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やるべきこと

 次の日。今日もGoFにログインすることになった。


 昨日は初のダンジョンに挑んだけどなかなか楽しめた。やはりMMOならああいうパーティプレイは楽しいもんだ。

 何度かピンチになる場面もあったが、サクラの活躍によって助けられたことが多かった。思っていた以上に頼りになる存在だ。


 しかしいつまでも助けられてばかりではいられない。少しでも活躍できるように俺も強くならなくてはな。

 足を引っ張るだけの存在になるつもりは無い。デバッファーとして役に立てるように努力するつもりだ。


 というわけで今日はとある目的のためにすぐに動き始めていた。

 ログインしてから街の中を歩いて目的の場所を探していたが、聞き覚えのある声で呼び止められたのだ。


「あ! ガイ君!」

「おお。サクラか。奇遇だな」


 サクラは俺を見つけてすぐに近くまで寄ってきた。


「もうログインしていたんだな」

「私もさっきログインしたばかりだよ! それでガイ君の姿が見えたから声かけちゃった」

「俺もついさっきログインしたばかりだ。まさか再びログインタイミングが被るなんてこんな偶然があるんだな」

「うん。一緒だね。えへへ……」


 昨日もほぼ一緒のタイミングでログインしてたもんな。本当に俺とサクラは生活リズムが似ているらしい。


「せっかく会えたんだし。今日もパーティ組もうよ!」

「あー。実は今日は俺1人でやるつもりだったんだよ」

「え、えええ!? 何か予定あるの!?」

「予定というかやりたいことがあるんだ」


 昨日の出来事に関して思っていたことがある。今日はそのためにあることを実践したくて動いていたんだよな。


「やりたいこと?」

「色々考えててさ。このままじゃダメだと思って対策したかったんだ。今日はそのために1人で行動するつもりなんだ」

「ガイ君1人で……? よく分からないけど私も手伝うよ!」

「いや。今日は1人でやるつもりだったし……」

「ダ、ダメなの……?」

「う……」


 捨てられた子犬のような目で見つめてくるサクラ。

 なんだこの妙な罪悪感は……


「ダメというか、サクラがついてきても退屈でつまらないと思うぞ?」

「大丈夫だよ! ガイ君と一緒ならつまらないなんてこと無いし! それにガイ君の力になりたいの! ダメかな……?」

「サクラがいいのならいいけど……本当に退屈かもよ? それでもいいの?」

「うん! ガイ君のためなら何でもするよ! だからしてほしい事があったらどんどん言って! 何でも協力するから!」


 急に嬉しそうな表情になった。そんなに楽しみだったのか。

 でも何というか……サクラを見ていると犬を連想してしまうのはなぜだろう……?


「ガイ君? どうかしたの?」

「い、いや。何でもない。ならパーティ組むか」

「うん!!」


 ということで今日もサクラとパーティを組むことになった。

 もう毎日のようにサクラと一緒になってるな。固定パーティみたいになっている。

 まぁ俺としても助かるからいいんだけどね。


「それで何をするの?」

「その前にちょいと買い物したいんだ。盾が欲しいから店を探してるんだけど見つからなくてな」

「盾? ガイ君は盾使うの?」

「これからのことを考えると欲しくなってな。今回やりたいことにも使うし。いいタイミングだと思ってな」


 というより金が無くて装備も買えなかったしな。

 でもテレサのお陰で軍資金は溜まったし。防具も欲しいと思ったわけだ。


「だから防具を売ってそうな店を探しているんだ。サクラも一緒に探してくれないかな?」

「お店ね。分かった。一緒に探すの手伝うよ!」

「助かるよ」


 こうして2人で街中を歩いて店を探し始めた。

 しばらく歩いていると防具屋を発見。特に苦労することなくあっさりと見つかった。

 店の中に入ると、中にはゴツいおっさんがカウンターの奥で立っていた。


 店の壁際には鎧や盾が飾っていて自由に見ることができるみたいだ。


「ガイ君はどの盾が欲しいの?」

「ん~。特にこだわりは無いんだよな。とりあえず攻撃を防げればいいだけだし。とりあえず安いやつでいいや」


 盾に近づくと詳細と値段が表示された。1つ1つ確認していくと良さそうなのを発見。

 選んだ盾はこれだ。


 ――――――――――――――――

【防具】ウッドシールド

 DEF:5


 ――――――――――――――――


 これといって特に変わった特徴も無い普通の盾だ。

 値段も最安値でたったの1000G(ゴルド)。他の盾は5000とか8000超えてるいるが、これだけとびっきりで安い。

 だが安いだけあって性能も最低クラスみたいだ。


 俺はウッドシールドを購入。そして店から出ることにした。

 さっそく装備してみることに。


「うむ。悪くない。サイズも丁度よくて扱いやすいな」


 ウッドシールドは片手で振り回せるぐらい軽くて小型の盾だ。

 武器を持っても邪魔にならないサイズだし。俺にはピッタリの盾だ。


「その盾でいいの? 他にもっといい盾があったのに……」

「これでいいんだ。別に一生この盾を使うわけじゃないしな。今回は検証も兼ねてるから盾なら何でもよかったんだよ」

「検証? 何するの?」

「とりえあず街を出よう。歩きながら話すから」


 こうして俺達は街から離れて狩場へ向かうことになった。

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