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ラノベじゃないんだからオタクに優しいサルなんているわけない。

作者: ヒロモト

なろう史上一番頭使ってない小説ここに爆誕!


「キキキ?キーキキ?オタクくん。キーキーキキキーキキ?」


『オタクに優しいサル』なんてファンタジーでしかないと思ってた。

いつもクラスでラノベばかり読んでいるオタクの僕に話しかけてくれた初めての女子は門木さんだった。オシャレで明るくて男子にもモテる金髪のサルだ。ギャルは苦手なんだけど……少し話してみようかな。


「うん。ライトノベルだよ。好きなんだ」


「キィー?キーキキキキキキーキキキィ?」


「違う違うモンキーパンチは漫画家だよ」


「キャッキャッキャッ!キーキキキィー!」


「モンキーD……って!それはワンピー○じゃん!」


「キィーッキッキッキッ!」


門木さんとこんなに話が合うとは思わなかったなぁ。面白いし気さくだしこんな僕に話しかけてくれて優しいんだな。ギャルの事もサルの事も誤解してたのかも知れない。僕たちはこれをきっかけにどんどん仲良くなっていった。

夏はいつも裸の門木さんの水着にドキドキして秋は紅葉を見に行って冬は雪山の温泉で混浴なんかしちゃった。いつも顔の赤い門木さんの顔がさらに赤くなって可愛かったな。でも突然ピンチが訪れた。


「キィー!キキキッ!」


「暴れるでね!帰るべ!」


猿軍団から逃走していた門木さんは飼育員さんに縛られ捕まってしまった。門木さん。猿回しの猿だったんだ。どうりで猿が学校に通うなんておかしいと思った!何故誰も気がつかなかったんだろう。

泣き叫ぶ門木さんと目があった。僕に助けを求めてる?怖いけど戦おう。オタクだって大きな声を出せるんだぞ!


「ぼ、僕の彼女に酷いことするなー!」


「彼女!?おめーバカけ!?こいつはサルだっぺよ!」


「サルだろうと何だろうと門木さんはここの生徒だ!」


僕につられる様に皆も声を上げてくれた。


「そうだ!門木さんは俺たちの仲間だ!」「カドキチャンを離せ!」


「……おめたち。全員アホだっぺ!」


トドメを刺してくれたのは理事長だった。犬山理事長はツカツカと歩いてきて飼育員さんに「うちの大切な生徒を誘拐するなんて許せません。警察の方々とお話がしたくって?」と言った。

警察という言葉に恐れをなしたのか飼育員さんは「あー!もう!猿なんてまたどっかでつがまえるからよがっぺよ!」と捨て台詞を残して去っていった。

信じられない。奇跡だよ。門木さんと犬山理事長は犬猿の仲でいつも喧嘩ばかりしていたのに。


「……キキィ。リジチョウ」

「勘違いなさらないで。理事長としての仕事をしただけよ」



「結婚してください」


「……キィー」


卒業式。伝説の猿のこしかけの木の下で僕はプロポーズをした。彼女の返事はイエス。

卒業したらお互いに東京の大学にいくから婚約ってことになるのかな?僕は幸せだよ。



「オタクくーん!ご飯だよん♪」


「オタクの奥さん相変わらず美人だよなぁ」


「手ぇ出しちゃ駄目ですよ?」


東京ですっかり垢抜けたというか毛が抜けた彼女は尻尾を除いて本物のギャルになった。

日本語も完璧。身体も成長しまくってボンッキュッボン。ホットパンツがよく似合う。男だったら誰もが目を奪われるイケてるギャルだろう。元猿とは思えない。まぁ人間も元猿か。

大学を卒業後、すぐに僕たちは結婚した。

彼女は昼になるといつも職場にお弁当を届けてくれる。おっ!今日の昼ごはんもサルサとバナナだ!ラッキー!僕はモンキーレンチを工具箱に入れてお弁当を食べた。


「それでサガフロのサルーインとサルトルの共通点としてはね……」


「うんうん」


ギャルだけあって本当に話がうまいよなー。


「日曜日は猿の惑星観に行こうね!」


「うん」


「どうしたの!?悟空!」


「あっあっあっ」


何これ?ダーリンと映画を観に行った帰り道。満月を見た私の身体中の血管がドクドク鳴り出した。

ダーリンが初めて下の名前で呼んでくれたからドキドキしてるのかな?


「……ウギャギャッギャッギャ」


「ごくうーー!」


(悟空。おめーは絶対に満月さ見ちゃいけねーど)


何故か幼い頃に飼育員さんに言われた言葉を思い出していた。


『冒険が始まる』!!








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― 新着の感想 ―
[良い点] 猿のように読み耽ってしまいました。
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