1 転生したら、ハーレムゲーム裏ED BLルート
以前書いていたものを加筆修正しての再UPになります
以前R18していだったのですが
R18が書けそうにないので無理せずほわほわした作品を書いていこうと思います
気長に待っていただけると嬉しいです
1 転生したら、ハーレムゲーム裏ED BLルート
はじめまして、今回ちょっともやもやと温めていた転生物を書かせていただこうと思いました
飽きずにどこまでかけるかが勝負であり
又、久々の小説を書くというチャレンジはほぼリハビリのような感じでもあります。
お見苦しいとこ多々あるとは思いますがどうぞよろしくお願いいたします
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舞い上がる薄紅色の花弁。
魔法学園中等部の敷地内であるその丘には
この学園のシンボルとも呼べる、桜の花が咲く。
樹齢を重ねたその大きな樹には満開の花が咲き、その花弁が風で舞い上がれば、その場所は恋の告白とその成就を叶えるように視界は淡いピンクに包まれる。
キラキラと輝く陽光に、彼の姿は映えて。
そして軽やかに駆け寄るその人と、永遠の愛を誓い合い、物語はエンディングを迎える。
僕は親友が、ヒロインと結ばれるのを確認し、そっとこの中等部を卒業するのだ。
っていうのが、この物語のエンディングだったはずなのに?
どうしてこうなったんだ?!
僕は、サクラ
名門魔法学園中等部卒業生。
今日は卒業式も終わり、この学園の告白の丘と呼ばれる、美しいピンクの花の咲く大きな樹木の下で起こるであろう、イベントを見るために近くの茂みの中で身を潜めて、幼馴染で親友、のラルクの様子を伺っているところだ。
だって今から、この世界の主人公であるはずの、ラルクが今からヒロインに告白されて、将来を誓い合うというラストエンディングイベントが起こるはずだから!
この日の為に孤軍奮闘してきた僕は、見守る権利があると思うんだよね!
何故そんな事が起こる事が、わかるのかって?
理由は簡単。
この世界は僕が前世、何度もエンディングを攻略し、プレイした。
ラブ♡クエスト というゲームの中の世界だから!。
僕がこの世界の転生者だと気が付いたのは、まだ5歳の時。
家族ぐるみで付き合いのある、幼馴染のラルクの家で遊んでいた時だった。
何かの折に空中庭園のバラがきれいだから見に行こうと誘われた。
美しいバラのある庭園はレンガで作られた長い階段を上った先にあり
空中庭園のように見晴らしがよい。
花も盛りのころだとラルクに誘われて僕たちはその場所へ向かったのだが、前日からの雨で滑りやすくなっていた階段に足を滑らせたラルクが上から落ちてきた。
上から急に落ちてきた自分とほぼ同じような体格の幼馴染をどうすることもできなかった僕はそのまま階段から滑り落ち、僕が下敷きになってしまう事故があった。
その時僕は、一番下まで転がり落下して、強く頭を打ち
三日三晩目覚めなかったらしい。
その時に思い出したのだ。
自分はその時女子高生で、毎日毎晩このゲームをプレイしていた。
ある日、このゲームの限定シナリオ付きブックレットが発売されると聞いて、いてもたってもいられなくなり、その発売日に少しでも早く手に入れようと、周囲も見ず、雨上がり滑りやすい状態であったにもかかわらず、突っ掛けで急いでいたため、公園のレンガ作りの階段の一番上から落下。
そのまま僕はこの世界に転生してしまったみたいだった。
当時の僕が亡くなったのと、ほぼ同じ状況だったせいか、その三日三晩の目覚めなかった間にその女子高生だった時の記憶が蘇り、そして目覚めた僕は気が付いたのだ。
あれ?僕の立ち位置ってもしかして、あのゲームをプレイするときに
女の子の情報とか状況とかを事細かに教えてくれたあの、幼馴染君だったんじゃないかって!
それからの僕は、ラルクが気になるっていう女の子がいればその子の情報を調べたり、予定をそれとなく伝えたり、好みやスケジュールをあわせたり、ターゲットの子と出かけるために必要なアイテム集めや、準備など事細かに手配し、気を配っていった。
なにせ僕は前世このゲームをやりつくしていたからね!
隠しエンディング以外は全てのキャラクターのパラメーターのタイミングまで覚えている。
出来れば、最押しの姫君とくっついてほしいけど、そこは本人の気持ちもあるし、僕は全力のサポートをさせてもらえる立ち位置であることと、前世の記憶があることを利用し
幼馴染が恋愛成就する様を見届けることに全力を注いでいた。
キラキラと光る幼馴染。
金髪にエメラルドグリーンの美少年が、はらはらと舞う薄紅の中に立つ姿は、もうゲームのエンディングの様、そのままなのに。
ずっと待っているのに、現れないのだ。
ヒロインが……!
こんなことある?
確かノーマルエンディングの場合だって、ヒロインは誰かしら現れたはずなのに……。
おかしい、こんなはずでは……。
ぶつぶつと下をむいて呟く僕は気が付かなかった。
茂みに近づく人影に
「なんで、誰も現れないんだろう……」
その声に答えるかのように、すぐ傍らでラルクが
「なんだ、誰か待ってるのか?」
え?と思って見上げると
そこには、茂みにいる僕を見つめる、エメラルドグリーンの瞳。
「えっ!えっ。何で?!」
「何でって、お前がなかなか出てこないから、何やってんのかなって」
卒業証書の入った筒を片手に持ち、困ったような顔をした。
すっと出を差し出されたので、そのまま素直に片手を出し、引き上げるように立たされる。
見つかってしまったことで、どうしたらいいのかアワアワしていると、ラルクは僕の頭に乗っていた葉っぱを払いながら。
「相変わらず、いくつになってもサクラはぼんやりしてるなあ」
微笑む笑顔はエンディングのそれで
ええ?ヒロインいないのに?
どうして?!
と、僕は半ばパニック。
そんな中、キラキラと光る花弁がごうっと風に巻き上げられて
日の光がそれらに反射して……。
「なあ、サクラ」
「う……うん?」
キラキラと、綺麗な幼馴染の顔
この風景を僕は知ってる。
「俺さ、お前に感謝してるんだ」
「へ?」
「だって、俺があの子いいなあって言えば、その子の情報調べてくれたり、影日向になって俺の事支えてくれてたり、フォローしてくれたりさ」
照れたような表情のラルクに見とれてしまう。
「それでさ、いろんな女の子と付き合ってみたけど、サクラといるときが俺一番安心できて楽しいって気が付いたんだ、高等科ももちろん一緒の学び舎だけど、どうしても伝えておきたくて」
え?え?この流れは?
ゆっくりと近づいてくる、幼馴染の顔
ふにゃり、と温かいものが唇に押し付けられる。
キスをされたのだと気が付いたのは、数秒後。
するりと離れたその唇をただ見つめてしまう。
「サクラ、俺と付き合ってほしい。お前の事が好きなんだ」
舞い上がる。薄紅の花弁。
金色の髪に、深い森の青の瞳。
そして……
笑顔の告白
なんで?なんで?
これって、ヒロインに言うセリフじゃないの?!
そういえば、ゲームの帯部分に描いてあった文言を思い出した。
『隠しエンディングは2種類!そのうち一つはBLエンディングです♡』
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久しぶりにオリジナルに挑戦しています。
まだ序盤も序盤ですが、これから楽しくできたらいいなあ
と思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
ここまで読んでいただきありがとうございました
少しでおたんぉしんでいただけたら嬉しいです