33 マイカー
間に合いませんでしたスイマセン…
今回もよろしくお願いします。
日曜日、美成が再び車でやって来た。
「買う事にしたから、この車」
そう言ってマンションの前に乗りつけて来た。
「そっかぁ、まぁ、良い車だからなぁ、何か有ったら俺も手伝うから言って」
「待ってました、その言葉!」
なんか嫌な予感…
「あのね?車の代金はもう払ったんだけど、どこかに行って名義変更しないとダメなんだって、それに付き合って」
「あぁ、そうだろうな個人間での売買だから自分でやるのが一般的だしな」
そう言って車は毎度の客用スペースに置いて部屋に向かった。
美成は相手側から受け取った書類等をテーブルの上に並べて言った。
「これが有れば大丈夫だって友達が言ってたけどどうすれば良いの?」
見た感じ必要書類は揃っていたので後は自分側の書類を用意すれば良さそうだ。
「美成の書類が必要なのでアレとアレと…」
「じゃあ明日役所に行ってくるね、それで終わり?」
「いや、書類が揃ったら今度はそれを持って陸運事務所で名義変更するんだ、そうするとナンバーが貰えるんだ」
「え?ナンバー変わるの?横浜ナンバーのままじゃダメなの?」
「このエリアは湘南ナンバーなんだよ、嫌か?」
「え?湘南なの?嫌じゃない、そっちが良い」
俺もそれが良いと思う。
しかし、それよりも大事な問題が有る、どこに置くのか…
「駐車場はどうするんだ?」
「どうすれば良いの?」
そこからか…
「車庫証明ってのが必要なんで駐車場の管理者に証明書を貰わないとダメなんだよ」
「じゃあ、このマンションの駐車場はだめ?」
以前借りてたから話せば直ぐ借りれそうだけど…
「ここで良いのか?」
「丁度良いじゃない、ダメ?」
まぁしょうがない。
「じゃあ聞いてみるよ」
「うん、ありがと」
「でもさ、この車の車検って来年4月だよな?」
「そうなの?半年先よね」
ここで自分の状況を考えて見た結果。
「なぁ、いっその事、車検も取っちゃった方が良いかもよ」
「そうなの?あたし車の事さっぱり分からないからあなたに任せるわ」
そう言うので車検の代行業者へ丸投げする事にした。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
月曜日、役所で必要書類を貰い業者へ渡し、車庫証明も業者任せだ。
翌週木曜日には業者に車を預け金曜日には新しいナンバーになった美成のマイカーを引き取ってきた。
自宅、つまり俺の家に戻り車はいつもの客用スペースの脇を抜けた先にある平面駐車場に既に山城と書かれた札が掛かっていたのでそこへ停め帰宅した。
「これからコレどうしようか?」
美成は少し興奮気味に切り出した。
「どうしようって何を?」
「決まってるじゃない、いじるでしょ?車」
10年前ならそうして居たかも知れないが…
「いじってかっこ良くするのも有りだけど、純正そのままがカッコイイってのも有るんだよ」
「じゃあ、いじらないの?」
「実用品とかちょっとしたアクセサリーくらいで良いんじゃないか?」
「え~なんか残念」
翌日の土曜日。
取り敢えずはカーナビを買い換えよう、それと既に傷だらけのアルミもタイヤと合わせて交換、あと念の為に4点式のシートベルトは付けておこう、車との一体感は重要なのだ。
足回りは別に変えなくてもタイヤを良いモノに変えるだけで十分性能は上がるからこれで良い。
むしろサスを変えて安いタイヤを履くのは滑らせて遊ぶ以外には使えないのでそれは俺の主義じゃないのだ。
「ねぇ、アレは?ドライブレコーダー」
「あぁ、有った方が良いな、付けようか」
このご時世だからな付けないわけが無い。
ここでもうひとつ、美成が提案してきた。
「ねぇねぇ、友達がやってたんだけど、シートにTシャツ着せようよ、ね?」
「え?Tシャツ?いやぁ、それ、ダサくね?」
と、言うのもこの車のシートは純正かどうかは分からないがRECAROのシートが乗っていたのだ。
「えぇ~カワイイと思うんだけどなぁ~」
「お前は知らないかも知れないけど、このシートって高級品なんだぞ」
まぁ中古品かもしれないが…
「そうなのぉ?あたしには違いが全然分からないけど、それじゃ仕方ない諦める…」
あれこれと買って交換していってある程度納得した車に仕上がったと思う。
しかし、ある日スーパーへ行こうと一人で車に乗り込むと、運転席のシートには竹を編んだ通気性の良さそうなシートが置いてあった…
美成さん、幾つなんだよ…
今週はこの1話のみで、来週はお休みとさせて頂きます。




