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よろしくお願いします。




 箱根ドライブの翌日、早朝にとある場所で車の運転を2人で練習し、取りあえずいざと言う時の対処法は身に付いたと思う。

 本人曰く「滑らない様に走れば良いだけだから」と当たり前の事だが自信たっぷり言っていた。

 因みにシフトダウンの事はすっかり忘れている様だ、ならスルーしよう。



 更に翌日、この日も病院へ出向き診察&治療を行い昼過ぎに帰宅する。


 自宅の玄関を開けようと鍵を出し、カギ穴に差し込むが開く方向には回らない、既に開いているのだ。

「ヤバい、閉め忘れたか」

 と思ったがそれは違った。


 ドアを開けて中に入ると彼女が居た。

「おっすぅ、おかえり」

「どうやって入ったの?」

「へへ~ん、あ・い・か・ぎ!」

「マジ?いつの間に…」

 気づかぬ内に合鍵を作られていた、これで俺のプライバシーは無くなった様だ。


「で、何が始まったの?」

 部屋の中には段ボール箱が幾つも積んであった。

「今日からここにぃ、あたしはぁ・・・住む!」

 なぜ、溜める…


「そう言う事か、せめて話は通しておいてくれよ」

「へっへ~ん、驚かそうと思ってねっ、テヘッ」

 何処かで練習したのかなかなかのテヘペロだった。


 俺も手伝って段ボール箱から荷物を出し整理する。

 1人分って意外と少ないんだなと思ったが、家電や家具は持って来てないのでその分は少なくなって居るのだ。


「でも大丈夫か?お前実家住みだったろ?」

「親には全部話したよ、貴方の事も付き合ってる事も、そしたら頑張って来なって応援してくれた」

「そっか、良い親だな」

 親公認取れちゃったのか。


「でもさ、その後、財産とか保険とかどうなってるんだ?って聞いて来てあちゃ~って」

「そっか、最低な親だな」

「まぁね、フンッ」

 なぜ胸を張るのだ?


 財産と言うと預金が有るくらいで家具や家電は良い値の付くものなど無いだろう。

 あと保険は入っていない、身内が居ないので受取人がどうなるのか分からないし、必要とも思っていない。

 実際に癌治療に関しては保険適用内で高額医療費補助制度も使うのでそれ程貯金を食いつぶす感じでもない。

 まぁ、もっと長く生きようとすれば何十倍も掛かるだろうけど…



 そんなこんなで彼女の提案で同棲する事になる、緊急時に一人にしておけないと言う事らしい…



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 ある日の夕食どき。

 彼女が俺の過去を根掘り葉掘り聞きだし始めた。

 生まれた場所、育った場所からよく遊んだ公園や子供の頃に良くある秘密基地の場所など色々だ。

 高校生になってお互い初めて知り合ったわけだが、生まれも育ちもほぼ同じ為、知ってる所の話では大いに盛り上がった。


 その結果…

「今度、思い出の場所を巡ってみようよ」

「そうは言うけどさ秘密基地とか行ったって只の藪だし、既に無くなった場所も結構あるぞ」

「無いなら無いでどう変わったのか興味ない? 残ってたらそれは保存版として写真撮らなきゃ」

「まぁ興味ないわけじゃ無いけどぉ、残念な形になってたらショックかなぁとか」

「そんな事も有るけどそれは進化の歴史って事で」

「そんなもんかねぇ」

 彼女なりに余生を満喫出来る様に考えてくれている様だな。



「それとさぁ…」

「なに?」

「由貴との思い出の場所には行きたくないの?」

 本気で焦った。


「それは・・・ちょっと気になってた・・・」

「じゃあ、それも込みで行ってみようよ」

「お前はそれで良いの?」

「別にぃ元カノと言ってもあたしの親友だからね、悪い気持ちは無いよ」

「そっか、じゃあ行ってみようか」

「じゃあ、明日はあなたの子供の頃の思い出の場所ツアーね」

「ハイハイ、後で幾つかリストアップしておくよ」

「楽しみぃ~」


 俺も楽しみが出来て密かにウキウキしながらリストアップしてるのを横から覗く美成が居る。

 これから一緒なんだな。



「そう言えば最近、由貴と話したりしてるの?付き合い始めた事とかさ」

「う~ん、それが話しづらくてここ最近連絡してないんだよねぇ、ヘヘ」

「どんな反応するか、ちょっと分からないしなぁ」

「まぁ、その内話しておくよ」

「むしろ内緒にしておけば?」

「それも有りだとは思うけど、由貴は色々話してくれてたしなぁ」

「急ぐ事は無いからその内って事で」

「そうだね」


 話を切り上げリスト作りを続けた。




不定期投稿ですが基本的に土曜日の20時を定期更新として1週間に1話以上を考えてます。

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