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Episode 2‐4
激しい雷雨。背丈の高い木がガサガサと暴風に揺らされている。
密林地帯に二人の少女はいた。
一人は桃色の髪の小柄な少女。その身体に似つかぬ大きさの鋼鉄の玉座を宙に浮かし、それに座っている。
一人は青色の髪の少女。その少女が持つ黒く大きな蝙蝠傘から放つバリアが、二人に降りかかる豪雨を防いでいた。
「座標はここで間違いないのよね?」
「うん、アスモの解析によると、ここだって」
桃色の髪の少女が天を指さす。
「あれがそう?」
その先には雨雲の真ん中にぼうっと空いた暗黒の闇が渦巻いていた。
穴が空いているのだ。雲に切れ目があるという意味ではなく、それはまるで何もかもを飲み込んでしまいそうなほどに黒い闇だった。
少女たちは静かにその闇を見つめていた。
そして、時は来たのだ。
一筋の稲妻が雲から伸び、地上へ向かって走る。辺り一面が唐突な閃光に包まれる。
同時に雷鳴が如く轟音が響き渡り、二人の目の前にそれは堕ちてきた。
長い金髪。
セーラー服を纏った華奢な身体。
背中には虹色に光り輝く翼を生やした少女が、二人の前に倒れていた。




