第二十七話 どうやらアメリカは大艦巨砲主義に目覚めたようです!?
投稿遅くなりました第二十七話です。
戦後世界線第一回ですね。
今回は戦艦のお話です。
次回は戦争かな?
1945年、第二次世界大戦停戦から一年が過ぎたこの年、現在ではほぼ全世界の国家が加盟することとなる国際連合が発足した。
事の発端は、アメリカの大戦参加後の1942年1月、連合加盟国(ソ連も含む)が署名した連合国共同宣言において、戦後の世界構想として、領土不拡大や民族自決、貿易の自由などに加えて、安全保障条約が確認された。その後もモスクワ宣言などにより、国際機構を早期的に設立することが考えられ、停戦後の1945年には当時敵対中だったアメリカも国際機構の設立に賛成し、アメリカのサンフランシスコで開かれたサンフランシスコ会議で国連憲章が署名され、同年10月に正式に発足した。
ナチスドイツによる大虐殺などの非人道的な殺戮の経験から、基本的人権の尊重を基本に1948年の国連総会では世界人権宣言が採択され、国際連合では先の国際連盟の反省を活かして様々の専門機関と連携し、多くの分野での国際的な協力の推進がはかられることとなった。そして、国際連合の発足の最大の目的は、先の大戦を繰り返さない国際平和と安全の維持であり、その中心機関として安全保障理事会(以後、安保理に略称)が設けられた。そして、大国間の協調が重視され、安保理の常任理事国として初めはイギリスと日本、ソ連にアメリカが決まっていたのだが、イギリスの希望によりフランスも追加され、この5カ国が初期の常任理事国となった。ちなみにだが、当時の常任理事国には拒否権が与えられ、ETOと相互安全保障条約機構による対立が深くなると、拒否権が頻発に使われるようになったのは、言うまでもない。
そしてこの頃(国連発足前)、一時的に平和な時が過ぎていったのだが、状況が変わったのは1945年7月16日に起きた。
アメリカが核開発に成功したのである。
第二次世界大戦勃発からすぐ後の頃、アメリカはナチスドイツが核開発をおこなっているという情報を手に入れ、これに危機感を受けたアメリカ政府は極秘に核開発をスタートさせた。途中、連合国による核開発成功や大戦の終結(停戦)により、一時開発が停滞したりしたものの、ようやく戦後になって開発が成功したのである。
これにより、ETOは全面核戦争を恐れて国際連合発足を急いだとも言われている。
そして核を持ったアメリカは、異常な行動に走ることになる。
そう、戦艦の大量建造である。
停戦後のアメリカは周りを敵国に囲まれ、それに対抗するべく国家予算の大半を軍備に投下していた。特に海軍に至っては、フレッチャー級駆逐艦やクリーブランド級軽巡洋艦などの小型艦艇の大量建造はもちろんのこと、エセックス級航空母艦やアイオワ級戦艦などの大型艦も大量建造するなど、自国防衛には明らかに過剰な増強を行っていた。余談だが、新造艦の他に戦時を生き残った航空母艦エンタープライズやレキシントン級航空母艦、コロラド級戦艦などの艦艇も保有していたことを忘れてはならない。
もちろん旧連合国側もこの動きに合わせて軍拡を行なっており、日本では量産型航空母艦の決定版である雲龍型や超大型戦艦の大和型などを、イギリスでも軽空母に分類されるコロッサル級やマジェスティック級などを建造して、大洋を挟んで互いに大量の艦艇を並べて牽制し合っていた。(日本の雲龍型と大和型に関しては、初期型艦は戦前に竣工済み)
ちなみに、旧連合国の各国では、そこまで兵器を製造できず、日本やイギリスからの輸入に頼っていた一面もあり、旧式化していたり戦時中に大量生産された戦車や航空機、艦船が多く輸出された。特に、前述した雲龍型やコロッサル級などの艦艇の一部はオランダやポルトガル、スペイン、トルコ、イタリア、ウクライナ、フィンランド、ニュージーランドなどの、金銭的に余裕のある国家や比較的敵対国家に近い国々に輸出、供与されていた。(ちなみにフランスは海軍に至っては、ほとんど更新が行われなかった模様、、、)
そうした中、核をどう使うか考えていた当時のアメリカの大統領であったフランクリン・ルーズベルトは、
「戦艦に核砲弾を載せて戦わせたら最強では?」
と、頭のネジが吹き飛んだ発想と日本の超大型戦艦に誘発され、40センチ砲12門のモンタナ級戦艦を建造している。また、この計画を考えたルーズベルト大統領は1945年の4月に、大統領選に勝利し4選を果たしていたが、脳卒中によって死亡し、副大統領であったハリー・S・トルーマンが跡を継いでいる。
そして、跡を継いだトルーマン大統領は、
「40センチ砲じゃ短くないか? 51センチは必要だろう!」
この一言により、モンタナ級戦艦をさらに超える戦艦が建造され、前大統領の名がついた、51センチ砲6門と搭載したルーズベルト級戦艦が建造された。ちなみにだが、モンタナ級とルーズベルト級は船体幅がかなり大きかったため、パナマ運河を通過できなかったという逸話が残されている。もちろん、51センチ砲という巨大な砲は、使い道がほとんどなかったため、冷戦終結後、ルーズベルト級はすぐにスクラップになったという話が残っている。
ちなみに、アメリカが戦艦を大量に建造したことにより、各国も戦艦の保有を進めたのだが、この影響で一番儲けたのは実を言うとイタリアである。戦後、ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦の3、4番艦を戦勝国に賠償艦として明け渡したのだが、思いのほか性能が良かったのと、アメリカの戦艦に対抗するべく戦艦が必要だった特に大型艦の建造が出来なかったスペインやポルトガル、トルコ、オランダなどから発注され、結果的に欧州の標準型戦艦として大量建造された。ちなみにイギリスや日本は自国用の艦艇の建造により、各国が手が余っていたイタリアに発注されたという理由もあった。
そうして、各陣営の各国ともに戦艦の大量建造をおこなっていたが、実際に核砲弾による海戦が起こったとしたら、双方ともに甚大な被害が出ることは、当時の人たちにはなかったと現在では考えられている。
ただ、実際に核砲弾を使った戦闘は行われなかったため、戦艦の建造は無駄だったと思われるが、そのおかげか、各国による艦船の建造合戦や兵器の大量生産により、各国の経済は戦争特需並みの経済効果があったと言われており、これが理由となって各国の経済状況が一気に回復したことは、あまり知られていない、、、
そうした不安定な世界情勢の中、アジアのインドシナ半島では、新たな火種が誕生しようとしていた、、、
一体どうなっていくのやら、、、
次回、インドシナ戦争
現状、大体の今後の展開が出来上がっているので、投稿頻度は少しは改善すると思うので、お楽しみに!
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