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推し似に迫られて困ってます!〜私、推しは遠くから見ていたい派なので!〜  作者: 媛乃 暁姫


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8/30



 フランメイル辺境伯領は東側に山脈を配した場所に位置しており、有名なのは宝石、果物、小麦、蕎麦である。

 一年を通して涼しくはあるが、冬は豪雪地帯となる。その雪解け水が美味しい作物を育てているのだ。

「ん〜日本でいう山梨か長野って感じかな」

 自領に海がないのは残念である。日本人だもの、刺し身とか食べたい!

 因みに西の辺境伯領は鉄鉱石と芋が有名らしい。

 芋いいな〜ジャガイモもサツマイモもバターで食べると最高なのよね。

 フライドポテトにしても美味しい。

 芋は女子のお友達だ。

 カロリーに関しては相容れないが、芋好き女子は多い。

 帰ったら今日のオヤツに作ろうかな⋯⋯フライドポテト。

 世間ではマ●ク派だのケ●タ派だのあったが、アンナはSUB●AY派だ。

 特にハーブソルトが大好きだった。

 因みにバーガーはバ●キン派。

 あのでかいバーガーをコーラで流すのが最高である。

(その内挑戦してみよっかな⋯⋯)

 クラフトコーラは昔化学の実験で作ったことがあるが、この世界に炭酸水があるのかは分からない。

 推し活しつつ、前世好きだったものを作りつつ、穏やかに過ごせればそれでいい。

 あとは出来れば。

「葵衣のような友達が出来たらなぁ〜」

 気が合って、趣味が合う。そんな友達なんてなかなかない。

 ため息を吐いて外を見る。

 引きこもりの5歳児⋯⋯うん、人生これからよね!もう少ししたら学校とかあるんだろうし!

 そこで友達が出来れば御の字である。

 貴族として〜とかもあるだろうし!

「まぁ、やれるだけやるよ⋯⋯」

 折角この世界に生まれたんだから、取り敢えずは楽しんでみよう。

 取り敢えずは推し活から♪

 ガラガラと馬車は目的地へと向かう。

 辺境伯の寄り子である貴族や、大商人などの住む居住区を抜けると、そこは庶民も利用するマーケット街である。

 広い通りを抜け、マーケット街のシンボルでもある花の女神像の噴水を左に入って、少し走ったら目的の場所だ。

「お嬢様、お店に着きました」

 外から侍女が扉を開けてくれる。

「ありがと」

 タラップを降り、店の前に立つと、中から店主が出て来る。

「これは、フランメイルのお嬢様。いらっしゃいませ」

「こんにちは。ちょっと布を見せて下さいな」

「は、はい!どうぞ」

 観音開きのドアを潜ると、そこは布の洪水だった。

「うわぁ⋯⋯」

 色々な種類の布が所狭しと棚に並んでいる。

「どういったものをご所望でしょう?」

 揉み手せんばかりの店主に、アンナはキッパリ告げる。

「取り敢えず赤い色の布を全部出して」

「ーーは?」

「聞こえなかった?赤い色の布を全て見せてと言ったのよ」

「え?あ、はい!ただいまお持ちします!」

 一瞬呆けた店主がバタバタと動き出す。

 店の者も総出で、店内の赤い布が一箇所に集まる。



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