一:名案決行
あらすじ*恋愛経験皆無の茶子は古ぼけた神社の噂を耳にして…
「よしっ!終わった!」
今日の授業は全て終了した。
神社に行く気満々だった私は、挨拶の後、勢いよくガッツポーズ。
「茶子ー帰ろう?」
花澄に呼ばれた。
「あ、ゴメン。今日は用事があって…」
不思議そうに首を傾げる花澄。
「そーなの?じゃ、また明日ね♪」
「うん、じゃーねっ」
明るく挨拶を交わすと、私は一度家に戻った。
暗くなると嫌だったから、着替えもせずに、鞄だけ置いて神社へ向かう。
*
「――…此処、だよね…?」
急に不安に駆られた。
そこはどう考えても神社など無い…薄暗いというか真っ暗な…森の入り口。
「怖っ…!けど此処で帰ったら意味がないよねっ」
自分を奮い立たせて森へ入る。
少しの物音にも怯えながら、それでも進むと、赤い鳥居のような物が見えた。
「あ…あったぁ!!」
喜びで飛び跳ねた。
そして近寄っていく。
「…どうか、私に恋をさせて下さいっ」
パンパンッと手を打つが、何も起きない。
「あ、そっか。すぐに叶うワケじゃないよね。神社だし」
と言って家に帰ろうと足を向けた。
すると。
「オイ」
背後で、明らかに女の人の声でない声が聞こえた。
「き、気のせい気のせい…」
自己暗示をかけながら立ち去ろうとする私に向かってもう一度。
「待てよ、オイ」
私は耳を塞ぎ、歩いて森を降りていく。
もうすぐ――というところで木の根に躓いた。
「ほわぁあぁぁっ!?」
「!」
――ザッ
何かが滑り込むような音がした。
恐る恐る目を開ける。
「あれ、痛くない…」
「ってぇ…」
「――ッ!?」
此処まで読んでいただき、有難う御座います。
これは多分、前のお話より長くなると思っております。
一話ずつ少しでも成長していけるように頑張りますね^^
誤字脱字がありましたらお知らせ下さい。