タンポポ色の
赤子の小さな靴下ひとつ
道端に落ちていた
タンポポ模様の小さな靴下
裸足のその子は寒かろに
早く履かせてあげたいな
あたたかいおべべはきているか
あたたかいお布団で寝ているか
ちいさな靴下にお願いするよ
寒の戻り、冷たい風
あの人の足が冷たかないか
半月が膨らんでタンポポ色に満ちていく
あたたかなメロディー
唄うたいがいるかしら
半月が膨らんでタンポポ色に満ちていく
あたたかなポエトリーに乗せた想い
あなたの足は冷たかないか
わたしの足を添わせてみたら
わたしの足の冷たさに
あなたはビックリするにちがいない
だからタンポポ色のお月さま今宵は
赤ちゃんみたいにやわらかな
赤ちゃんみたいにあたたかな
足をわたしにくださいな
ちいさな靴下、ちいさな願い
淡く光る夢、落ちてはいないか
春寒の夜に、路地裏にある老舗銭湯へ
あなたと行こう
髪濡れて息白くなお湯けむりの狭い路地
肩すぼめ歩くふたりにさえ
タンポポ色の月明かりは
夜風の冷たさを忘れるくらい
にっこりと笑ってくれて居る
黄色く白い光が春もやを淡く透かしていく
明ける空まで寄り添う夢が淡くひかっていた




