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48 最後の酒めぐり③

よろしくお願いします。



 窓の明かりに目を覚ましたのは朝の9時過ぎ。

 昨夜は何故か3回もシャワーを浴びる事になったのだが、体調的には特に問題無さそうだ。


 今日も宿泊予定なので急ぐ必要は無いのだが、おわら玉天を食べたいとお腹が主張してるので起きる事にする。


 隣では美成がまだ口をムニムニしているが、浴衣のままで俺はロビーにコーヒーを飲みに行く。

 寝起きの一杯はやっぱりコーヒーだな等と呟きながらソファーに腰かけコーヒーを頂く。


 昨日は他の客に全く遭遇しなかったのだが、今日はロビーを抜けて出ていく客が結構いるのを見て「一応繁盛してるんだな」等と感心した、何様なんだか。


 部屋に戻るとドアの音に気付いたのか美成がムクッっと起き上がった。

「よぉ、おはよ」

「ん~、おわよぉ~」

 目を擦りあくびをしながら美成は答えた。


「コウスケ~こっち来て」

「なに?」

「抱っこして」

「何だよ甘えたいのかぁ?しゃ~ね~な」

 御姫様抱っこして窓の方へ行きカーテンを開けた。


「うわ~~真っ白ぉ~、凄いねぇ~~」

「こんなに積もったのか、今日大丈夫かな」

「え~何がぁ?」

「美成がコケないか」

 俺の腕をツネりながら「もうっ」っと一言。



 この日の予定は特に決めていないので行き当たりばったりになる。

 まずはお腹の要望であるおわら玉天を食べに行く。


 おわら玉天を柵に腰かけ食べていると何やら別の匂いが…

「何だろこの甘い匂い」

「あっちの方からみたい、行ってみよ」

 またまた美成に手を引かれ甘い匂いの根源にたどり着くとミニたい焼きの屋台だった。

 しかし、その近くにはたこ焼きもある、昨日は後の事も考えて控えたが今日は行き当たりばったりなのでココは連覇する事になった。


 これがココでの王道なのだろう、他にも串焼きやら団子やらが匂いで誘うのでコレも制覇。


「これで朝食替わりになったね」

「え?昼食込みじゃない?」

「だって高山って言ったら高山ラーメン食べなきゃでしょ?」

「そうか、アイツが居たか」

 昼食は高山ラーメンに決まったらしい…


 高山ラーメンとは言うものの、その殆どは中華そばとか醤油ラーメンなど普通の名前になっているのでどれが純粋な高山ラーメンなのか分からずに何件かのラーメン屋を通り過ぎて如何にも昭和の食堂と言う風情の店に入った。


 注文したのは中華そば。


 スープは醤油のアッサリ系、麺は軽く縮れた細麺、具はチャーシューにホウレンソウとメンマにナルトと、極々シンプルなラーメンだったが、懐かしい味を堪能出来た気がした。


 はたしてこれが高山ラーメンなのかは分からなかったが、それまでに通り過ぎて来た店のラーメンは具たくさんのこってり系ばかりだったので、恐らくこれが正解だろうと言う結論に至った。



 昼食を終えて昨夜検索して気になり、行ってみたい所が有ったので美成を誘ってみた。


「あのさ、昨日検索しててこんな場所見つけたんだよ、行かない?」

 そう言ってスマホを見せる。

「なになに?博物館?おもしろそ~行ってみよ~」

 美成もノリノリで宮川を渡り駅とは反対方向へしばらく歩いたところに有ったのは、高山昭和館。


 要は昭和の遺物を展示した博物館だ。


 中に入ると映画「三丁目の夕日」のセットの様な雰囲気そのままで周りの全ての物が珍しかった。


 狭い路地裏を再現したような所に、三輪の小さい車が有ったり古めかしい店舗の壁には鉄板で出来た看板が貼られていたり、電柱は木で出来ていたりと今では見られない物ばかりがそこには有った。


 1時間ほど掛けて昭和の雰囲気を楽しみ博物館を出た。

「なんか知らない物ばかりだったけど面白かったね?」

「あぁ、中にはウチの親が持ってたものもあったしな、なんか懐かしかったよ」


 結構ゆっくり見たので時刻は14時を過ぎていた。


 そして再び昨日立ち寄った水だしコーヒーの店でケーキセットを頂きまったりすると店の雰囲気のせいなのか疲れが出たのか、少し眠気を感じて一旦ホテルに戻る事にした。



 ホテルに戻って来て荷物を置き、コートだけを脱いでそのままベッドに腰かけた。


「どうする? 少し休む?」

 彼女が俺を気遣って優しく聞いて来たので、それに応える様に頷いた。


「少し横になってるよ、何か気になる場所とか有ったら行ってみたら?」

「そうね、ちょっとロビーに行って情報見てみる」

 そう言って美成は部屋を出て行った。

 恐らく気を使わせない様にと俺を一人にしてくれたんだろう。


 しばらくベッドの上で服を着たまま横になっていたが、そのまま3時間ほど寝てしまったらしい。




 そしてその時は急に訪れた。


「ウッ、、、グゥ、、、」

 変な物音に部屋に戻っていた美成が気づいた。


「何?どうしたの?どこか痛いの?」

 慌てる美成の顔をチラッと見てから、一言。

「きゅ、、、救急、、車、、呼んで、、、」


 そして俺の意識は途絶えた。


不定期投稿ですが基本的に土曜日の20時を定期更新として1週間に1話以上を考えてます。

高山ラーメンって正解なのかな…

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