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プロローグ

この物語はフィクションです。この本に登場する人物、地域、団体、事件は全部架空のものであり、実在する名称ではございません。

どうぞ御陵でょうください。

 物心ついたとき、私の隣(となり)にはそいつがいた。十三年が経った今でも私の隣にはそいつがいる。この腐(くさ)れ縁(えん)という奴は、この先もずっと続いていくんだと私は疑わなかった。この胸に秘める想いは永遠だと、そう思っていた。

 だから、そいつが笑顔で彼女を紹介してきたとき私は絶望した。

 私の中で何かが壊(こわ)れ、音を立てて崩(くず)れていった。

 それでも、私は笑った。私はひたすら自分に虚勢(きょせい)を張った。そうしなければ、私はその場で泣き崩れていただろうから。

 高校一年の夏。私はこの世に永遠は無いのだとそう思い知らされた。



 高校一年、春。中学生という衣(ころも)を片足に引っ掛けたまま、私は高校の入学式を受けていた。校長先生の訓話が長々と続く。言ってることはみんな同じ。やれ節度を守れ、やれ学生であることを忘れるな。そんな話(モノ)、中学のとき耳にタコが出来るほど聞いている。それは、ここにいる新入生の大半が考えていることだろう。

 しかし、私は別のことを考えていた。

「……はぁぅ」

 私の考えてることはただひとつ。さっき見た掲示板。そこに張ってあったクラス分けの表。ただそれだけのことに頭がいっぱいになっていた。

「……はぁぁ~」

 思い出したそれは、私をさらに憂鬱(ゆううつ)にさせる。

 ふと、目の前に座る少年を見た。真壁(まかべ) 永久(とわ)。私の幼なじみは、あくびを押し殺して目の端に涙を浮かべていた。そして、ちらっとこちらを見てくる。

 生まれた時から一緒にいるそいつは、少しさびしげに笑った。きっと、私もそんな顔をしているんだろう。

 幼稚舎、小学校、中学と十二年間、同じクラスで一度たりとも離れたことの無かった私たちが初めて違うクラスになった。本当はそれが普通で、十二年も同じになることの方が奇跡なのだ。

 分かっている。

 それに、学校が終わればまた会える。

「――――生、新入生、職員、起立っ!!」


 また、一年が始まる。

 新しい生活と変わらない毎日が。




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