何かが来る!
達也は夢を見た。もう何度目だろう。わからない。くどいほどその夢を見た。その夢はとても現実とは思えないようだ。だが、あまりにも現実っぽくて、逆に怖いと思えるほどだ。
達也はいつものように目を覚ました。達也は大学生。この近くにある大学に通っている。東北の田舎出身の達也は、高校卒業後に上京して、大学の近くのアパートに引っ越してきた。将来は東京で生計を立てて、結婚して、幸せな家庭を築きたいと思っている。その為には、大学で頑張って、恋人を作らないと。
「さて、行くか」
達也は朝食を食べ始めた。あらかじめ買っておいた即席みそ汁とごはんだ。朝はだいたいこれだ。達也は朝食を食べながら、朝のニュースを見ていた。これがいつもの朝だ。
達也は食べ終わると、歯を磨いて、すぐに大学に出発した。今日は8時50分から講義だ。今日も頑張ろう。
達也は大学までの道を歩いていた。辺りには多くの若者が歩いている。このほとんどが大学生だ。ここは多くの大学生が行きかう、まさに学生の街だ。この辺りには大学生目当ての、安くてボリュームのある定食屋が多くあり、達也もそこで食べる事が多い。
と、達也は何かの気配を感じた。一体誰だろう。達也は振り向いた。だが、そこには大学生しかいない。いつもの人々だ。
「うーん・・・」
達也は首をかしげた。ここ最近、誰かに付け回されているような気がしてしょうがない。一体誰なんだろう。最近では、Tシャツに血が付いている事が多い。ひょっとして、ゾンビが後ろにいるんじゃないかと思った事もある。血を見るたびに、達也は嫌な予感がした。ひょっとして、ゾンビが自分を狙っているんじゃないかと思えてくる。
達也は再び歩き出そうとした。だが、またもや誰かの気配を感じた。ひょっとして、本当にゾンビではないか?
「えっ!?」
達也はまた振り向いた。だが、そこには大学生しかいない。大学生は楽しそうに笑いながら歩いている。
「誰もいないな・・・」
達也はまた首をかしげた。
「何だろう・・・」
達也はスマホを見た。講義の時間が迫っている。早く教室に行かないと。
「まぁいいか」
達也は三たび気配を感じた。達也が振り向くと、そこにはゾンビがいる。本当にゾンビがいるとは。
達也は目を覚ました。また夢だったようだ。夢でよかった。そう思うしかなかった。
「夢か・・・」
達也は起きて、朝食を食べ始めた。あの夢と一緒の朝のルーティーンだ。
「ここ最近こんな夢ばっかり。何だろう」
食べながら、達也は考えていた。あの夢の事だ。どうして僕はあんな夢ばかり見るんだろう。まさか、本当にゾンビに遭ってしまうんだろうか? そんなの嫌だ。殺されそうで、怖いよ。
達也は朝食を食べ終え、歯を磨いて、大学に向かった。今日は8時50分から講義だ。あの夢と一緒だ。そうだと思うと、達也は怖くなった。あの夢と同じ事が起こる予感がしてたまらないのだ。だけど、講義に行かなければ。
「行こう」
達也は部屋を出て、大学に向かった。今日も大学の周りには多くの大学生がいる。みんな、これから講義に向かうと思われる。
「おはよう」
達也は振り向いた。そこには親友の将太がいる。将太は同じ学部、学科で、達也ととても親しい。
「おはよう」
「今日は朝から講義だよ」
将太もこれから講義に向かうようだ。これから達也と一緒に講義の行われる教室に向かう。早く行かないと。
「僕もだよ。お互い頑張ろうね」
「うん」
と、達也は何かを気にしているようだ。将太は達也の表情が気になった。
「どうしたの?」
達也はあの夢の事を考えていた。何か起こりそうな予感がしてたまらないのだ。
「いや、何でもないよ」
「そう・・・」
将太は気になっていた。達也はここ最近、何かに悩んでいるようだ。一体、何に悩んでいるんだろうか? 教えてほしいな。友達じゃないか。
「大丈夫? ここ最近、何かに悩んでるみたいだから」
「大丈夫だよ」
だが、達也は何も問題ないと言い、笑顔を見せる。
「早く講義に行こうよ!」
「うん!」
2人は講義の行われる教室に向かった。その時、達也は知らなかった。その後ろにゾンビがいるのを。
講義でも、達也は悩んでいた。あの夢の事だ。夢の事ばかり考えていて、講義に集中できない。ここ最近、そんな感じだ。
「うーん・・・」
突然、教授が机を叩いた。達也は我に返った。
「どうした岩下」
「な、何でもないです・・・」
達也は焦っている。また怒られた。どうしよう。
「講義に集中しろよ!」
「はい!」
達也は集中しようとした。だが、集中できない。どうすれば、この恐怖から抜け出せるんだろう。
今日の講義を全て終えて、達也は部屋に向かっていた。もう夜も遅い。とても疲れたな。早くお風呂に入って寝よう。
達也は部屋に戻ってきた。達也は電気を付けた。達也の部屋は4畳半の和室と、キッチン、ユニットバスだ。達也は勉強机に座った。
「あーあ・・・」
達也は考え込んでいた。あの夢は何だろう。何かが起こりそうな予感がする。ひょっとして、ゾンビに殺されるんじゃないかと思えてしょうがない。
「何だろうな・・・」
達也は勉強を始めた。勉強をして、成績を上げて、教授からの信頼を得なければ。
「えっ!?」
と、達也は何かの気配を感じて、振り向いた。だが、そこには誰もいない。ゾンビがいるんじゃないかと思えたが、やはりいない。おかしいな。何かいたような気がしたんだが。
「誰もいないか・・・」
達也は震えてきた。震えて、勉強に身が入らない。僕は最近、どうしてこんな夢ばかり見るんだろう。僕は全く悪い事をしていないのに。
「怖いなー・・・」
達也は振り向いた。やっぱりいない。夢なんだ。ゾンビなんて、いないんだ。大丈夫だろう。
「やっぱりいない・・・」
達也がまた前を向き、勉強をしようとしたその時、冷気を感じた。まるで、後ろにお化けがいるようだ。一体なんだろう。
「ヒッ・・・」
達也は振り向いた。そこにはゾンビがいる。まさか、殺そうというんだろうか?
「ギャーーーーーーー!」
達也は悲鳴を上げた。程なくして、達也はゾンビに殺された。
それ以来、達也の姿を見た者はいない。ただ、部屋には達也の血痕があったという。




