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23 第2回報告会②

よろしくお願いします。




 カラオケに向かう途中で聞いてみた。

「お前の方はどうなのよ?彼氏は」

「居ないからこうして会ってても大丈夫なんでしょうが」

「まぁ、そうか」

 モテない分けは無いと思うんだけど、条件が厳しいのかな?


「因みにさ、高校卒業前に告白されてたらしいじゃん?」

「あぁ、あれね、へへへ…」

 俺のグループのメンバー2人が告白したのは真面目グループの井口ともう一人だった。


「同窓会の時も話したかったんじゃない?」

「いやいや、なんにも思ってないよ」

「ありゃ、嫌いだったの?」

「好き嫌いじゃ無くて、何も話して無いもん」

「え?告白の時?」

 どういう事だ?


「そうそう、空き教室に呼び出されたから、あたしともう一人で待ってたけど、いざ相手が来たらモジモジしてずっと無言で時間ばっかり過ぎてって多分1時間くらい沈黙してた」

「てか、同じ教室内に2ペアで居たの?」

「そうそう、あれじゃ向こうの話もこっちの話も筒抜けでしょ?余計に話づらいでしょ」

「だよなぁ、なぜ分けなかったのか不思議だ」

「だよねぇ?もうどうしようも無かったわ」

「じゃあ正式な告白は?」

「無し無し」

「じゃあ、ちゃんと告白されてたらどうしてた?」

「う~ん、断ってたかなぁ、好きな人居るって言って」

「そっかぁ、もしかしてそこまで察知してて切り出せなくなったのかもなぁ」

 怖気づく気持ちも分からなくは無いけど思ってたのと違ったな。


 過去の話をし終えた所でカラオケ屋に到着。


 今回もカラオケをそれぞれ3曲ほど歌ったところで一休み。

「あ~二人だと廻ってくるのが早くて結構疲れるね」

「そう?俺はそうでも無いかな」

 まぁ3曲くらいならまだ大丈夫だが、もっと続くと結構疲れるだろうな。


 しばしの沈黙の後、俺は決心した。

「井口、今まで有難う、本当に、うん、有難う」

「なに、改まって」

「俺は夏川の事はきっぱり諦めるから、お前はもう俺に関わらなくて良いからさ」

「う、ん」

「今日で解散って事で」

「う、ん」

「・・・」

「・・・」



 重い空気の中、俺がなぜ元カノに拘ったのか言う事にした。


「本当は言うつもりは無かったんだけどさ」

「うん」

「俺、癌なんだ」

「え?何?誰が?」

「俺が」

「え?じゃあ、今回の動機ってそれなの?」

「まぁそう言う事かな」

 驚いた顔と心配そうな顔が混ざって井口は複雑な表情をしていた。


「でも、治るんだよね?」

「いや」

「いやって…、この後どうなるの?」

「もう末期だって言われてるから時間の問題だろうな」

「うそ…」

 また彼女は俯いてしまった。



「そんな話聞いてないよ~」

「悪い…」

「じゃ、じゃあ、その事を由貴に話して説得するよ、そうすれば…」

「それで会えたとしても本心じゃ無いかも知れないから止めておくよ」

「じゃあ、どうすれば良いの?」

「いや、もうこれで終わりにしようと思う」

「…」

「ごめんな、最後に重い話して」

 彼女は首を振って答える。



「ホント良い友人を持てて幸せだよ俺は」

「何も出来なかったのに…」

「いや、すごく助かったし凄く楽しかった!」

「…」

 楽しかったのは事実だし、今となっては日々の話し相手も居ない状態だったので有難かった。


「高校時代にもっと話す機会が有ったら何か別の形が有ったかもなぁ」

「う、ん」

「さってと」

 そう言って脇に置いていた黒い野球帽を頭に乗せ、テーブルに手をついて立とうとした時に帽子が落ちた。

 その帽子と一緒に少ないが纏まった髪の毛も落ちた。


 それを見た井口は…

「ほ、本当に?」

「ありゃ見られちゃったか、もう結構抜けて来てるんだ、だから帽子で誤魔化してる」

「…」

「じゃあこれで解散ね、帰ろ」

「うん…」



 駅へ向かい、まだ電車のある時間ではあるがタクシーで帰る事にした。

 小型タクシーに乗り込み、まず俺の家の最寄駅へ向かってもらう。


 最寄り駅まで2人は無言のままだった。

 到着し、その後彼女の最寄り駅へ向かって貰う様にドライバーに伝え1万円を渡す。

 そして彼女に言った。

「夏川には言わないでね」

「うん、でも」

「なに?」

「ううん、わかった」

「そか、じゃあさようなら」

 バイバイでは無くさようならだ。

 また会える雰囲気では無く、これが最後と言う意味で言ったのだ。


「さよなら」

 彼女もそう返してきた。

 バタンと扉が閉まり走り出すタクシーを見送り見えなくなってから1人歩き出す。




不定期投稿ですが基本的に土曜日の20時を定期更新として1週間に1話以上を考えてます。

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