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怨めしや勇者 化けて出てやる 休止中  作者: 存在感希薄な村人K
9/22

達成

『仕方ない。黒光魔法でも試すか。』


なんとかして運ぼうとしてみたものの、流石非力幽霊。全く動かせず。断念したのだ。念力的なものもやろうとはしたものの出来るわけがなく、黒光魔法を試す事にしたわけだ。


『えーと?こうか?《ブラックイレイサー》!………………うわぁ、えげつな』


ペカーっと黒い懐中電灯の光みたいなのが広がり、光に触れたところが抉れるように消えてゆく。MP消費は発動で3、その後3秒ごとに1使うようだ。やっぱり効率おかしいだろ…


いい魔法を手に入れたが、かませ悪党分の魂ではそこまで強くなっていなかった。人間からではステータスの吸収率が低いのかもしれない。奪うにしても高レベルの人間か、同じくらい以上の魔物にした方がいいかもな。


「う…ぁ………………あれ?」


フラッシュストライクを放った少女が起きたようだ。ちなみに騎士Aは気絶したので、放って置いている。

一応簡易チェックしておこう。


==========================


シャリー 女 状態異常:魔力暴走

種族:半精霊

Lv2


スキル

*氷魔法Lv4 *幻 *マジックマスター *封印術 *霊視

==========================


れ、Lv2だとっ⁉︎

まじか、そのLvで氷魔法はLv4、光魔法は、俺が奪ったLv3に3を足してLv6?ありえない。

なんだ?そのマジックマスターってのが関係してるのか?


「?なにしてるんですか?驚いたような顔して固まって。』

『なん…だと……⁉︎』


こ、こいつ、俺のことを認識しやがった!

死後初めてのコミュニケーションだ!


「今度は喜んでる?えっと、さっきの黒い杭はあなたのですよね?」

『お、おう。そうだぞ。あれか、霊視スキルがあるからか?』

「えっと、はい。霊視は持ってますけど…そ、そうだ!お礼言わなきゃ!あの、さっきはありがとうございました。」

『どういたしまして…?とりあえずなんでこうなったのか教えてくれ?」

「はい………」









話を纏めるとこんな感じだった。

シャリーは半精霊で、精霊として召喚されたらしく、この館で町長(ここは町長家らしい)の息子に魔法を教えてたそうな。しかしさっき現れたあのかませ悪党が館に火を放ち、町長一家全滅。シャリーは生き延びたようだが、運悪くかませ悪党が騎士Aから逃げてきたところにバッタリ遭遇。そのまま人質にとられ、あとは俺がみた通りだった。シャリーはこの町では有名だったらしく、悪党も火を放つに当たって対抗策(精霊支配)を用意していたようだ。


『災難だったな。で、あの出来損ないってのはどういう意味なんだ?』

「それは………」

『まぁ言いたくないならいいや。あ、あと事後承諾になるけど光魔法貰ったから。』

「え?……うぇえ⁉︎ない!光魔法がない!なんで!」

『俺が奪った』

「奪ったってことはつまり……………‼︎ありがとうございます!」

『は?』

「あのですねぇ、私のスキル *マジックマスター の所為で魔法が異常にレベルアップしちゃってて…扱いきれなくてずっと魔力が暴走してるんです!魔法が一つならまだしも二つあるともうダメで、封印してたんです!」


満面の笑みでさっきまで話したがらなかった事をペラペラ喋る。もしかしなくても天然だな。


『お前それ喋りたくないんじゃなかったのか?』

「あっ………忘れてくださいー!マジックマスターは私が世界初取得した秘密のスキルなんですぅ〜!」

『いくらなんでも無理だろwてか秘密にしたいなら世界初取得も黙っておけよ」

「はうぅぅ…そっちがその気ならやってやりますよ!絶対に喋らせません!ずっとついていきます!」

『俺なんの気もねぇよ⁉︎てか俺幽霊だから!普通喋れないから!」

「え。。。。幽霊………?」


すごい勢いで勝手に話を進めていた天然半精霊シャリー。幽霊って聞いた瞬間動きが固まり、ガタガタしだす。

おいビビしたけってんじゃねぇよ。


「いやぁああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあっ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

「っ!何事!」


絶叫しだした。あまりの声に騎士Aが起きたぞ。今起きられてもめんどくさいのでとりあえずまた気絶させる。やり方は簡単。目の前にダークストライクを落とすだけだ。


「はぁ、はぁ、はぁ、幽霊いやぁ!」

『ビビりすぎだろ、落ち着け。俺はただの無害な人間(幽霊)OK?』

「は、はいぃ…」


やっと落ち着いたようだ。それにしても、ずっとついてくる。か…いいんじゃないか?俺はコミュニケーションがとれないし。


『で、一緒に来るって?』

「もちろんですっ!私の秘密を知ったからには逃がしませんよ!……幽霊は怖いけど」

『はあ、じゃあさっさとこの町を出るぞ?』

「え?なんでですか?」

『ここ火事現場だぞ?今あっちの方に警備員いたし、見つかったら面倒なんじゃないか?』

「あ、はいわかりました」

『ほら、いくぞ』

「はいぃ!」


不安だ…まぁ、脱ボッチ出来ただけいいか。この町での目標、達成だ。


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