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第二十六話 休戦から停戦、そして冷戦へ、、、 戦後の世界情勢

第二十六話です。

アメリカ(枢軸国)と連合国との間でようやく終戦に?

1943年12月 日本領布哇州 真珠湾


連合国艦隊が停泊しているこの港に、西海岸から小規模な艦隊が入港してきた。そう、アメリカから休戦交渉のためにやってきたコーデル・ハルら外交官を乗せた、アメリカ太平洋艦隊の残存艦隊である。

到着後、連合各国とアメリカ(それとオーストラリアなども)の外交官達は早速交渉に移り、現在(当時)の占領域での停戦となった。連合国としては、未だカナダの大部分が占領されていたままであったが、核があるとはいえ、陸上戦力では圧倒的な戦力差があったため、現状維持での停戦となってしまったのである。もちろんカナダなどの一部の国がこれにひどく反発したものの、日本やイギリス、フランス、アメリカの力には逆らえず、翌日に双方の代表が停戦協定に調印したことにより、第二次世界大戦は事実上終結した、、、


戦後の世界情勢はこうである。


まずヨーロッパを紹介していくのだが、連合国軍(ソ連軍を除く)がほとんどを解放してしまったこともあり、オーストリアやチェコスロバキアなど、旧独立国を含むほとんどの国家が民主主義国家として誕生することとなった。

ただしユーゴスラビアについては、チトー率いる人民革命軍が連合国の力をほとんど借りずに全土をナチスドイツから解放したため、ヨーロッパの国々の中では珍しい共産主義国家として以後歩んでいくこととなる。


そして、戦後のヨーロッパ、正確にはアジアだが、一番変わったのがソ連である。

戦時中、枢軸国と連合国に挟み撃ちに遭い、国土のほとんどを蹂躙され、連合国との休戦によりなんとか国体は維持して枢軸国に勝利したのだが、連合国との約束では連合国に占領されたままのシベリア方面を返還して貰うはずだったのだが、連合国軍は終戦後もウラル山脈より東を占拠し、なんとロシア臨時政府を樹立してしまったのである。

もちろんこれに対し当時ソ連の総書記であったスターリンは、


「なに勝手に人の土地に建国してくれとるんじゃぁ!」


と、言い散らかしたと言われている。


ともかくウラル山脈以東が奪われ、どさくさに紛れて奪うはずだった旧領のウクライナやポーランドなどが手に入らなかったことにより、スターリンの権威は地に落ちた。新たに反対派を大量に粛清したことにより、スターリンの恐怖による独裁とソ連の国体は彼が亡くなるまで続くこととなるのだが、それはまた後の話、、、

(ちなみにロシア臨時政府の陰に隠れて、ベラルーシなんかも独立を果たしている。)

また、ロシア臨時政府がウラル以東に建国されたわけだが、実態は連合国の傀儡国家のような状態だったため、その後に日本領沿海州のウラジヴォストークから出発した封印列車に乗って、元ロシア皇帝のニコライ2世が臨時首都のエカテリンブルクに到着後、皇帝に復帰。立憲君主制のロシア連邦としてロシアは連合国の力も借りつつ再建されていくこととなる。

ちなみにだが、ロシア皇帝一家はロシア革命後にアメリカに亡命していたのだが、第二次世界大戦勃発後、アメリカが枢軸国に加盟してアメリカが対戦に動きだすと、皇帝一家は亡命先をスウェーデンに変更。その後、そこで第二次大戦を迎えるのだが、連合国がウラル以東に臨時政府を建国するにあたって、ちょうど良い人物を探している中で元皇帝が見つかったため、急きょ皇帝として復帰したのである。なお、行政を担うほどの健康は既にニコライ2世には無く、ほとんど政府が行い、式典などの一部の形式的な仕事ぐらいしかしなかったのが事実とである。(形式的な仕事でも欠席することが多かったため、アレクセイ皇太子が代理として活躍している。)


次に、アジアとオセアニアだが、太平洋については国境線は戦前とあまり変わっていない。変わったとすると、所属する陣営や宗主国?ぐらいであろう。

まず一番目立つのが、ニューギニア島の南東部である。元々はオーストラリアが管理していたのだが、大戦終結時点で連合国に占領されていたため、戦後は日本が北東部も合わせて管理を進めていくこととなる。また、そのほかの太平洋に浮かぶほとんどのオーストラリア領の島々も連合国に占領されていたため、連合国各国によって分割統治されることとなった。

そして、国境線は変わっていないものの、アメリカとオーストラリアとの間にあるため重要度が増したため、戦後に連合国軍急激に軍備が増大することとなる。(主に連合国軍の駐屯や基地の設置などが主)


そして、太平洋にあるイギリス領マラヤとフランス領のインドシナ、オランダの東インドは、第二次世界大戦時に日本が防衛や管理を行なっていたこともあり、宗主国権が日本に譲渡され(ほぼ無理矢理)その後に連合国監視のもと、独立していくこととなる。

(ちなみにインドは自治権が一部上がっただけに留まっていた。)


そして大陸に目を向けると、北部の方は先も言ったようにロシア臨時政府(後のロシア連邦)が誕生したのだが、中国の方はというと“地獄”そのものであった。まずウイグルとチベットは独立を維持することに成功。北京や南京など、長江より北部は奉天軍閥を中心に、汪兆銘などの日本などの連合国側の政治家達によって、臨時首都を北京とした中華民国が誕生している。ちなみに蒋介石が率いていた中華民国とは別物の国家であるので、名称を間違えないように注意が必要である。

また中華民国と名前では言いつつ、日本側の意向で国の象徴として元皇帝である愛新覚羅溥儀が皇帝として復帰してる。余談だが、日本側としては関東大震災において、当時皇帝の座から降りていた溥儀が、当時の日本政府に対して義捐金を送ることを表明。紫禁城内にある膨大な宝石などを送り、日本側で換金し義捐金として使うように日本政府に送ったのだが、これに対し日本政府と大正天皇は、換金せずに評価額と同じ金額を皇室から捻出し、宝石などは皇室財産として保管した。これにより、日本(特に皇族関係)と溥儀の関係が非常に良いものとなり、結果的に再び皇帝になるように仕向けたと言われている。


そして、長江よりも南部の地方と中国奥地では、各軍閥や中華民国残党、中国共産党による勢力争いの場となり、長期にわたって群雄割拠となることとなる、、、


そして最後にアメリカ大陸だが、日本領の阿拉斯加(アラスカ)州はほとんど国境線が変わることはなかったものの、カナダはノバスコシア半島や一部の島を除いてアメリカに占領されることとなり、さらにはアメリカが傀儡のカナダ合衆国を占領地に建国してしまったことにより、分断国家となってしまった。カナダに至っては再び統一されるまでに、長い時間がかかったことに関しては、また後の話で、、、

そしてアメリカは、連合国(クレイジー)たちが再び戦争を吹っかけてくることを恐れ、大規模な防衛戦略(グンカク)に走り、結果的に国家予算のおよそ8割が軍事費というトンデモ国家になっていくのだが、連合国各国としては皆呆れ返っていた。


とは言え連合国としても、アメリカに対抗しなければならず連合国を解体。旧連合国加盟国を主軸に新たにユーラシア条約機構、通称ETO(Eurasian Treaty Organization)を設立。ヨーロッパのほとんどの国家と、アジア諸国などの多くの国家が参加する、巨大陣営となった。


一方でアメリカも対抗して中部、南アメリカの各国を保護するために各国を勧誘して相互安全保障条約機構を設立して、ETOに対抗した。(ちなみにオーストラリアも加盟している。)


こうして大洋を挟んで、二つの巨大陣営が冷戦を繰り広げていくことになっていったのであった、、、

書いている本人が言うのなんですけど、なんか分断国家多くね?

ちなみに現代編が終わったら、一応完結ですが、書けていない話が一部あるので、番外編をいくつか投稿する予定です。


次回、冷戦と各国の軍備(戦艦)


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(これ書くの久しぶりな気が、、、)

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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱこれだけ最良の選択肢をとっても倒せないんだから,逆にあらためてアメリカは凄い。
[一言] こんな世界線もあったんかなー
[気になる点] 「スターリンの権威」周りの文法がだいぶ気になります・・・・ [一言] ソ連分割とロマノフ朝復興は火葬戦記の嗜み
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