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地味な戦い

 目を開けると、大きな町の中にいた。


「へぇ。ここがゲームの世界か」


 現実とはほとんど変わらないほどのリアルな光景に感動してしまう。

 辺りにはプレイヤーが何人も行き来している。ここが初めて訪れる町だからか、けっこう人が多い。


 ここは始まりの町〝ルンベルク〟というらしい。

 人々が多く、けっこう栄えている町みたいだ。


 さて。さっそく狩り出かけよう。少しでも早く慣れたいしな。


 そう思い、町から出て平原へと移動した。

 歩きながらステータスを確認。


 ―――――――――――――

 名前:ガイ

 Lv:1

 所持金:1000


 HP:144

 MP:80


 STR:3

 INT:4

 VIT:2

 MND:1

 RES:11


【アクティブスキル】

 《ポイズン》《アースバインド》


【パッシブスキル】

 《弱体化の心得》


 SP:0

 ―――――――――――――


 ……おや?

 ステータスにバラつきがあるな。

 そういや行動によって変化するとか言ってたっけ。ということは、所持スキルでも変化するのか。

 なるほどなるほど。この時点で既に差が出てきてるのか。ならば習得スキルは厳選したほうがいいのかな。

 とはいってもプレイスタイルはもう決めてあるし、今は深く考える必要はないかな。


 しばらく歩いているとモンスターと遭遇。相手はスライムだ。もはやゲームでは定番のモンスターだな。


「おし、んじゃやるか」


 スライムの近くまで移動し、スキルを発動させる。


「えーと……《ポイズン》っと」


 スキルが発動し、スライムの色が紫色に染まっていった。

 なるほど。あれが毒状態ってやつか。分かりやすい。


 毒状態になったスライムは、俺に向かって移動し始めた。状態異常にさせただけでもヘイトは溜まっていくようだな。

 スライムが目の前までやってきて体当たりしてきた。それを回避して持っていたナイフで攻撃。

 それを何回か繰り返し、スライムを撃破。

 すると何かを落とした。


 ――――――――――――――

【収集品】粘液


 様々な素材になる粘液。

 ――――――――――――――


 なるほど。これがドロップアイテムってやつか。

 アイテムを拾い、次のスライムを探す。


 んーと……おっ、居た居た。

 近くにいたスライムに《ポイズン》で毒状態にする。


 スライムの体当たりを回避。


 それをかわして攻撃。


 体当たりを回避。


 その隙に攻撃。


 回避。


 攻撃。


 回避。


 攻撃。


 …………


 ………………


 ……………………


 地味ッッッッッッッッッ!! 

 ひたすら地味ッ!!

 序盤だからこんなもんか。しかも攻撃スキルは持ってないしな。だから余計に地味な戦闘になる。

 まぁいいや。その内に慣れるさ。今はとっととレベルを上げよう。




 レベルも上がり、何匹目かのスライムを倒した瞬間、突然メッセージが表示された。


 ――――――――――――――

 《コンフューズ》を閃いた!

 ――――――――――――――


 お? これが閃きシステムってやつか。

 すぐにメニュー画面を開き、スキルを確認する。


 ――――――――――――――――――――――

【アクティブスキル】コンフューズ(未習得)


 対象1体を混乱状態にする。


 消費MP:20

 クールタイム:10秒

 ――――――――――――――――――――――


 ほほう。混乱付与か。なかなか面白そうなスキルが出たもんだ。

 レベルも上がってSP(スキルポイント)も増えたし。これは覚えておくか。


 ――――――――――――――――

 《コンフューズ》を習得した!

 ――――――――――――――――


 よしよし。んじゃさっそく試し撃ちだ。


 歩き回って辺りを散策していると、2匹のスライムが丁度いい位置にいるのを発見した。

 コンフューズを発動し、スライム2匹にそれぞれ混乱状態にさせた。

 すると――


「おお。やっぱそうなるのか」


 スライムは互いに互いを攻撃し始めた。はたから見ると仲間割れしているみたいで面白い光景だ。

 混乱状態にさせると、敵味方関係なく近くにいる相手を攻撃するようになるみたいだ。

 ついでに両方にポイズンで毒状態にさせた。


 しばらくそんな状態を眺めていると、片方のスライムが倒れた。HPが尽きたようだ。

 生き残った方のスライムは辺りをキョロキョロと見回していたが、すぐに倒れた。

 ずっと互いに攻撃し続けていたからか、瀕死状態だったわけだな。んで毒状態にさせてあるから、残りわずかなHPも毒によって0になった……という状況だろう。

 これはなかなか便利だな。


 このやり方で倒しても経験値は手に入るし、アイテムもドロップするようだ。

 俺が攻撃せずとも倒せるんだから楽でいい。当分はこの戦法でいこう。


 次なる獲物を探し、歩き出した。

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