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今が『あの頃』になっても  作者: NeRix
本編 第三部
63/71

第六十二話 八月二十二日 【きく】 懇願 

 私は自分の気持ちをアラタに伝えることにした。


 『なにも無しに言うのは・・・恥ずかしいかも』

おばあちゃんに相談したら・・・。

 『じゃあ、贈り物をしましょ。なにか作って、それと一緒に伝えればいいわ』

ということになって、すぐにできそうな小さい巾着袋を作っていた。


 『アラタだけにっていうのも・・・恥ずかしい』

『じゃあ、お友達にも渡したらいいわ』

みんなの分も作っている。

 時間はいくらでもあると思ってたけど、ずっと待たせるの嫌だ。

恋に関しては急ぎたい・・・のに・・・。


 あいつら、なんでこんな時に来るのよ・・・。

風神と雷神が私の土地に来てしまった。

 位はいくつ離れているのか想像もつかない・・・。

それほど強い力を持った神だ。

 私には彼らを止める手段も力も無い・・・守るだけ。

集中してやれば大丈夫・・・。

 

 でも・・・焦りはある。

急がないといけない・・・。

まったく、早く完成させたいのに・・・。



 「いい?おばあちゃんは家でじっとしててね」

「わかりましたよ」

「たぶん明日の朝まで戻れない。あと、明日は水道の水が濁るから今の内に溜めておくんだよ」

「これからやっておくから」

おばあちゃんはいつも通りの優しい顔で笑った。

まあ・・・私みたいに焦ってても心配だけど・・・。


 「戸締まりは今の内にしておいてね。あとは・・・」

「大丈夫よ。外に出ないようにするし、水も溜めて、戸締まりもします。それと、朝ごはんを用意して待ってるからね」

「・・・ありがとう。行ってきます」

私はおばあちゃんを残して家を出た。

朝ごはん・・・楽しみにしてよ・・・。

 


 「誰もいない・・・よかった」

私は隠れ家の中に入った。


 大丈夫、余計な心配はいらない。

あの子たちは頭がいいから、こんな時に外には出ないもんね・・・。

 気配を探ってる余裕は無い・・・。

でもきっと家にいる。


 「とりあえずここで待たせてもらおう・・・」

早くに出てきたのは水源の近くにいたかったから。

そうでないと厳しい・・・。


 「雨は・・・まだか」

ただ動く時を待つ。

 なぜか心がざわついている。

落ち着かないと・・・。



 私が胸を押さえていると、入口の戸が開く音が聞こえた。

え・・・。


 「おキクさん、来てたんだね」

コースケ・・・しょうがない子。

なんで家にいないのよ・・・。

 「あ・・・うん、勝手にお邪魔してる。ここは水源に近いから、早く行けるように来てたの」

私はできるだけ明るい声を出した。

 呑気にここに来るなんて・・・。

まあ、ここから出ないように言っておけば大丈夫かな。


 正直、一人だと落ち着かなかった。

コースケは相手の雰囲気を読んで合わせてくれるから、話してると気が紛れる・・・。


 

 「おキクさんは家の鍵しかなくて、向こうはどっちも持ってるってこと?」

「そう。だから、私には話を聞いてもらう場所すら用意されていない。できる範囲で何とかするしかないの」

私はコースケに他の神との関係を教えてあげた。

複雑でもないけど説明するのは難しいな・・・。


 でも、この子は頭がいい。

ふわりとした話でも、自分なりにまとめて理解しているみたいだ。



 窓の外に稲光が見えた。

・・・あれがそうか。


 「合図ね・・・雨が降り出した。・・・風も」

「うん、強いね」

「・・・もっと強くなる。でも、まだ彼らは来ていない。コースケはここから動かないでね」

ごめんね。もしもの時、あなたにまで気を回せない。

だからおとなしくしてて・・・。


 「・・・」

コースケは静かに本を取り出して、なるべく音を立てないようにしてくれている。

私の緊張が伝わったみたいだ。

 気が利くけど、合わせてばかりで疲れないのかな?

いや、この子は流れに身を任せている方が楽なんだろう。

ハルカに引っ張られてる時もそんな感じに見える。

 


 雨音が大きくなってきている。

雨・・・大雨・・・。


 「コースケ、家の人はあなたがここにいること知ってるの?」

確認してなかったのを思い出した。

大丈夫だよね?

 「出る前に言ってきたよ。危なかったらここにひと晩いろってさ」

「そう、よかった。私もおばあちゃんに伝えてきたのよ」

親が知ってるなら問題無い。

勝手に出てたら・・・。


 『こんな大雨で外出るなんて何考えてんだ!』

また記憶が・・・。

 『川・・・見たくて・・・』

『どれだけ心配したと思ってるの!』

もう・・・うるさいな!

心配なんかしてなかったくせに・・・。


 ・・・落ち着かないと。

もう少ししたら出ないと行けない。


 「ねえ・・・あれ?」

コースケが何かを言いかけて振り返った。

外から・・・声?

 「開けて、開けて」

戸を爪で擦る音も一緒に・・・。

人間ではないみたいね・・・。



 「あ・・・」

コースケが戸を開けると猫が飛び込んできた。

スズの所のカムパネルラだ。

 呆れた・・・この子には野生ってものは無いの?

こんな日に家から離れたところまで来てるなんて・・・。


 「どうしたんだろ?こんなに濡れて・・・」

コースケがタンスからタオルを取り出した。

 「ここにコースケがいてよかったわね。彼らが去ったらスズの所に帰してあげましょ」

明日の朝になるかな・・・。

 ああ、おばあちゃんの朝ごはん食べたい。

あ・・・夕ごはんも食べてない・・・あれ?


 「ねえ・・・これ食べていい?」

テーブルの上にパンがいくつか入ってる袋があった。

食べればちょっと元気になれそう・・・。

 「うん、食べていいよ」

「ありがとう・・・じゃあ・・・クリームパン貰うね」

「メロンパンもチョココロネも全部いいよ」

「うん・・・」

コースケのが無くなっちゃうし、一つでいいや・・・。



 「とりあえず温まらないとね」

「・・・」

猫にタオルが巻かれた。

 「スズも心配してるかもよ?」

「・・・」

まあいい、ここにいれば安全だろうし。

さて・・・。


 「・・・そろそろ出るね」

もう行っておこう。

 「ありがとうコースケ、話をしてたら少し気が楽になったよ。まあ面倒だけど、なんとかなるでしょ」

「うん、気をつけてね」

朝には帰って、おばあちゃんと続きをする。

いや、その前に朝ごはん・・・。


 「じゃあ・・・」

「ねんちゃーん!」

コースケに手を振ってすぐ、また外から声が聞こえた。

 ・・・スズ?

友達の声はしっかり覚えている。


 「・・・もう、なに考えてるのよ」

なんであなたまで外に出てるの・・・。

それに一人じゃない・・・ケイゴもだ。



 コースケが隠れ家にスズとケイゴを入れた。

二人ともびしょ濡れ。

スズは半分泣いていたから、猫を見せて安心させた。


 「ねんちゃん・・・心配させないでよ・・・」

「ふー・・・もう止むのかな?」

スズたちの顔から不安が消えて、それに反応したようになぜか雨が弱まってきた。

・・・雷神が力を抜いた?


 「さっき、戸の前で鳴いてたんだよ。雨が止んだら届けに行こうと思って」

ここに私たちがいたのは偶然だけど、二人は元から外になんか出なくてよかったってことだ。

友達を悪く言いたくはないけど、今だけは「どうかしてる」と思ってしまう。

 家の人も止めなかったのかな?

たしかコースケはここに来る前に親に話してきたって言ってた。

 ・・・この二人は?

まさか、外にいること誰も知らないんじゃ・・・。

だとしたら早く帰さないと。

 雨が弱まってる今しかない。

この二人ならまだ帰れる。


 「よかったなスズ」

「よくないわ、あんたたちは今の内に家に帰りなさい。家族にも同じ心配させる気?」

ここは真面目に言い聞かせないとダメだ。

 

 「家の人は、あなたたちがここにいること知ってるの?」

「・・・言ってない」

・・・やっぱり。

いや、こうなってしまったものはしょうがない。


 「そう・・・猫は私が明日届けてあげるから。ケイゴ、スズを送ってあげて」

「どうした?そんなにまずいの?」

「・・・あれは風神と雷神が連れてきた。今は少し手を緩めただけ・・・二人なら今から急げば大丈夫、帰りなさい」

私が集中できなければ・・・すべてなくなってしまいそう。

よくわからないものが私の頭の中に絡みついてきている・・・。


 「お願い・・・みんなまで構ってられない!今のうちに帰って家でじっとしてて!私は水源を守るためにそっちに集中しないといけない!」

これくらい強く言えば・・・。



 必死に言ったのが通じたみたいで、二人はすぐに帰ることになった。


 「ごめんね、明日の朝までご飯は無いの。帰ったらお腹いっぱい食べさせてあげるから」

スズはカムパネルラに一晩の別れを告げている。

見送ったら私も急ごう・・・。


 「女の子が助けてくれた」

私の体が固まった。

 女の子って・・・もう・・・勘弁してよ。

心に重りが付けられた感じ・・・良くない状態だ。


 「女の子!・・・て、ねんちゃん誰?誰が助けてくれたの?」

「・・・うかつだったわ。水源しか意識してなかった。こんな時に外に出るようなバカな子はいないと思ってたのに・・・」

「キク、誰かわかるのか?」

もう確認してる。

・・・ここにいない三人。


 「静かにして・・・スズ、ケイゴ、コースケはここにいる。・・・おばあちゃんはうちにいる。アラタ・・・カエデと一緒のおうちにいる・・・」

残ってるのは・・・。


 ハルカ・・・山にいるのね・・・。

まだ無事だけど、この雨だからだ。

流れてくる水が道に川を作ってしまい、動けなくてどうしようもなくなってる・・・。


 「・・・猫を助けたのはハルカね」

伝えるしかない・・・。

 「キクちゃん、ハルカちゃんはどこにいるの?ちゃんと家にいるの?」

「・・・山にいる。動けないみたい・・・じっとしてる」

「助けに行くぞ!」

ケイゴが立ち上がった。

私は・・・私は冷静でいないと・・・。

 

 「ダメ、あんたはスズを送りなさい。私が・・・行くから、私は・・・まだ大丈夫・・・え!なんで・・・」

いくつかの流れが感じられなくなっている。

水脈が塞がった?


 ・・・水源に今から行けば間に合う。

壊れてすべて流されてしまったら・・・そうなったら私は消える。

 どうしよう・・・ハルカも助けないと・・・。

感情が考えに色々なものを混ぜて冷静さが奪われていく・・・。


 「キクちゃん落ち着いて。どうしたの?」

「・・・水源も危ない。さっきまでは問題無かったのにおかしい・・・。たぶん水脈がいくつか埋まった・・・あそこは私の存在と繋がっている。守れなかったら、私は消えてしまう・・・どうしよう、どっちも行かないと・・・」

友達は見捨てられない。

でもそうしたら私の存在は・・・。


 「ハルカの所には僕が行く!おキクさんは水源に行って!」

コースケが胸を押さえながら叫んだ。

 あなたまで・・・。

やめて・・・これ以上、私に負担をかけないでよ・・・。


 「ダメ、あんたたちを危ない目には合わせられない。きっと道なんて無い!だからハルカも動けないのよ!」

「山の中は僕も詳しい、水が入りづらい所もわかる。だから僕が行く!ハルカを助けたいんだ!!おキクさんが消えるのも嫌だ!!」

「・・・私が水源に集中したら、コースケとハルカに気を回すことはできない。・・・もしもがあっても」

本当にそうなる危険がある。

 私がハルカを助けて水源に戻る・・・。

上手くいくかはわからないけどやるしかない。


 「それでも行く。ケイゴはスズを家に送り届ける。おキクさんは水源へ・・・僕はハルカの所に」

コースケはなにか確信がある顔をしていた。

 雰囲気に流されてるだけだ。

そんな夢みたいなこと言って・・・。

夢・・・まさか・・・。



 「・・・コースケ、もしかしてハルカの夢を見たの?」

少し考えて聞いてみた。

それがあるからなんだよね?

 でも行かせるかは内容次第だ。

無事に戻れるなら任せられる。


 「うん、暗い所で一人で泣いてた。憶えてるのはそこだけ」

「・・・それじゃダメ!それだけじゃどうなるかわからないことが多すぎる」

「夢で見たことは変えない方がいい。そう言ったのはおキクさんだ。僕は行かなきゃいけない」

私は頭を抱えた。

無理だよ・・・どうしよう・・・。


 「・・・キク、コースケは止めても飛び出すよ。コースケ、オレはスズをちゃんと家に帰す。ナツミさんとおじさんもいるだろうけど、今夜は一緒にいることにする。スズ、それでいい?」

「・・・うん、わたしもちゃんと帰る。ケイゴ君も一緒にいるし、キクちゃんに負担はかけない」

・・・二人分の心配は減った。

 私の心は揺れている。

コースケが上手くいけば、私は水源を守れるけど・・・。


 「おキクさん、僕に行かせて。・・・信じて!僕はハルカも君も消えてほしくないよ!」

他に・・・方法は無いみたいね。

 この子たちを足手まといに思っていたけど違う。

私の助けになろうと、負担を減らそうとしてくれている。


 『これからは一人で抱え込まないで。持ちきれないものはおばあちゃんが手伝うから。きっと友達もそうよ』

わかったよおばあちゃん、友達も私を見捨てない。

でもこれは私にしかできないことだから・・・私も友達を見捨てない・・・。


 「・・・わかった、あんたたちを信じる。時間が無いけど・・・ケイゴ、ちょっと来て」

信じるとは言ったけど、私は自分の存在を賭けることにした。

水源には向かうけど、この子たちが危なければ投げ出して助けに行く。



 「じゃあ、三人とも・・・また明日ね」

ケイゴの力とハルカの場所をコースケに渡して、私は水源に向かった。

きっと・・・きっと大丈夫。



 「また雨が・・・」

隠れ家を出て少しすると、急に強く降り出した。

ケイゴたちは・・・うん、もうすぐ帰れる。


 ハルカ・・・さっきの所から動いてる。

コースケ、急いで・・・。


 気になりだすと集中できないな・・・。

でも、水源はすぐそこだ。



 「あ・・・」

「遅かったな」

水源には渡り神の姿があった。

 「・・・雷神は変わらないな。私が呼びかけたら雨雲を手放した。奴の役目を邪魔してしまったようだ」

さっき雨が弱くなったのはそういうことか。

・・・そうだ、力になってくれるかもしれない。


 「お願い!少ししたら戻ってくるから、水を抑えていてほしい!」

この人がいれば・・・。

 「・・・承諾できないな。ここはお前の土地で、それが役目だ。わかるだろう?危険な状態だ」

「なら、私の友達が山にいる。心配で集中できない!無事に下りられるように助けてあげて!」

私は渡り神に詰め寄った。

それくらいできるはずだ。


 「・・・私を身内とでも思っているのか?位の低い神からの頼み・・・なぜ引き受けなければならないのだ。私からの許しが無ければ、こうして話すこともできないことを忘れたか」

返ってきたのは冷たい言葉だった。

 でも、でも・・・あの子たちは私の友達・・・。

そして、今頼れるのはあなたしかいない・・・。


 「・・・お願い・・・します。あの子たちを・・・助けてあげてください」

私は渡り神に縋り付いて、涙を流しながら助けを求めた。

感情と涙が溢れてくる・・・。


 「感情の昂ぶり・・・。その揺らぎがあるから諦められないのか。他の神は役目を最優先で考える。本来奴らが共に来たとしても、なにも問題は無いのだ」

「私にはあの子たちを見捨てられません・・・お願いします・・・」

「・・・獣、人間、こういったことで死ぬ者を幾度も見てきたが、手を貸したことは無い。すべてその者が招いたことだからだ。なぜ今回は手を貸さねばならないのだ?」

「お願い・・・します・・・なんでもしますから・・・助けてください。あなたしか・・・頼れるものはいません。お願い・・・します」

何度も、何度も同じことを口にした。

 水源の様子も気にならない。

私はあの子たちの命を優先したい・・・・。


 「お前に望むものは何も無い。・・・このまま放っておけば水源は無くなり、お前という存在は消滅する。とわに存在する我々にとって、人間の子どもの命は取るに足らないものだ。それでも自分の存在を賭けるのか?」

「はい・・・私は・・・消えても構いません。あなたが行かないのであれば・・・存在しているうちにあの子たちを助けに行きます」

渡り神は助けてくれない。

なら、覚悟はできている。


 私が・・・私が行く。

アラタの顔が浮かんだ。


 『だってもう俺たち友達だろ?』

『キクはさ・・・いい匂いがするよな。夏の香りって言うのかな・・・』

消えたくないな・・・。

今、あなたの顔を思い出すのは辛い・・・。


 『俺はあさってからいつも通り、この柵に座ってお前が来るのを待ってることにする。話したかったり、遊びたかったり、おぶってもらいたかったりしたら・・・ここに来れば、俺がいるようにする』

ごめんね・・・嬉しかったよ。

 『俺さ、キクの浴衣姿・・・また見たいな』

浴衣もすぐに見せてあげて、恥ずかしがらずに気持ちも伝えればよかったね・・・。

さよなら・・・アラタ。


 「もう時間は無い。私は二人を助けに行く・・・」

私は飛び立った・・・。

 「・・・待て」

と思ったら、渡り神に腕を掴まれた。


 「なに?離してよ!!」

「・・・お前はここで役目を果たせ。望み通り私が行こう」

「なによ・・・急に」

張っていたものが緩み、私は地面に落ちた。

 さっきと違う・・・。

なんだか・・・暖かい・・・。


 「私にはどちらも容易い。極限の中・・・お前は自分の存在を優先するのか、心がどこまで傾くか見たかった」

なによそれ・・・。

 「・・・どっちでもいい。早く行ってあげて。それと・・・ありがとうございます」

怒りは無い、安堵の方が勝った。

渡り神は私なんかよりずっと位が高い、何とかしてくれる安心感がある。


 「これで集中して守れる。・・・よかった、またみんなに会える。私はまだ消えてられない!」

朝には・・・帰るんだから・・・。



 数時間が経った。

私は水源と一つになり、何とか被害は増やさずに済んだ。


 嵐は去り、雲もどこかに行き、空には濃い藍色と星がいくつか見える。

・・・いやまだだ、水脈をすべて見ないといけない。何箇所か埋まってしまった。


 「ここは、大丈夫・・・ん・・・こっちは少し崩れてる。直しに行かないと・・・」

役目は果たせた。

私は・・・まだ存在している。


 コースケとハルカも無事みたいだ。

あとで一応様子を見に行かないと・・・。

 なんだろう・・・少し・・・疲れたな。

早くおばあちゃんにも顔を見せて安心させないと・・・。

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