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あの人の正体

 取り敢えず私と、私と話していた隊長らしき人だけで甘味処へと向かった。


「まず、軽く自己紹介でもするか。



 私は霜夜。本名は家のしきたりで言えないから。

そこは申し訳ない。これでも、陰陽師をしている。」


「僕は壬生浪士組一番隊隊長、沖田総司です。」


お互いに軽く自己紹介を終え本題に入ろうとしたのだが…





「…貴方は、一くんと文通をしてた人?」



「…?何のことだ?」



何のことかわからず、沖田に尋ねると…


「---壬生浪士組の三番隊隊長の一くんが、なんか特殊な方法で文通をしていたんだよね。



でその相手かなって思って。」






…意図せずつかんだあの人への思わぬ手掛かりに一瞬思考が停止した。





「文通の方法は、小瓶に手紙を入れ水辺に投げ入れる方法か?」




「そうそう、そんな感じだったはず。

 あ、もしかして当たってる?」



「…まぁな、ここへ来た目的もその相手に会いたいと思ってな。」




渚月に括り付けてある、古ぼけた御守りに手を触れる。





あの戦の中、いつも私を救ってくれた御守り。




今でも、アイツとの手紙のやり取りを私に思い出させてくれる、大切な宝物。


「…さっき、壬生浪士組の三番隊隊長だと言ったよな。」


「そう、壬生浪士組の三番隊隊長 斎藤一くん。

いつも堅物な彼がここ最近ずっとそわそわしてたからね、気になってたんだ。…何かあったの?」




「何、ただ過去を清算して来ただけだ。

被害が及ばぬようにするために、その間文通をしていなかったからだろう。そわそわしていたのは。



…それより、お前の組織は邪術に侵されていたよな。」


「その話はおわ「私が戻してやる。」


「…条件はなんなの?」


沖田の言葉を遮り、話を進める


先程までの人の良さそうな雰囲気は鳴りを潜め、一部隊を率いる者の顔になる。




私は自分でもにっこりとした笑みを浮かべていたに違いない。


「私を壬生浪士組に、居候させてくれ。」


ポカンとした顔の沖田に笑いを堪えながら、



あいつもこんな表情を浮かべてくれるかな…と考えながら、


居住まいを正して沖田と向き直る。


自分の希望のために…

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