VS S級危険モンスターズ
ま、どうでもいいか。俺は俺の獲物を狩るだけだ。
『さて…と、《黒焰/翼モード》』
「!?なに、あれ。ボクの目…とうとうおかしくなったのかな…?でもこの魔力は間違いなく…」
更に…召喚!ヘル-ノギア!
「あ、はは…これは、万事休す、でやんすね…」
「………これが、【クロム】?」
「っ…はい、コイツが【クロム】、でしょう。シュアン、の、報告と、一致し、ます。」
「…もういい、ホオノ、アンタは休んでろ。シュアン、まだ動けるならホオノ連れてちょっと離れとけ。」
おお〜、コッツさんカッケェ!ナイスガイだわ、ほんと。しかも呼び捨てになって…。やばい、惚れるわ。
お、コッツがブーメランを構えて……あれ?構えない?不審に思っていると…
「なぁお前、この前、シャリーの近くにいたよな?俺達のこと助けに来たのか…?そうだとしたら、頼む。手伝ってくれ。」
そんな事を呟いた。
まじか、バレてる。てかあの時も見えてたのかよ。そもそもこんな怪しい霧によく話が通じると思ったな…ま、あっちがその気なら…
『ああ、任せろ。ただ、俺が話せる事は内緒な。あくまでただ魔物を狩ってただけって事にしてくれ。」
こう答える事にした。早い話がバレてたのにこれ衣装隠す必要ないっていう至極真っ当な理由である。別に人とコミュニケーションがとりたかったわけではない。断じて。多分。
「任せたぞ…ポーン!シャリーを守りながら逃げるぞ!」
「ちょっ、兄貴!?この状況でどうやって!」
「いいから!急いでホオノ達の方へ!」
「え、は、はいぃ!」
うんうん、ナイス判断。信用してもらえたのは嬉しいねぇ。さて…
「逃すと思ウか?やれ!メギルプ!」
ま、そうなるよな。…メギルプってルダの使い魔的存在なのか?命令してるけど…あ、酸吐いたけど避けられた。うっへぇ、地面ドロドロいってる。
「ちっ!チょこマかと!仕方ない…後悔シても知らんゾ!死ね!ハァァァぁぁああああ!」
『いや、させないよ?』
ルダがあからさまにヤバそうなチャージ始めたので止めに入る。プッ…コイツの驚いた顔、人間っぽくない人間が人間のフリしてるようなマジでキモい顔になってるw
「…どういうこと?なんでアイツがルダの前に…?」
「げほっ、げほっ…っっふぅ…私達を庇っている…?」
ふふ、驚いてる驚いてる。なんか気持ちいいわ、スッキリする。
「ホオノさん…本当に大丈夫ですか?」
「ごめんねさい…私がルダの正体に気づけなかったばっかりにシュアンにも怪我を負わせて、皆さんに迷惑をかけてしまって…本当に…」
「気にすんな。それに一番酷い目にあってるのはお前さんじゃねぇか。ほら、応急処置くらいならしてやれる。こっち…来れないか。俺が行く。」
お、無事に合流出来たな。
「アンタ、なに言っテる?アイツらは人間、アンタは魔物、何故アイツらの味方スル?」
『なんでって…敵の敵は味方だろ?』
「つまり、アンタは敵?」
『おう、あれだ、魔物同士でも殺しあったりするだろ?』
「なるホど、…敵の味方ハ敵だ。アンタを殺ス。」
『やってみろ…俺も全力で行くぞ!』
開幕《首刈り》《死神》コンビネーション! ベチャ! っっっと、あっぶねぇな。霊体が酸で溶けるのかは知らないけど当たらないにこした事はないな。うーん、酸か…どうやって倒す…?
ヴンっ
よっと、とりあえずこっち斃してからにしよう。
ルダの攻撃って、なんか弱っちいんだよな。当たった瞬間アウトとかだったらやだから避けるけど。邪魔だし、さっさとご退場願おう。
「ギギギ…死ね!死ね!死ネ!死ね!がぁぁぁぁ!」
荒ぶってる。おえ、なんか触手みたいのが体から生えてるんだけど。気持ち悪っ!?
ビュっ、ビチャっ、ジュゥゥゥウウ。
ビュっ、ビチャっ、ジュゥゥゥウウ。
おいメギルプ、いきなり酸吐いてくんなよ、あっぶないなぁ。めちゃくちゃ溶けまくってるじゃん、俺の周り。
『よし、弾幕張ろう(唐突)。《ダークショット×100》《自立黒球》……おー、やっぱり綺麗だな、これ。…おっと』
ルダが何か魔法を飛ばしてくるので背中の《黒焰》で燃やし尽くす。我ながらいい利用方法を思いついたもんだ。
ドドドッ、ドドドドドドッ、ドドッ、
ダークショットが着弾し始めたのか、煙が上がる。じゃあコイツに紛れて…
『《首刈り》』
「ック、これしき!」
おっしい!あとちょっとで完璧に入ったな。でもね、この技、コンボ推奨なんです。
『かーらーのー?《死神》』
「ガッ…」
お、決まった。コンボすると即死率アップするみたいだけど、本当に上がってるのか?いや、上がってるんだろうけど信じられないな。だってそもそも大体即死入るもの。あれか?即死率 低 ってのは死なない確率が低いって事なのか?いや、それだと…
「ヴォオオオオオオオオオオ!」
『あ、やべ、そいえばメギルプ居たんだった。』
飛んでくる酸に黒焰で抵抗しつつ、近づいていく。コイツ酸吐く以外の攻撃してこないんだな。楽だ。それは、ヒトにとっては厄介だろうけど俺にとっては当たらない酸とか意味無いんだ。残念。
「う、嘘…ホオノちゃん、アイツは、なんで、あんなに強いの…?………………ホオノちゃん?ホオノちゃん!?」
「おいこら、コイツ瀕死だぞ。気ぃつかってやれ」
「ポーンさんは何かわかりませんか?私も気になります。」
「…………シュアンちゃん。あいつ、なんでクロムって呼ばれてるんでやんす?」
「それは、黒い霧みたいだから、黒霧でクロムだよ。」
「なら、多分アイツ正体隠してるでやんす。魔物みたいに見えるけど、中身には多分意識があるはずでやんす。」
「……意思が…?だから私達を狙わなかった?私達は後からでも殺せるから?」
「なるほどね。シャリーちゃんの推測が正しいかはわからないけど、少なくともアイツは 生き物を殺せば経験値が入ってレベルが上がる 事を知っている。そういう事でしょ?ポーン。」
「ポーンの言ってる事は正しい筈だ。アイツは魔物を狙って殺して回っていたんだろ?そして人間を狙ってこなかったのも、人間が弱いから。シュアンを襲ってきたのはシュアンが強いからか。」
ずーっと酸避けてる間、シャリー達は俺について話し合っている様だ。うん、半分正解で半分不正解。俺に意思があるのは合ってるし、正体隠してるのも正解。でも別に人間を見下してるわけでも殺そうとしてるわけでも無いんだよなぁ。
コッツはちゃんと俺について秘密のしてくれている。あんな素晴らしいリーダーが欲しかったよ。俺のリーダーはクソ勇者だったからな。
で、避けるの飽きてきたし反撃するか。
『一斉攻撃!《ソウルウェーブ×5》!からの《ダークショット×1000密集撃ち》!そして《う ら めし や》!最後に《黒焰》!自立黒球は相手の動きを阻害しろ!』
普通に全力攻撃である。鎌を使わないのは酸で溶けたら嫌だから。当たり前だよね。
あ、やっちった。ソウルウェーブがノックバックするせいで酸が飛び散ってる。自然への被害が〜。およ?なんか核っぽいの出てきた?…出てきた!ふふ、ビビってるな?
「ヴヴヴヴヴ…」
あ、その声お前が出してたんだ。あと、ビビってたんじゃなくて勇気を奮い起こして向かって来てたんだな。ごめんごめん。
「グゥゥゥゥゥ……」
そんな様な声を出したと思ったら核から酸が滲み出てきた。
「グラァァァ!」
今の鳴き声、完っ全っ復っ活!みたいな雰囲気があったぞ。本当、そんな事を相手に伝えてどうする。舐めプか?勇気あるなぁ。
……
勇気?勇気って確か、俺の攻撃15倍ダメージの効果範囲ど真ん中じゃなかったっけ?
へんなところで切れた(´-ω-`)




