スタンドプレイ 解答
解答は用意出来ているかしら。これが最後よ。
「毎回毎回面倒なのよねえ。読まれもしない解答を書いておくのは。」
「いつかは誰かが解くんじゃないか?」
ここを読んでいるって事は、読まれもしない解答じゃ無くなってるって事だけど、私にとってはどちらでも良い事。それじゃ、いつも通りのテンションで行くわよ。
「はっ、解けるものなら解いてみるが良いわ!‥‥‥今回はこの私自らが解答を発表する。」
「ほう、俺はお役御免か?」
「馬鹿ね。被害者が推理出来る訳無いじゃないの。」
「そっちかよ!」
キモが凶器であることは、ヒントが提示されていたと思うけれど。それが何なのか解ったかしら?
「凶器は何だったんだ?」
「知っている人なら。大体想像は付いたんじゃないかしら。」
ヒント、と言うかもう答えね。買い物メモに書いてあるわ。内容を思い出してご覧なさい。
「それで、イツキは何を買ったの?」
「鶏肉、玉葱、大根、ほうれん草、鰹節、味噌、醤油。」
「‥‥‥もっと正確に。」
「?‥‥‥ひょっとして、鰹節を削る為の鰹の事か? どんな表記だろうと俺が解れば良いんだよ。買い物メモなんだし。」
鰹よ、鰹。一匹丸々燻して硬くなったあれよ。え、そんなもの知らない? それ位自分で調べなさいよ。
「良くないわよ。だって凶器なんだから。」
「‥‥‥‥‥‥おい。」
「相当燻してあったのねえ。随分硬かったんじゃないかしら?」
凶器の形状は? 「杭状の何か」だったわね。つまりはそう言う事。鰹は削ることが出来るわ。尖らせるのも容易に出来てしまう。
「イチがいつもそうリクエストするからだろ!」
「だってパッケージされたのより削りたての方が美味しいじゃない。」
「高いんだぞあれ! 専門の乾物屋に行かないと無いし!」
鰹一匹丸々だものねえ。そりゃ高くもなるでしょうよ。でもこれに関しては譲る気はないわ。
そうそう、さっきイツキが言ったわね。「専門の乾物屋に行かないと無い」って。
「つまりイツキ、貴方‥‥‥商店街で買い物したわね?」
「そんなのいつもの事だろ。何を今更、」
「あら、大事な事よ?」
つまり店毎に目撃されたのよ。買い物メモから推測される「イツキが行った店」は何処かしらね?
「肉屋と青果店、そしてさっき話した乾物屋。買い物メモからはこの三つに行ったと推測されるわ。」
目撃者(容疑者)は三人。店の主人達と考えて良いでしょう。
そして、犯人は「凶器」が何かを知っていなければならない。と、言うことは。
「じゃあ犯人は? 凶器の存在を知っているのは‥‥‥。」
「当然、乾物屋の店主に決まってるでしょ。私はこの時イツキが鰹を買っていたなんて知らないもの。常に用意されているつもりで使ってるし。」
「‥‥‥‥‥‥はぁ。」
ありがとうございました。
取り敢えず一旦終了です。