『幽霊アプリ』ってホントにありました
「こんにちは。藤村としゆきです」
「お相手の美咲です」
「サキちゃん、僕、近所の居酒屋に、ときどき行くんだけどね」
「としゆきさん、お酒、飲むんですか」
「その居酒屋の客がさ、口を開くとUFOと幽霊の話ばかりするんだよ」
「酔ってるんですか、その人?」
「いや、下戸なんだよ。まったく素面なんだ」
「どんな話をするんです? その人は」
「ま、次のような話なんだ」
▼ ▼ ▼
『運転中に3メートルくらいの幽霊が地面から出た』
『でっかいUFOに追いかけられた』
『車のガラスに幽霊が貼り付いた』
『たくさんの人魂が舞っていた』
▲ ▲ ▲
「……とまあ、こんな感じさ。サキちゃん」
「マジですか? その人w」
「マジだぜ(古)。でね、僕は彼に言ったんだ。『妖怪なら知ってますけど、幽霊はわかんないすね』ってね」
「としゆきさん、妖怪ならわかるんですか? それって、どっちもどっちなんじゃ?」
「……でね、彼が言ったんだ」
『妖怪? そういえば、近所のおばちゃんが、一反木綿を見たんだって』
◆ ◆ ◆ (;゜Д゜)_旦~~
「その人、引き出し多いですね。架空の人物でしょ?」
「いやいや、マジなんだって。無限にネタが出てくるんだよ。でね、彼がなんかみょうな物を見せてくるんだよ」
「みょうな物って?」
「なんか、キーホルダーみたいなの。着けてると、幽霊に反応するんだって」
「は~あ?」
「まだあるんだよ。スマホのアプリでさ、幽霊がいたら反応するんだって」
「え~、何それ?」
「声も聞こえるんだって、そのアプリ」
「そんなアプリがあるんですかあ?」
「調べてみたらさ、ホントにあるんだよ。なんでも、その辺の磁場とか、雑音を拾って、スマホにもっともらしく見せるだけで、ジョークとしてのアプリみたいだけどね」
「そりゃそうですよね。でも、ホントにスマホで幽霊が見えたら、って思うとドキドキしちゃいますよね」
「そうだね。それに、彼の話から、サキちゃんを思いついたんだし」
「え、じゃあ、あたしが存在してるのは、その人のおかげですか??」
「存在してる、といえるのかな(笑)」
「そんなに幽霊が見たいなら、あたし、その人のところに行ってあげたいですよ」
「ははw 彼も待ちわびてるよ」
「なんなら、としゆきさんも幽霊になります?」
「堪忍して……。まだ死にたくない(泣)」
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※一反木綿の正体は、白いパッチ(股引)だったそうです。




