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序章
【序章】
少女『桜…いつか2人で見てみたいわ』
少年『・・・そうだな』
そう約束した日は10年前,偶然にもクリスマスイヴだった
いつからだっただろう,この約束を忘れてしまったのは
「ハルー,もうすぐ家に着くよー」
そう言われた俺は,眠りから覚める
あの少女は元気にしているだろうか,そう思いながら重い瞼を開いた
そこには,辺り一面田んぼが広がっていた
(この景色も10年ぶりか……)
ふとそんな事思っていた矢先,姉が一言
「この景色と一緒で,あの子も変わってないと良いね」
はて,あの子とは誰なのか?
そうこうしてるうちに引っ越し先に着く
今日からここが俺の家
昔懐かしのじっちゃんの家に住む事になる
正直,不安で不安で仕方ないけどね
「ハルー,いつまでも突っ立ってないで荷物運ぶの手伝ってよ」
姉が荷物運べだのなんだのとギャーギャーうるさい
(これ以上うるさくなっては流石にめんどくさいのでちゃっちゃと荷物片付けますかな)
(今日中に終わらせて,明日1日寝よっと)
そんな甘い考えはすぐに潰れる事を,俺はまだ知るはずが無かった……