表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/79

検証②

 あれから再びゴブリンを探し出してから同じ作業を繰り返している。

 俺はひたすらゴブリンの攻撃を盾で防いでいる。単純な作業なせいかもう慣れてしまった。


 そんな作業を続けていると……


 ――――――――――――――

 《接触の代償『麻痺』》を閃いた!

 ――――――――――――――


「おっ。スキル閃いた。詳細見てみたいから倒してくれないか」

「新しいスキル? おーやったね! 今倒すから待ってて」


 サクラがゴブリンを倒してからすぐに閃いたばかりのスキル詳細を確認。


 ――――――――――――――――――――――

【パッシブスキル】接触の代償『麻痺』(未習得)


 近接攻撃を受けた時に確率で発動。

 攻撃相手に対し、《パラライズ》が発動する。

 《パラライズ》を習得している場合、発動率が大幅に上昇する。

 このスキルによる発動は、MPを消費しない。

 ――――――――――――――――――――――


 カウンタースキルだと……!?

 こんなスキルが存在するのか!


「これ便利かも……」

「そんなにいいスキルなの?」

「カウンター系のスキルでオートで発動するタイプらしい。これは……」


 攻撃を食らうことがトリガーとなって発動するタイプのスキルだろう。

 発動タイミングは選べない代わりに、消費MPもクールタイムも無い。自動で発動してくれるからスキルを使う手間が省ける。

 なかなか便利なスキルじゃないか。


 発動するスキルはパラライズというスキルか……

 スキル名からして麻痺の状態異常を付与するデバフだろう。恐らく行動そのものを封じてしまう強力な状態異常なはずだ。

 今はまだ無いけどいつかは習得したいスキルだ。


 これからのことをサクラにも説明した。


「へぇー! そんな便利なスキルがあるんだー!」

「これもある意味では防御系のスキルだな。純粋にダメージを減らすのではなくてこういうカウンタースキルもありだな。んじゃ習得っと」


 ――――――――――――――

 《接触の代償『麻痺』》を習得した!

 ――――――――――――――


 ステータスを上げる目的だったが嬉しい誤算だ。今やってる作業も無駄じゃなかったんだな。

 できれば他にも似たようなスキルが欲しいけど今のやってる作業を続けていれば閃くかな?

 ならばさっそくゴブリンを探さないと……


 ……いや待て。

 今習得したスキルは近接攻撃のみに反応するタイプか。

 ということは……ひょっとして……


「確か弓持ってるゴブリン居たよな? ゴブリンアーチャーってやつ? そいつを探そう」

「弓のゴブリン? そういえば見たことある! 探してみるね」


 というわけでゴブリンアーチャーを探すことにした。

 俺の予想が正しければもしかして……


 しばらく捜索していると、サクラが少し上を見ながら叫んだ。


「あ! あそこ! あそこに弓持ってるゴブリンが居る!」


 サクラが指差した方向には、樹の上に弓を持ったまま見下ろすゴブリンの姿があった。


「あんな所に居るのか……」


 近接武器だと到底届かない場所にいやがる。


『ギャッーギャッギャッギャ!』


 まるで地の利を得たぞ!と言わんばかりにあざ笑ってやがる。

 なんつー小賢しいゴブリンだ。


「俺が前に出る。サクラは標的にされないように下がってて」

「気を付けてねガイ君!」


 俺は盾を構えつつゴブリンが居る樹に近づいていく。

 ゴブリンも弦を引き俺に向けて矢を向けてきた。


 そしてある程度近づいた時……ゴブリンは矢を放った。


『ギャッ!』

「おっと」


 矢は盾に弾かれて地面に落下した。

 どうやら威力自体は大したことないらしいな。これなら何発でもいける。


 それからはひたすら同じ作業の繰り返しだった。

 ゴブリンが放った矢を防ぐだけ。これだけだ。


 だがさっきまでやっていた作業比べてだいぶ楽だった。

 なぜならゴブリンアーチャーは樹の上に立っているせいか、その場から一歩も動くことができなかったからだ。

 太い枝の上に立っているとはいえ、足場はかなり悪い。そんな状態だったからずっと同じ位置に居た。


 同じ位置から放たれた矢は、基本的に同じ場所しか命中しなかった。

 これといって特別に変化があるわけでもなく、ほぼ同じ所に命中するのだ。

 しかも離れているので軌道が読みやすい。だから盾を持った手を少し動かすだけでいい。


 これでは作業というより放置に近い。

 乱戦中に狙われたらうざったい存在なんだろうけど、1匹しかいない状況では棍棒持ちゴブリン以下である。

 他のゴブリンが来ないようにサクラが見張っているからな。この場に居るゴブリンはあいつ1匹だけだ。

 せっかく地の利があるのにこれでは無意味だ。あのゴブリンも不運だったな。


 それからは盾を持っているだけでひたすら放置状態だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ