二:衝撃が駆けた
あらすじ*名案が浮かんだその日、早速神社へ行った茶子だが…
私はその状況に絶句する。
体が痛くなかったのは、別の人が下敷きになっていたからだった。
しかも、見たことの無いような、綺麗な顔立ちの男の人…。
「痛ぇんですが…早く退いて下さい」
「あ、す、すいませんっ」
瞬時に起き上がると、もう一度彼の容姿に見入る。
サラサラの黒髪、赤い瞳、白い肌――。
その円らな瞳には間違いなく私が映っている。
「何見てるんです」
「いっ…いえ!何でもありませんっ」
しかし、それにしても…。
変わった格好だな、と思った。
和服。派手な物でない、落ち着いた色合いの。
何故この季節に、このご時世にそんな格好をしている?
それに。
「あの…どうして此処にいるんですか?」
それさえ解らない。
すれ違った人なんていなかったし、同じ高校生なら近くに高校は茶子の学校しかない。
なら行くときに一緒になるか、見掛けるかするはずなのだ。
「だって、呼んだのはアンタでしょう」
「へ?呼んだ…?」
「ついさっきのことを憶えてもいないんですか。…こりゃハズレだな」
「は、ハズレって何ですか!初対面の人にハズレだなんて、失礼じゃないですか!」
しん…と静まりかえる。
「――アンタさっき、願い事をしたでしょう」
「え?願い事…」
先程の、神社でのことだろうか。
「はい…しました、けど」
「俺はアンタの願いを叶えるために来たんです」
思考を整理する。
しばらくの沈黙、そして――。
「えぇぇぇっ!?神様ぁ!?」
「神なんてすげぇもんじゃねぇですけどね。アンタに呼ばれちまった以上、叶うまで一緒にいさせてもらいます」
「叶うまで…」
口も態度も悪いけど、願いが叶えてもらえるなら。
そう思った私は、意を決して頭を下げた。
「宜しくお願いします!」
此処まで読んで下さり、有難う御座います。
関係ないですが私は敬語の遣える男性が好きです(笑
格好良くないですか?
誤字脱字がありましたらお知らせ下さい。