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怨血  作者: 棗院宵月守吉景
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第参帖 異変

 ウィナリーヴァンプスによって綾瀬は結依と千里を攻略して解呪の勾玉を手に入れることになった。

 果たして綾瀬はどちらから攻略するのだろうか

 「調査の方法は、月小國(げっしょうこく)に赴いての張り込みです。」

 獅子(ししざ)の席の福久(ふくひさ) 倫康(ともやす)はそう提案した。福久の案に対し、金羊(おひつじざ)の席の若宮(わかみや) (いおり)は「なるほど、それでその人のことが分かり次第対策を考えるんですね。僕はそれがいいと思います。」と賛成した。そして次々と

 「いいなそれ、俺も賛成だ。」

 「そうね、その作戦で行きましょう。」

 等々、賛成の声が多く上がった結果、約2名反対したものの福久の案で行くことにした。


 ~2日後 月小國~


 境内の掃除をしていた俺は鳥居をくぐって御神体の間がある方へ行く2人組を発見した。俺はその2人に「そちらは関係者以外は行っちゃ駄目なんですけど。」と声をかけると男性の方が「これは失礼、私は魔術庁拾弐席の一人 双児(ふたござ)の席こと高野(たかの) 慎弥(しんや)と申します。」と名乗り、「実は我々がこの神社から異常な反応を探知しまして調査しに来ました。」と話した。それならと思った俺は「そうですか、どうぞ。」と2人を通した。そして俺は境内の掃除に戻ったがあの2人の様子が気になって仕方ない。掃除を一旦小百合ちゃんに頼んで御神体の間へ向かうと神様の声が聞こえてきた。


 ~同時刻 紅月神社御神体の間~


 2人組のうちの女性の方が「磨羯(やぎざ)の席の福田(ふくだ) 睦月(むつき)と申します。」

 「魔術庁の職員がここから異常な反応があったと報告しました。なのでここを調べるために赴いた所存です。」と御神体である薙刀の前で訪れた目的を告げると神様が現れて「それならば童が理由を教えるぞ。」と福田に対して説明を始めた。「その異常な反応とやらは童があるものに力を与えたことによるものであって力を与えられた者はもともと男だったが今は呪いで体が女になっている。」

 「まあ、その者はこの神社で暮らしているがいつ命を狙われるか分からん。だから、見守ってやってくれ。」と福田に伝えて姿を消したのだった。


 ~同日夜 紅月家浴室~


 「今日、とてつもないこと聞いちゃったなー。」

 「いつ命を狙われるか分からない・・・か。魔術庁はどうするんだろうなー、俺に対して。」と風呂に入りながら俺が一人でつぶやいていると脱衣所の方から「凌、一人で何を・・・」と結依の声が聞こえ、俺は「ちょっ、聞こえてたのか!?」と驚いた。そして服が床に落ちる音が聞こえてきて浴室扉が開く音がした。

 振り向くとそこには今にも入浴しようとしている結依の姿が視界に移り俺はその姿に思わず赤面した。何せ結依は胸が大きく一部の女子から嫉妬されるほどだ。そんな彼女の裸体が移ったのだから精神面は男のままの俺は平常心でいることが難しい。そして、結依が湯船に浸かり、俺との距離は目前にまで迫った。そんな中我慢していた俺だったがとうとう我慢できなくなり「何俺の断りなく一緒に入ったりしてんだよ、俺はもう上がるからな。」と吐き捨てて浴室を後にした。


 ~翌朝 聖の寝室~


 朝食を食べ終え、着替えていると今までこちらから呼ばないと現れなかったはずの神様が部屋に入ってきた。そして俺に「どうやら結依と何かあったようだな。恋人の勾玉の気配が薄れている。」と告げ、俺は「気配が薄れてる?どういうことですか?」と尋ねると神様は「実は解呪の勾玉は神通力で感じ取れる気配が埋め込んだ対象の感情によって変動する。」

 「今回は自分を拒絶されたことによる負の感情が気配を薄くしていた。」と説明し、昨晩の風呂のことを思い出した俺は結依を呼び出して「結依、昨日はすまなかった。つい気が動転しちゃったんだ。」と謝罪し、結依も「こっちこそごめん、驚かせてしまって。」と俺に謝罪し、和解することができた。

 神様に恋人の勾玉の気配について聞くと俺が思った通り濃くなっていたというのだった。


 ~某日 魔術庁本部~


 境谷(さかいだに)の進行により会議が始まり、福田が「紅月神社に赴いた結果、血属性の力を得た人がいたそうです。そこで私はお目付け役の派遣を提案します。」と意見を述べた。

 それを聞いた境谷は「福田はん、お目付け役にだれか心当たりはありますの?」と質問し、福田は「ええ、約1名。」と答えた。果たして彼女は誰を派遣させようというのだろうか・・・

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