もっとも性能の低い部分が、限界を決める?
「こんにちは。藤村としゆきです」
「ユウジです」
「ユウジくん、樽の理論って知ってる?」
「なんですかそれ」
「樽の板の長さがバラバラだとするよ。水は、もっとも短い板の部分から漏れるってことさ」
「そりゃそうでしょう」
「だから、もっとも短い板が、その樽にためられる水の量を決めるってことさ」
「それがどうしたんですか?」
「もっとも性能の低い部分が、性能の限界を決めるということさ」
「あ~なるほど。これは部隊でも言われることですね。もっとも劣った者が、部隊の能力を決めると」
「人間にもあてはまるかな?」
「そうでしょう。訓練では、連帯責任を重んじます。これは、いちばん能力の低い者が、部隊の力を決めるからです」
「そうだね。機械でも、もっとも性能の低い部分が、その機械の性能の限界を定めることになるね」
「機械ですか。例えば?」
「昔の、カローラレビンって1,600ccの車に、スカイラインGTRの280馬力のエンジンを積んだって話を聞いたことがあるんだ」
「無茶しますねw」
「で、案の定というか、駆動系がぶっ壊れたんだって」
「そりゃそうでしょうね」
「もし、ちゃんとバランスを取って改造するならさ……」
「お金かかりますよね?」
「エンジンに合わせて、ボディもサスペンションも、バランスの取れた車ができたら……GTRが出来上がるんだよ」
「だったら、最初からGTRを買ったほうが早いでしょ!」
「ま、改造は男のロマンだしね」
◆ ◆ ◆ (´・ω・)_旦~~
「この『樽の理論』って、個人にもあてはまるよね」
「というと?」
「その人の短所で、能力が限定されるんじゃないかな」
「そうですか? なんか、『長所を伸ばせ』とか聞いたことがあるような?」
「それは最低限の板の長さがあってのことだね。長所、つまりプラスを積みあげるよりも、マイナスを排除するほうが、効率がいいらしいよ」
「どういうことです?」
「例えばさ、『仕事がよくできるけど、ミスも多い』。そういう人より、『そこそこ仕事ができて、あまりミスしない人』のほうが、仕事を任せられるじゃない?」
「う~……ん。確かに」
「安全運転なんかもそうだよね」
「車の運転ですか?」
「運転の上手さよりも、ミス(事故)をしない人のほうが、重宝されるじゃない?」
「確かに、運転の上手い人のほうが、事故が少ないとは限らないそうですね」
「何十年も無事故無違反でも、1回の事故や違反が許されるわけじゃないもんね」
「違反は負けてはくれませんね(笑)」
「だからさ、個人でもいえるんじゃないかと」
「え?」
「長所を伸ばすより、短所を改善したほうが、能力がアップするんじゃないかと思うんだよね」
「まあ、我われ凡人の長所なんて、たかが知れてますからね」
「だろう?」
「でも、としゆきさんって、『これが俺の長所だぜ~』って調子に乗って、短所を見ないふりしてますよね?」
「……だって面倒なんだもん」
※人間も、足りている栄養をいくら摂っても無駄で、足りない栄養を摂らないと、『栄養失調』になってしまいます。




