その10 第六話 自分最強だって信じてる
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第六話 自分最強だって信じてる
ついに決勝戦オーラスだ。全員の持ち点は
涼子 32500
マタイ 15800
ミズサキ 200
ジャガフ 51500
と、こう。つまり私はほぼラス。マタイさんから満貫直撃でやっと三着ってそんなの無理っしょ。リーチ棒も持ってないのにさ。ま、リーチしたらしたでマタイさんからは出るはずないからなんにしても詰みよね。ジャガフの優勝はほぼ決まり。涼子が頑張ってるって言っても19000点差。ハネツモでも届かないのはもはや完全にセーフティリードだ。ジャガフはこのオーラスの親を一局消化して終わればいい。
たのしかった。本当に。この世界に呼び出されて良かった。
「りょうちゃん。たのしかったね。私ここに来れて良かったよ」
「決勝卓にってこと?」
「アハハ。まあ、それもあるね。とにかく良かった。でも、心残りもあるよ。麻雀だし仕方ないんだけど、でも麻雀は実力差が出るゲームでもあるってこと証明してみせたかった。自分の勝利によってそれを見せつけたかったな。それが叶わないのが、私には心残り」
「傲慢な考えね。マコトらしくもない。そんな考えも持ってたんだ」
「本音を言うとね。私は自分最強だって信じてるからさ。私は遅番女子のミズサキだよ? 負けるわけない!」
「ま……そんくらいの気持ち持ってなきゃピン雀の遅番なんてやれないよね」
「そゆこと」
そんな話を少ししてからオーラスを開始した。
すると……
オーラス流れ二本場
ミズサキ配牌 ドラ北
2六⑨552中西中七七六⑨
(ん!?)
ジャガフ
第1打
西
「………………ン……」
「「え?」」
「ロンです……それ」
ガタッ
「ウソだろ?」
思わず立ち上がるジャガフ。
私は手をプルプルと震えさせながらゆっくりと倒牌した。驚きのあまり手が震えてうまく掴めない。こんなことは始めてだった。
「うっ、うまく倒れない。ごめん。ちょっとごめん」
仕方ないから少しずつパタパタパタパタと倒す。
ミズサキ手牌
六六七七⑨⑨2255西中中 西ロン
「あの、りょうちゃん。この店って人和は何点だっけ? ごめん、店員なのにわかってなくて」
「役満よ……人和は役満扱い。そうよねエル」
「そう、デスね。でも初めて見ましたヨ……」
「32000は32600」
「まって、まってまってそれって?」
「いや、なんもわかんない……。こんなパターンの点差計算してなかったし。まさかじゃん」
「涼子は32500点でしょ。ミズサキはこれで32800点なんじゃない」
「300点差……!」
「第一回! スノウドロップ麻雀大会優勝はミズサキマコト!!」




