表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギフテッド・ブレイバー(仮)  作者: 夢見柘榴
物語の始まりと、巻き込まれ少女
6/7

観測対象とのファーストコンタクト

思い出したかのように復活するじゃん。

「それじゃ、あとは任せたよ。」

 

 ヨハン殿下は応接室に俺と、さっき俺がここまで案内をしてきた迷子だった少年――アークを残して出ていった。なんでも、残している公務があるとかないとか。相変わらず忙しい人だと思う。思うが、ならなんでここに顔を出したんだ、あの人は。


 それはさておくとして。

 残された俺たちはというと、


「……」

「……」


 お互いに何もしゃべらなかった。ただ気まずい空気だけが流れる。

 

 アークは、ただ、こちらをちらり、ちらりと見ながら、何かをしゃべろうとしてはその度に躊躇う、ということを繰り返している。俺の肩書が、宮廷付きの魔術師であるとわかってからこうなっている。さっきまでのあの話しかけてきた元気はどこに行った、という感じである。

 

 あの王子、何か変なコト吹き込んだりしてないだろうな?

  

 しかし、これ以上ここでにらめっこをしているわけにもいかない。

 けれども向こうも、相変わらずしゃべってくれそうにもない。

 …これは、俺から話しかけないと駄目なのではないのだろうか。

 仕方がない。

 …まだ、丁寧口調であった方がいいか。そういう立場なんだし。


「改めまして、宮廷付き魔術師のヨハンといいます。この度は、王都まではるばるとお越しいただきまして、ありがとうございます。」

「あ、はい、えっと、シトル村のアークです。よろしくお願いします。」


 ……少しぎこちないが、まぁ、俺も人のことは言えないのでいいか。


「早速ですが、これからのアークさんのことについてお話をさせていただきたいと思いますが……、ヘンリー殿下からどこまでお話をききましたか?」

「…えぇっと…、確か、僕の持っている力について調べたいことがあるから来てもらった、とだけ言われました。」

「……それだけ、でしょうか?」


 ……俺がこの部屋に送り届けてから、慌ててここに戻ってくるまでにそこそこ時間はあったよな?。

 

「はい。詳しいことは後から来る人から教えてもらえ、とだけ言われました。」

「言われました、ですか……。そのあとは何を話されてましたか?」

「『王都以外での人々の暮らしに興味がある』と言われて……、シトル村での生活の様子とかいろいろと聞かれました…。」


 あの王子、自分の興味を優先して説明とかの(めんどくさい)仕事こっち全部丸投げしやがった!


「…分かりました。それでは、いろいろと説明していきたいと思います。」


 不敬だとは分かっているが、それでもこの国のトップに近い人物に対して、本人のご要望通り(「忌憚なく」)心の中で悪態をつく。


 ただ、このまま黙っていても仕方ない。ぶん投げられた仕事はちゃんとこなしてやろう。突然昨日降ってきたとはいえ俺の仕事なんだし。


 そんなわけで俺は直球に


 「まずはあなたは、ギフテッドをご存知ですか?」


 と質問をした。

でもまだ話進んでないのよね…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ