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ドラリア4 ~ドライな少女~

塩山玲奈。趣味は、読書。苦手なことは人付き合い。よろしく。

 下を向いて歩く玲奈は自己紹介で出来るだけ関わりたくない人に見えるように作文をしていた。

彼女は、読書が好きなわけでも人付き合いが苦手なわけでもない。更に言うと眼鏡を掛けているが目が悪いわけでもない。マスクを付けているのはただ風邪気味なだけだが更に印象が悪くなりそうなので彼女は満足だった。

なぜそこまで彼女が人との関わりを避けているのかと言うと人を信じられなくなってしまったからだ。なってしまったと言うのだから、もちろん彼女も普通に友達と集まったり、他愛のない会話で笑ったりなどしていたということだ。それが、なぜと問われると、それなりのことがあったからだ。まあ友達を作る気がないのでそんなことを聞いてくる人はいないわけだ。

だが例外もいる。落ち着きがなくいつもキョロキョロしているような子だけど自分に正直でその素直な部分が、綺麗な子である。春休みには、半ば強引に連れ回された。それも彼女なりの

、気遣いだったのだろう。今日もその子と待ち合わせているのだ。本当は一人がいいのだが、玲奈は押しに弱いのだ。

待ち合わせ五分前に来たのだが彼女は既にそこにいた。だがその姿は顔を真っ赤にして下を向き独り言を淡々と呟いていた。

ー話掛けづらいな

玲奈は正面に突っ立って彼女がこちらに気づくのを待った。そして原因を考えてみる。

熱で頭がおかしくなったのか。いや、口角の上がり方からしてそれはないか。それにしても本当に近寄りがたい。参考にしたいものだ。と、思考が脱線したところで彼女が正面を向いた。寝てないのに寝ぼけた顔で伸びをした後に私を見て目を擦った。

「んんーっ、あなたは....。」

「塩山です。趣味は読書。苦手なことは人付き合いです。」

「あ、私は荒木結愛です。好きなことはお喋り。嫌いなことは...んんーっ、えっとーって玲菜ちゃんじゃないですか!」

気づくのが、遅すぎてこちらがびっくりするのが正当だろうがそこは流すことにした。

「どうしたんですか?こんな所で。昼寝にはまだ早すぎます」

「いや、何でもないの。ちょっとボーッとしてただけだから。」

「そうですか。ならあなたの話は学校に行きながら聞きましょう」

「私に何かあって私が話すのはもう決まりなんだね」

一旦ため息をついたはずなのに荒木はにやけながら話を始める。

「えっとねー。今日風邪引いて倒れそうになってたらね。同じ高校の男の子が...」

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