表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/71

13 嵐の同窓会③

よろしくお願いします。




 遅れて参加した2次会はカラオケだった。

「遅ぇぞ、まずは1曲入れろ」

「いきなり?え~」


 仕方なく十八番の1曲を入れると「16番目に予約されました」と。

一体いつ歌えるのだろうか…


 メンバーは10数人。

 既婚者連中と真面目グループがごっそり抜けた形だ


 1次会の後の協力関係樹立で正直、大声を上げたい気分なのだが、俺の番はまだ来ない…

 こうなったら乗っ取ってやる。

 声のあまり出ていない友人の横で、マイク無しで大声を張り上げて歌うと歌に自信の無いその友人はそっとマイクを置いた。


 お前、引退するのか?


 いやいや、俺としてはこれ訓練なんだけどなぁ。

 バンドやってた時、まだ自信の無いVoに声を出し易い様にいつもやってた方法なんだけどなぁ、他人の声で自分の声をかき消されると、少し恥ずかしさが誤魔化されて更に大きな声が出せる様になるって練習法。

 本当に曲を乗っ取っちゃったから、俺が歌うけどさ。


 その後、自分の入れた曲も大声で歌い、なんか凄くいい気分だ。

 そんなこんなで、自分の曲は1曲だったが乗っ取りで3曲歌ったので満足です、ふんっ!



 そろそろ電車の時間が気になる頃だが3次会の段取りが始まった。


 軍資金は用意した、何処へでも連れて行け~と思ったら、キャバいお嬢さんたちの居る店に連行されていた。

 実は初めてである。


 指名とか良くわから無いので、専門家の友人にお任せで、ここではほぼ下ネタしか話さなかった。

 この時点で残っていたのは男7人、何かの物語、が始まる事もない。


 店を出ると深夜2時前。


 一応地元なので歩いて帰ると言う選択肢もあるが、過去にその経験が有る俺たち(全員)はその選択をしなかった。

 酔ってる時の徒歩って地味に時間掛かるんだよね、気づかないだけで。


「よし、じゃあ、5時までやってる【カメ六】行くぞ」


 誰が言ったか分からないが、もうそんな事を気にする事も無く、店の方へ歩いて行く。


 店に入って取りあえずビールとつまみ数点を注文し、だらだらと体をくねらせたりして楽な姿勢を取り、注文の品が並ぶと取りあえず皆で手を付ける。

 すると男なのに色白な【M】が戦端を開く。


「なぁ、お前、夏川と付き合ってたろ?」

 ギクッ。

「なんで?」

「一緒に歩いてる所を見たってヤツが居るからさぁ」

 まぁ追及って程の圧は無いが、吊し上げられてる様でしんどい…


「あぁ、それ前にも言ったけど多分告白するのに呼びだした時だろうね」

「告白は間違いないんだな?」

「そうだね、しっかり振られたよ」

「でもさぁ、目撃情報は1回じゃ無いんだよねぇ」

 まだあったのか…


「あぁ、それかぁ、俺さぁしつこくて2回3回と告ったからなぁ」

「マジか!?」

「ああ、マジ、よく言うじゃん、熱意とか押しに負けて付き合ったとか」

「話でわな」

 これ位で納得するとも思えないがそういう事にしておこう。


「じゃあ、キスとかしてないの?」

「無い無い、そんな所に辿り着いてないって」

「おっぱいも触ってない?」

「無理だって、逮捕されるよ」

「本当か?エッチもしてないのか?」

「してないしてない、俺まだ童貞だもん」

 嘘だが信じるだろう、俺は非モテ男だからな。


「何だぁ、そっかぁ、それはお互い残念だったなぁ」

 ここで何か吹っ切れたのか口調が変わる。


 この男【M】は高校時代に唯一夏川と付き合った男なのだ。

 チョイ悪のイケメン、俺とは全く違うタイプ。

 恐らく噂が駆け巡って、自分の無し得なかった事をしたかと思うと押さえが利かなかったのだろう、何せ付き合って1週間で別れたのだから…


「俺もアレさえなけりゃキスくらいは出来たと思うんだけどなぁ」


 当時【M】の自宅は溜まり場となっていた。

 そして男女数人が居る時に夏川から電話が掛かり、「部屋から女の声が聞こえる」と追及され1週間での別れとなったらしい。

 お気の毒に…


そして【M】に聞いた。

「また付き合いたいと思うか?」

「あぁ、それは思うな、でもあの時の剣幕からすると有りえないだろうな」

 あの彼女がそんなに怒るのかとちょっと驚いた、何故なら俺が付き合って居る時には大きな喧嘩は1回も無かったからだ。

 ただそれは言いたい事も言えなかった裏返しかもな…

 そう考えると少し羨ましい。


 そしていつの間にかエロ談義に代わっていた。

「胸のサイズは幾つだと思う?」

「さぁ見た目は小っちゃいよな」

 俺はとぼける、本当はそれなりなのだ。


「下のヘアーなんかボウボウだったりな、ワハハ」

 今はそうかもな。

「体が細いから抱えて部屋中走り回りたい」

 【M】以外も参加してきやがった。

 そうなのだ、意外と彼女を好きな同級生は多い様なのだ、皆黙っているだけで恐らくそれが噂の根源だったのだろう。

 まぁ噂じゃないんだけどね、コソッ。


 いつの間にか閉店時間になり、そろそろ始発電車が来るので駅へ向かう。


「じゃあ俺はこっちだから」

「俺はこっち」

「俺らはあっちだから行くわ」

「じゃあ、またな」

「おう、またな」

 何だかんだで楽しい同窓会だった、出来る事なら次回も出たいところだ。


 こうして嵐の同窓会は夏の早朝の風と共に幕を閉じた。


不定期投稿で基本的に1週間に1話以上を考えてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ