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冒険者協会 冒険録  作者: 青識or惣菊
第一章 幼少期

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9/9

1-9 12歳の日常 前編

――僕が12歳になった頃。


ドモール国西部の山脈は、相変わらず変わらない顔でそこに在った。

標高1500m級の峰が幾重にも連なり、白い雲を引き裂くように聳えている。


けれど、その中を歩く僕は――もうこの世界では子供ではなかった。


「ライズ、第三尾根の積雪状況を見てきて。昨日の風向きだと雪庇ができている可能性がある」


補給拠点で母が地図を指しながら言う。

その指は迷いがなく、すでに頭の中で山の状態を組み上げているのが分かる。


「分かった」


僕は短く返事をして、装備を整えた。


腰には短剣、背にはロープと軽量の滑落防止具、信号弾を一本。

そして何より――地図とコンパス。


12歳になった今、僕は単独での「事前確認任務」を任されるようになっていた。

旅人を直接先導することはまだ許されていない。

けれど、その道を調査し、伝える事は、もう僕の役目だった。


山に入る。


雪は膝下程度。風は弱い。

だが尾根に近づくにつれて、明らかに様子が変わってきた。


(……やっぱりだ)


第三尾根の手前、斜面の上部に白い張り出しができている。


雪庇がある

――踏めばそのまま崩落する…このエリアは数日推奨エリアから外そう。


僕は距離を取り、迂回ルートを頭の中で組み立てる。


「この角度なら……こっちの岩場を伝って行けるかな?」


足場を一つ一つ確かめながら進む。

体重の乗せ方、踏み込みの深さ、風の抜ける音。


全部が判断材料だ。


しばらく進んだところで、僕は足を止めた。


(……音?)


かすかに、金属が擦れるような音が聞こえた気がした。


僕は耳を澄ませる。


――カツ、カツ、という不規則な足音。


(人だ)


すぐに斜面の影に身を寄せ、視線だけを上げる。


すると、少し上の岩陰から、一人の男がよろめきながら姿を現した。


装備は一般人が旅に行くときの姿…

簡易的な防寒着しか着ていない…


大雪が数日前に降ったというのになぜ彼はこんな軽装で歩いている?


助けたくてもあれでは助けようとしても僕が死ぬぞ…

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