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27 2番目の女

よろしくお願いします。




 一頻り傷心旅行の話をして若干落ち着いた所だった。


「あのね?聞いて欲しい事があるんだけど…」

「なに?」

 串焼きを箸で一つずつバラシながら聞いている。


「う、ん…」

「どうした?」

 ホントにどうした井口。


「この前さ、高校時代の告白話ししたの覚えてる?」

「あぁ男どもが無言で終始したってヤツね」

「そうそう」

「その時、もしちゃんと告白されてたらどうした?って聞いたでしょ」

「うんうん、聞いたね」

「で、好きな人が居るからって言って断るって…」

「言ってたねぇ、むぐ」

 バラバラにした串焼きを一つ口に頬張る。


「その好きな人って言うのは貴方なの!」

「ん?…んん?」

 彼女は下を向いているが耳が真っ赤になってるのが分かる。


「貴方って?俺?」

 コクッと頷き答える。

「マジで?」

 再度コクッと頷く。


「そ、そうかぁ、じゃ、じゃぁ、違う相手が来てがっかりした?」

「う、ん…ほんのチョット期待してた…」

「そっかぁ」

 もう何て言えば良いのかさっぱりわからん。


「あっ、じゃあ、俺ってもしかして最悪な事をしちゃったって事か、ごめんよぉ」

「ううん、由貴との事は知ってたし、その事についてはちゃんと割り切ってるから大丈夫」

「そか、それはありがたい」

 俺だったら好きな相手が他の男と居るだけで内心穏やかじゃないのに凄いな。


「ただ、ね」

「ん?」

「同窓会の後から今まで色々有ったでしょ?」

「うん」

「そしたらね、昔の気持ちが戻ってきて自分でも抑えられなくなって来たの」

「うん」

「だから…」

「…」

「・たしと・・あっ・・ださい」

「え?なに?」

「あたしと、付き合って、下さぃ…」

 急に目をつむったまま天井の方を向いて言った。


 そして俺は…

「良いよ」

「え?今なんて?」

「良いよって言ったんだよ」

「本当に?」

「マジで」

「良かったぁ」

 ここ最近だけでも毎週の様に会ったりしてるから嫌いではないし、むしろ最後の友達と思っていたのだから、そこから少し発展させるだけの事だと思った。

 即決したが下心が有る訳でも無いし借りを返す意味でも無い、ただ今後俺のそばに居てくれる人が出来たのが嬉しかったのかも知れない。



「でもさ、逆に俺でいいの?」

「うんうん」

「ほら夏川に対する俺の気持ちも知ってるでしょ?」

「でも付き合ってるわけじゃ無いし大丈夫」

「正直言うと、夏川への気持ちは死ぬまで変わらないと思う、そうなるとお前への思いはその次になってしまうんだけど」

「大丈夫、あたし2人とも好きだから仮に貴方が由貴とヨリを戻しても2番目としてで良いと思ってる」

「それで良いのか?」

「うん、良いよ」

「そっか、それなら付き合ってみるか」

「うん!」

 今日一の笑顔を見せてくれた。



「まさか直ぐに返事が貰えるとは思ってなかったからちょっと焦ったよ、ハハハ」

「まぁ、今更引っ張っても仕方ないし、時間が限られてるからなぁ」

「そうだよねぇ」

「軽い男だと思った?」

「う~~ん、そうなの?」

「違う違うって」

「あやしいな、フヒヒ」

 さっきまでのモジモジした井口も良いが、やっぱり笑ってる方が遥かに良いな。



「でもさ、もし仮に夏川が存在して居なかったらお前に告白してたかもなぁって思ったりもしたよ」

「え~?いつ?」

「この前の同窓会の時」

「最近じゃん」

 まぁ事実だしね。



「高校時代ってさ女子にランキング付けたりしてたんだよね男子内で」

「あぁ女子でも有ったよ」

「で、顔の可愛さでだけのランキングではお前は圏外なんだけど、性格とか容姿全体を含めると夏川の次だったんだよ」

「え~なんか複雑なんですけどぉ」

 ちょっとふくれっ面してるけど直ぐに笑顔になった。


「つまり顔だけなら他のクラスの美人も入って来ちゃうけど、性格云々までは会話しないと分からないでしょ?」

「うん」

「つまり他の組の美人はTVで見るアイドルと同じで基本的に関わる事のない人たちだから、その人達を省くと顔だけのランキングでも夏川の次なんだよ」

「ぶぅ、結局由貴には負けてるじゃん」

「そこは勘弁して!」

 2番じゃダメなんですか?井口さん。 


「しょうがないなぁ、あたしは2番目の女ですぅ」

「でも実質1番だからね」

「うん!」

 ニコッと笑う、ちょっと機嫌よくなったかな?



「でもさぁ、お前ちょっと性格変わったよね?」

「あぁ、同窓会でも言われた」

「高校の時はもっと、しおらしい?おしとやか?もの静か?おとなしい?暗い?」

「何、最後のわぁ?暗くは無いよぉ」

「まぁ、それは分かってる言ってみただけ、へへ」

 男子と喋る機会が少なかっただけで、女子だけの会話は正直言って煩いくらいだったけどね。


「社会人になって、コミュニケーション能力が必要だぁって思った時に積極的に話すようにしたのね、そしたらこんなんなりました! ハハハ」

「そうなんだぁ、同窓会で話した時に良い感じに思えてさ気になってたんだよね」

「良かった~変なオーラ出て無くて」

「高校の時は他の男子にはこっちくんなオーラ出してたみたいだからね」

「そうそう、基本ヤンキー大嫌い」

 ヤンキー率の高いクラスだったのを思い出す…


 こうして俺と井口は付き合う事になった。

 あとどれ位一緒に居れるかは分からないが、今まで俺の為に奔走してくれた事も有るので出来るだけ楽しい時間を与えられる様に残りの時間を有効に使わなければ…




不定期投稿ですが基本的に土曜日の20時を定期更新として1週間に1話以上を考えてます。

作中で「ヤンキー」と書いたのですが今では一体なんと言えば良いのか分からず、結局「ヤンキー」のままにしてしまった…

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