鍛錬法 弐
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称・事件等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
型の伝授、解釈
古代から伝わる型を学び、動きを習得していき、その奥に隠された理を師範から口伝で教わることになっている。
太刀掛の型は、災いから守り、祓い、清めることを教えます。また、神道における清めや調和の概念が動きに織り込まれている。
1. 「水鏡」
目的: 相手の動きを受け流し、衝突を避ける基本原則を学ぶ。心身の平静を保ち、状況を正確に把握する目を養う。
動き
導入: 四海九天の構えから、ゆっくりと両手を胸の前で合わせ、水面に波紋が広がるように円を描きながら下ろす。これは心を鎮め、周囲の状況を「水鏡」に映すかのように捉える動作です。
受け流し: 相手の突きや掴みに対し、真正面から受け止めるのではなく、体を半身にずらし、腕を円運動で柔らかく「水に触れる」ように受け流します。相手の力を利用して、相手の体勢をわずかに崩します。
退避と間合い: 攻撃を受けた後は、後ろに小さく「水が引く」ように下がり、適切な間合いを取り直します。決して深追いはせず、常に安全な距離を確保することを意識します。
締め: 再び四海九天の構えに戻り、静かに呼吸を整える。
特徴: 受け流しと間合いの制御に特化しており、力で対抗せず、いかに衝突を避けるかを体現します。型全体が滑らかで、水の流れのように途切れない動きが求められます。
2. 「磐座」
目的: 自身の重心と体幹を「磐座」(神が宿る巨石)のように安定させ、相手の動きを「鎮める」動きを学ぶ。組み付かれた状況からの脱出や制圧を主眼としている。
動き
導入: 大地と繋がるかのように、両足をしっかりと踏みしめた四海九天の構えから、重心を低くし、揺るぎない安定感を表現します。
重心の活用: 相手に組み付かれた際、自身の重心を動かさずに、相手の重心をわずかにずらしたり、自身の腕を「根」のように絡ませて動きを封じます。
鎮圧と解放: 相手の動きが止まった瞬間に、関節の急所を軽く制したり、体を「押し出す」ようにして相手を解放します。決して過剰な力は使わず、あくまで相手の動きを「鎮める」ことに徹します。
締め: 相手が解放された後もその場に留まり、静かに周囲を確認し、状況の安全を確かめる。
特徴:安定性と相手の無力化を重視し、派手な動きは少ないですが、非常に実戦的です。力任せではなく、身体の構造と重心の利用によって相手を制御する術である「豪雪」の基本を学びます。
次回は、より高度な型の紹介を行う。型の中に予測不能な要素を含み、状況に応じた臨機応変な対応力を養っていく。




