まれていた。


「あんたのことを話さなかったら、嫌がらせで刻み込まれたんだ。呪いのせいで俺の寿命は残り半年で……」


「そうか」


 私は呪印に触れて、そこに込められた力を吸収する。

 有害な呪いも、影の魔術の前では糧に過ぎない。

 呪いの効能を体感で分析しつつ、私はノルに尋ねた。


「これであと何年だ」


「旦那……恩に着るよ」


「感謝するなら、言葉より情報だ。お前に呪いを施した者と、私の家族を襲った者……おそらく同一人物なんだろう?」


 私が訊くと、ノルは渋い顔で話し始めた。

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