表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
207/248

番外19︰ベルトラ小講義(魔力について)

読まなくても本編を楽しむにあたってそこまで影響はありませんが、

読んでおくと後でいろいろ捗るかと。

 魔力? 魔力か……。ずいぶん初歩的な質問だな。いまあんまり説明してやるような気分じゃないんだが……。


 魔法ってのは魔力によって成り立ってる。魔導具なんかもそうだな。で、この魔力には悪魔が自分の中に蓄えてる内燃魔力と、外部から調達する外燃魔力がある。

 内燃魔力の蓄積量には個人差があってな。一般には強い悪魔ほどその量が多い。これは代謝の一部として、外燃魔力を取り込むことで行われている。だから、魔力のメインは外燃魔力の方だ。


 ただ魔力ってエネルギーが自然に存在してるわけじゃない。

 魔力は魔力源って呼ばれてるものを変換して生成するんだ。この魔力源になるのがエーテルとマナ、そして魂だ。

 こいつは内部に蓄積しないでも、魔力に変換して直接使うことができる。街や建物なんかの魔法は100パーセント外燃魔力だな。魔界のあちこちに大規模な魔力精製所があって、ここがそうした魔力源を魔力に変換して供給してる。


 ん? 魔力が電力で魔力源が石油や原子力、精製所が発電所で内燃魔力が内蔵バッテリーみたいだ? ああ、そう、なのか? 天界に制圧されてから人界の情報はほとんど入ってこないからな。正直、なんとも言えん。


 それで、エーテルってのはさっきも言ったように魔力源の一つだ。出力は弱いが長持ちする。精製所で主に使ってるのはこっちだな。

 逆にマナは出力が強いが、あまり長持ちはしない。攻撃魔法なんかに向いてる。


 魂は所有者を強化するが、その効果を得るのに魂を消費したりはしない。

 ただし、魔力に変換することもできる。出力は輝きの強さ、変換できる量はサイズによって決まるが、平均してエーテルより出力が強くて、マナよりも長持ちすると言われてる。ま、当然ながら使った分だけ減ってしまうから、そんなもったいないこと誰もしないがな。

 お前の魂なら一つでミュルス全体の魔力消費の数十年だか数百年だかを賄えるって話があったろ? あれはそういうわけだ。


 内燃魔力を使うことはほとんどない。人界にいるときくらいだな。あそこはマナやエーテルが極端に少ないから。

 それに、内燃魔力が欠乏すると頭痛やめまい、吐き気、気分の落ち込みや思考力の低下が起きるし、空になると休眠状態になっちまう。

 だから召喚された悪魔は契約者の魂の一部をしかたなく魔力に変えて使うこともある。願い事の規模が大きかったり、長期化する場合なんかはどうしても内燃だけじゃ足りないことがあるんだ。

 契約してない魂を魔力に変換できればラクなんだが、悪魔が好きに扱えるのは自分が契約した相手の魂だけだ。それか、契約者が生贄に捧げた人間の魂か。


 未帰還者はどうしてるのかって? おまえ、よく未帰還者なんて知ってたな。

 未帰還者ってのは魔界が天界に制圧されたとき人界に残ってた悪魔のことだ。

 魔界と人界の常設ゲートは封鎖されてるが、向こうからこっちへ戻るぶんには今でも機能してる。

 ただ、それを通って帰ってきた悪魔はどれくらいいるんだろうな? ウワサじゃまだほとんどが向こうに残ってるって話だ。

 え? さあ。人間を苦しめたり破滅させたりして遊んでるんじゃないか?

 たぶん今でも人界で活動してる奴らは人間と契約して、その魂をチビチビ魔力に変えてしのいでるんだろうなぁ。それもやりすぎると、どうなんだろう。天使どもに滅ぼされたりしそうだし。あたしなら帰ると思うぞ。


 ちなみに、制圧以後に魔界へ入ってきた人界の情報は基本的に未帰還者が誰かに念話で伝えたものだ。たしかその目的のために残ってるヤツが一人いたはずだぞ。政府の、というかベルゼブブのためにな。

次回、番外20︰悪魔の皮の下、すべては正義のために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ