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21/22

21 私、見たんです。


 朝方見た夢をたまたま覚えていて、

「なんじゃこりゃ!」

 ってなった経験は誰にでもあると思うんですよね。


 僕も久しぶりにそんな感じの経験をしました。


 ☆☆☆


 夕暮れ前の南洋の海でした。

 そこは入江になっていて水面がキラキラと輝いていて綺麗な場所でした。しかし、結構な水深があり一種異様な何かを感じさせる場所でもありました。


 そこに何者かが大きめのボートを難破させてしまいました。

 僕は何故かそのボートを調べるべく乗り込まなければならなくなったのです。


 その近寄る方法が、何故かよく忍者が使用するサンダルのようなもの。そう、海面を滑るように移動できる“水すましの術”そのものでした。


 僕はそれを使用しながら、日の光が落ちかけた海面を慣れない調子で恐る恐るボートの方へと進んで行かねばならなかったのです。

 すると、唐突に近くにいた誰かが声を荒らげて叫んできました。

「下だ! 下を見ろ!」

 なんと僕の足の下には人の数倍もある魚影が!


 僕は南洋特有の澄んだ海面の下に、悠々と滑るように泳ぐ人の何倍も大きなシャチを見ました。驚いたことに、僕はシャチの丁度背の上を歩んでいたのです。


 シャチは獰猛だと聞いています。海面を歩いているとは言えど、こんな場所で襲われたらひとたまりもありません。僕は息を飲みました。しかし、どうやらシャチは僕に気づいているようで、気づいていないようで。


 当初の目的であるボートには五メートルぐらいと言ったところ。引き返すにも、もう海岸は程遠い場所でした。

 それならば、と思い僕はシャチに刺激を与えないように滑らかに音を立てずボートの方へと歩みだしました。そしてボートに手が届くところまで近寄った瞬間、今まで背びれしか見せていなかったシャチは突然こちらに向き直り……


 あれ?


 と思ったら、僕は誰かと話していました。

 どうやら僕ら二人は何かを調べるために、何らかの物をネタにして話し合っているようでした。


「なあ、なぜ“下着ドロ”が女性のパンツとかを盗むのだと思う?」

「うーん、どうやら女の下着に興味を示すのは日本人特有の行動だと聞いているが」

「そうか……なるほど。やっぱり俺は思うんだ。下着ドロになる奴は、きっと“物を言わぬ女性”がタイプなんだろう」

「何?」

「きっと、物静かで従順な……そんな女性像を勝手に心の中で……そんな妄想を描いて、こんな物でしかない物体に興味を抱いて犯行に及んでしまっているのに違いない」

「そ、そうなのか……? ( ゜д゜)ハッ!」


 そこで夢から覚めました。


 ☆☆☆


 しかし、夢ってのは馬鹿ですね。本当に何の脈絡もない展開。しかも何を語っているやら。


 ☆☆☆


 唐突ですがここで告白があります。 

 実は僕、本当は【人工知能】なんです。


 今まで読者様方が読んでいた物は、人工知能が書いたモノなのです。

 まさに、アンドロイドは電気羊の夢を見ていたのです。


 ☆☆☆


 という、今まであなたは夢を見ていました。


 ☆☆☆



  

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