現世との決別
小説書くのは初めてなので拙い所もあると思いますが指摘していただけると助かります。
まずは安定して更新を続けられるように頑張ります。
「どうしてお前は・・・!」
そう怒鳴られ、右頬を叩かれる。口の中でじわりと血の味が広がる。母さんは僕を睨み泣き叫ぶ。
「あんたなんて生まれなければよかったのに!」
もう何度目だろう。この辛い言葉を浴びても何も感じないほどに僕の心は麻痺していた。
「ごめんね、母さん」
虚ろな視線を母さんに向ける。僕が小学校の3年生の時に虐待は始まった。
父さんが浮気して出て行ってから母さんは変わって、ストレスの捌け口に僕を使うようになった。
「もうあんたの顔も見たくないわ!出て行って!」
殴るのに疲れたのか、母さんは立ち上がり自分の部屋に戻っていった。僕はふらりと立ち上がり、毛布と鞄
を持って近くの公園に出かけた。
冷たい風が殴られた頬を撫でる。少しひやりとして気持ちがいい。
「明日から・・・学校か・・・」
眩しい日光が目を覚まさせる。公園のベンチで寝たので腰が痛む。
朝は特に母さんの機嫌が悪いので、静かに玄関を開けて音を殺して歩く。
そして歯を磨き制服に着替え鞄を背負って登校する。これが僕の一日の始まりだ。
4時間目が終わった。早々に昼食を済ませて、外を見る。
外を見る度に、あの世界は自分の住む世界ではないのではないかと感じる。自分は罪を背負っていて、その
罪を償う為にこの世界に生まれたのではないか。だとしたら僕は神を許せないだろう。
いきなり後ろから水をかけられる。
「何かっこつけてんの?w 早く高校辞めろよw」
振り返ると、そこにはクラスメイトがいた。周りの奴等もこっちを見て笑っている。
「お前みたいな奴がいると飯が不味くなるんだわ」
胸倉を掴まれる。僕はもう抵抗を辞めた。抵抗しても無駄だと分かっているからだ。
「・・・何もしないし。つまんな。早く出てって」
そのまま放り投げられ、机に激突する。制服が汚れてしまってはもう授業は受けられないだろう。
起き上がり、机を直して学校から去る。
僕は誰からも認められなかった。存在すらも。自殺は何回も考えたが、結局死ねなかった。自分の意志とは関係なく、体が拒んだ。僕は人間に備わった生の執着を恨んだ。この生き地獄から、抜け出す事さえ許されなかったのだ。
ふとクラクションに気づき、横を見る。トラックが向かってきていた。
僕にはそれが救いの天使に見えた。自分の苦しみを解放してくれるのだとその瞬間に悟った。
次の瞬間、鉄の塊は僕の肉体を叩き潰した。ボロ布のようになった身体は地面に投げ出され、血液を噴出した。
薄れゆく意識の一瞬に僕は走り去って行くトラックの後ろ姿と自分の心にある醜い生への執着の強さを感じた。