第二十五話 終戦へ
第二十五話です。
第二次大戦がやっと終わる?
第二次世界大戦終盤、北アメリカ戦線では、東部のカナダ方面と西部の阿拉斯加州方面に分断されたことにより、連合国の戦力は分散。更にはアメリカが総力戦に突入し、アメリカ軍の大幅な増強、特に降伏したドイツからの技術提供により、連合国に質や量で圧倒していた。
空中戦では、連合国軍は日本の零戦やイギリス(ついでにカナダも)のスピットファイアなど、レプシロ機を運用しているのに対し、アメリカ軍は降伏したナチスから技術提供品の量産機であるMe 262などのジェット機を運用しており、連合国軍の数多くの名機が撃ち落とされる事態となっていた。
陸上戦では日本のカヴェナンター巡航戦車やイギリスのクルセーダー巡航戦車を運用していたのに対し、アメリカはM3やM4などの戦車を大量に投入、更にはまたもドイツからの技術提供によって手に入れたティーガー戦車(こっちはちゃんとライセンス生産品。ちなみに数はあまり揃えられなかった模様)という当時世界最強の戦車を投入したことにより連合国の防衛戦は押し込まれ、特にカナダ方面ではアメリカ軍の主力がなだれ込んだことによりカナダ首都オタワや抵抗を続けていた所要都市のトロントまでもが陥落してしまう。最終的には阿拉斯加方面はあまりアメリカ軍に押し込まれなかったものの、カナダ方面はノバスコシア半島にまで追い詰められることとなる、、、
アメリカ軍に押されていた連合国だったが、押されっぱなしでは終わらなかった。
戦争を本気で終わらせにかかったのである、、、
太平洋布哇州近海、、、
通商破壊で使い物にならなかったアメリカ海軍の潜水艦隊は、太平洋各地(主に布哇州)で偵察任務を行なっていたのだが、そのうちの一隻が西海岸に向けて出撃したと思われる、日本軍の大規模な上陸艦隊を捕捉したのである。
これを受けて直ちに再建されたアメリカ海軍太平洋艦隊は、ハワイ近海に出撃したのだが、彼らは日本の艦隊を見る前に海に沈むこととなる、、、
世界初の原子力を使った爆弾、いわゆる原子力爆弾が艦隊を襲ったからである。
実を言うと戦争勃発時、ナチスドイツの迫害から逃げるため、日本に亡命してきたユダヤ人の一人であるアインシュタインは、ドイツの原子爆弾開発が先行することを危惧し、政府、更には昭和天皇に原子爆弾開発を開始するよう直談判。これに対しドイツの核兵器開発に怯えた日本は核開発をスタート。その後すぐに同盟国であるイギリス、更にはフランスやポルトガルなど、連合国の主要国家が共同で開発に参加し、連合各国の優秀な人材、更にはナチスを憎む日本に亡命してきたユダヤ人科学者などの努力によって僅か3年程で核兵器開発成功、量産が始まり、初めて投下されたのがやっと再建されたアメリカ海軍太平洋艦隊であった。
原子爆弾を載せたイギリス製爆撃機であるランカスター爆撃機は、ホノルル空軍基地を離陸。アメリカ艦隊が、攻撃されないよう、先行して攻撃を仕掛けていたホノルル空軍基地所属の航空隊に夢中になっている隙に原子爆弾を投下、投下した原子爆弾はちょうど艦隊の中央に居座っていた空母エセックス(戦中に竣工した唯一のアメリカ空母)の空中で爆発。
これによりアメリカ艦隊は一瞬で崩壊。わずかに艦隊の輪形陣の外側にいた駆逐艦と軽巡洋艦が数隻無事であったが、それ以外は言葉に表すことのできないほどの地獄絵図と化していたと言われている。なお、攻撃中だった日本側の航空隊は、輪形陣の外側に攻撃を集中していたため、損害をほとんど被ることは”なかった“と言われている。
この攻撃により、アメリカ政府は連合国の核兵器開発が成功したことを知り、また連合国軍は大量の航空機によってアメリカ各地にビラを配達、アメリカの世論を味方につけ、アメリカ(枢軸国)との休戦を持ちかけた。(ビラをばら撒くために、いくらか損害が出たのは触れないでおく)
当時アメリカでも核開発が進んでいたものの未だ完成しておらず、世論が終戦に向かっていたこともあり、1943年に、アメリカが休戦に応じ、こうして第二次世界大戦は終結した、、、
カヴェナンター巡航戦車が使用された理由としては、日本にロクな戦車がなかったため、イギリスから輸入したという話にしております。なお、戦場が寒冷地だったため冬場では非常に好評だったようです。(夏は地獄だった模様、、、)
次回、戦後の世界情勢




