タイトル未定2025/12/03 20:31
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「どーもー村田と記録員でブラックデビルです。よろしくお願いしまーす」
「いやぁ最近段々と温かくなってきましたよね」
「そうですね」
「そろそろ冬眠から目を覚ましてもいいころかなーと」
「いや、冬眠してたんかい」
「それで、街をぶらりと歩くロケみたいなものができたらいいなぁと思いまして」
「おーいいじゃないの。知らない街を歩いて出会う住民の方々との交流が面白く映りますもんね。でもこういうロケって、タレントの技量みたいなものが試されるけど大丈夫なの?」
「任せてください」
「おーそんなにやる気なら僕も手伝うよ」
「それなら村田が住人Aやって」
「おお、いいよ」
「俺が住人Bやるから」
「んん??」
「よーい、アクション」
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首をかき、目尻に溜まっている目ヤニをとる。目ヤニは溜まっていなかったため、意味のない動作。ただ相手に、もう話さなくていいですか、という無言の合図を伝えたつもりだったが、相手の意識はとうに自己の体内から離れており、まるで人工知能が搭載されていない機械のような表情で無機質な言葉を伝える。
「ちなみに、以前吸われたのってなにかフレーバーなどありましたか」
「いや、特には覚えてないんですけど、なんか甘かった気がします」
耳をかき、次の動作に困った僕は、一瞬考えた末に、後頭部をかいた。しかし、髪にはスタイリング剤が付けられており、髪本来の触り心地ではなく、少し硬さを伴った、べたつきのようなものが手に残った。
「お兄さんにぴったりのもの紹介できるんで、一度試してみませんか」
「いや、僕は紙でいいんで大丈夫です」
「そうですか」
青いジャンパーを着た男性は、急にシステムを変更したのか、興味がなくなった素振りでその場を後にした。
僕だけが残る。
彼の口から発された言葉だけがそこに残り、やがて空へと飛んでいく様を僕は眺める。




