12/31
12/31
「ふぅ」
大晦日だし、ちょうどいい区切りでもあるし、世間の流れというものもあるし大掃除をしてみた。
いままで大がかりに掃除をしたこともなかったせいか、今年はやけにごみが出た。
今までの学生生活でたまりにたまったノートやプリント類、昔遊んでいたおもちゃ、もう読まない本や漫画、壊れた機械類やゲームなど、これは明日から使うと思ったもの以外をすべて処分した。
明日以降使わない可能性があるものはすべてゴミだ。
本やゲームなどは売れば少しお金になったかもしれないけれどなんだかそんな気分にはならなかった。
必要ないものは捨てる、ただそれだけ。
そのおかげで部屋はきれいになった。
殺風景と言えるほどに。
「なんか違うような気がするな」
大掃除した後はなんだか気持ちがよくなるものだと思っていたけれど、今はそんな気分じゃない。
さみしい、といったほうが正確かもしれない。
何もない床、空になった本棚、日焼けの跡がある壁、積み上げられたゴミ、ゴミ、ゴミ、ゴミの山。
これだけ無駄なものが出るとそれに使ったお金がもったいなく感じてくる。
いや、いいのか。
「もう世界は終わるんだし」
もう何も必要ない、すべては無駄になるんだ。
終わりが来れば、その先は無い。
昼飯や夕飯をはさんで大がかりにやって、ずいぶんと時間がたっている。
外はもうもちろん真っ暗だし、遠くから除夜の鐘が聞こえるような気もする。
ふと時計を見る。
「あ、日付が変わ…」
「ほらね、ひどいことになったでしょ」