表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/71

47 最後の酒めぐり②

よろしくお願いします。



 しばらく歩くとお目当ての喫茶店が有った。

 そこはアニメの聖地となっている店だったのだが、特に混んで居る様でも無くすんなり入れた。


 窓際の席へ陣取り、取りあえず珈琲を注文した。

 目の前は観光客が行きかうのだが、すだれが掛かっているので向こうからはあまり見え無い様になっている。


「なんかレトロで良い感じね」

「そうだな、古民家って言うかこういうの好きなんだよな」

「今まであまり気にしてなかったけど、あたしも好きみたい」

 俺は写真を撮っている内に、古めかしい物が特に画になると思う様になり、合わせて古い建築物なんかも興味を持ったのだ。


「なんか2階がアニメのシーンで背景モデルに使われたらしいよ」

「そうなんだ、あまりアニメ見ないから分からないけど、そう言えばアチコチにアニメの幟有るよね?

「俺、そこそこアニメが好きでそのアニメも見たんだけど、正直言って覚えて無い」

「ファン失格じゃん」

 いやそこまでのめり込んでないから。



 30分程お邪魔して古民家風の喫茶店を出ると酒蔵めぐり再開だ。

 そう、ここまでで4軒、まだまだ有るのだ。


 この後、更に3件の酒蔵を巡り一通り試飲と小瓶の購入を完了。

 俺のリュックからは時折カチャカチャと音がする、割れなきゃ良いけど…。


 午後3時を過ぎそろそろ足も棒になって来たので予約したホテルへ向かおうとすると一軒の喫茶店が目に入った。

「おっ!水出し珈琲だってさ」

「アイスコーヒー?」

「簡単に言うと、挽いた豆にお湯じゃなく水をかけてゆっくり抽出する方法だよ」

「何が違うの?」

「何がと言われると答えが無い… まぁあまり見かけない物って事で寄っても良いかな?」

「まぁ、良いわよ、疲れたしね」

 3時過ぎたのでおやつでも頂こうか。


 店は古めかしくは有るが先程の古民家風とは違い、古い洋風な感じだろうか。

 カウンターの横にはフラスコの様な水出しの抽出機が並んでいた。


「なんかカッコいいなアレ」

「どうなってるのか分かんないね」

「こっちは飲むだけだから分かんなくても良いと思うよ」

「あ、ケーキ自家製だってさ、たのも」

 2人で水出しの珈琲とケーキを注文した。


「ねぇ、この店もアニメに出てたの?」

「あ、いや、分からんけど」

「だって、店のアチコチにポスターやらチラシが有るよ」

「もしかしたら出てたのかもな」

 客層見てもアニメオタクと言う感じの客は居ないが、まぁ、既に聖地巡礼など旬は過ぎ去った後だからなのだろう。


 ケーキを食べながら今日食べた物と飲んだ物の話で時間を潰し、ホテルに行って一休みする事にする。


 宮川を渡り、駅の方へ歩いて10分程でホテルに着いた。

 小ぢんまりとしたフロントでチェックインし、ウェルカムドリンクはお腹に余裕が無いのでスルーし、エレベーターで部屋へ向かう。

 ドアを開けると正面に窓が有り右側にベッドが2つ並んでいて、窓の右辺りにテーブルとテレビが並んでいるだけのシンプルな部屋だ。

 格安ホテルのツインルームなのでそれ程広くは無いが個人的にはこれで十分だった。


 窓の外を見ると三重の塔が見えるので写真を撮ろうと窓を開けると、、、開ける、、開かない。

 それ程高層でも無いのに窓は開かない仕様の様で窓ガラス自体にもワイヤーの入った物になっていて、ここからではワイヤー入りの写真しか取れないので後で直接取りに行く事にする。


「ねぇ、このあとどうする?ちょっと休む?」

「ああ、1時間くらい休んでから夜食の店を探しつつブラブラしようか」

 慣れない雪道と言うのは雪のあまり降らない土地に住む者からすると結構疲れるのは仕方ない、いい歳してコケる姿を披露したくは無いからね。

 なんて言っているが東京の割と大きな駅の前でスーツ姿でなんて事の無い段差に躓き盛大にこけたのはそれ程昔の話では無かった。



 6時を過ぎた頃に目が覚め部屋を見渡すと既に真っ暗で入り口ドアの小さな明かりが灯っているだけだった。


 部屋を見渡し美成が居ないのに気づき、ベッドから起き上がり美成を探しに部屋を出た。

 ホテル内の散策を兼ねた美成の捜索は1Fロビーで無事発見、捜索終了となった。


「あら、起きたの?コーヒー飲む?」

 どうやら今になってウェルカムコーヒーを飲んでいる所だった。

「そうだな、俺も頂こうかな」

 セルフサービスのコーヒーサーバーからコーヒーをカップに注ぎソファーに腰かけた。

「メシ食いに行こうか」


 ホテルを出てみると雪が盛大に降っていた。

 盛大にとは言っても恐らく雪のあまり降らない神奈川県民の感想なので、実は大した事無いのかもしれないが、ニット帽はアッと言う間に白くなって行った。


 夜食を食べる店を適当に街ブラしながら検討していく。

「こういう時はメインの通りを外れる方が良いかもしれないよ、こっち行こ」

 美成に手を引かれて脇道へ入ると【一番街】と言うアーチ?が有った。

 東京で言えば【歌舞伎町】みたいなヤツだ、規模は段違いだが。


 通りを歩きつつ周りの店を確認していくとやはり肉をメインにした店が多かったが結局決めかねる内に【一番街】は終わってしまった。


「ねぇ、どうする?」

 美成の問いにもう何処でも良いやと言う言葉の代わりに直ぐ横にある店を指をさした。


「ここにするの?」

「悪くないと思うけど、だめか?」

 そこは【一番街】の端に有った和食のレストランだった。


 リサーチしていない時点で最高の店には辿り着けないだろうと観念し入店、飛騨牛を使ったメニューを堪能し店を出た。


「なんだ、結構良かったじゃんこのお店」

 美成がご満悦の様で何よりです。 


 店のすぐ先に宮川が有り川沿いは吹雪の様になっていたのでお互い、もう帰ろうかと目で確認しホテルへ向かった。


 ホテルに着いたらもう後は寝るしかない。

「俺、先にシャワー浴びるよ」

「どうぞ~」


 美成の返事を待ってから服を脱ぎシャワーを浴びた。

 すると突然扉が開く。

「あたしも~」

「え?ちょっと無理だって狭いって」

 格安宿のシャワールームはユニットが普通なので二人同時にシャワーは無理がある。


「じゃあこうしよう」

 そう言って美成は浴槽の方に入りしゃがみこんだ。

「あたし待ってるから」

 体を洗うところをマジマジと見られるのは何か恥ずかしい。


「よし、終わった、今度はお前の番だ」

 そう言って場所を入れ替えた。

「えぇ~そんなに下から見ないでよぉ」

 とか言いながらも顔がニヤ付いてますよ、美成さん。

 これも視姦ってヤツなのか?


 2人でシャワールームを出るとそのまま同じベッドに入っていった。


不定期投稿ですが基本的に土曜日の20時を定期更新として1週間に1話以上を考えてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ