表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集 泥中の花のように  作者: 真朱マロ
是々非々 日々はこれで良し
5/10

ドングリ

下を向いて歩いてみました


特に 悲しい事があった訳じゃなくて

別に 変わった事があったわけでもなくて


ただ ドングリを拾おうと誘われたのです


強い風に揺さぶられ

コロコロと転がり落ちるドングリは

木の葉の陰でもツヤツヤと輝いていました


手のひらより小さくとも 一つの実りの秋で

鮮やかな葉が朽ちるのも 一つの美しい秋で

集めても集めてもあふれる 袋いっぱいの秋で


無心で無欲な収集に夢中になって

いつのまにか日々のアレコレも忘れてしまうのです


そういえば 

上ばかり見ているときは つまずくばかりで

前ばかり見ているときは 通り過ぎるばかりで

こぼれ落ちるのは ため息や 涙ばかりだった気がするし


今は 下ばかり見ているのに 笑い声があふれるばかりで

おかしくて おかしくて 笑うのが止まらなくなってしまい


それを 全部全部 秋のせいにしてしまうのも笑うしかなくて


ただ ドングリを拾おうと誘われただけなのに

それだけで今年の秋は 特別に美しい秋なのです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ