その10 第二話 ジャガフの英断
83.
第二話 ジャガフの英断
一方、その時ジャガフにもチャンス手が訪れていた。
(す、凄い。これは勝負手に育つぞ!)
ジャガフ手牌 北家 ドラ1
一一一八九⑤⑤1155南中
配牌ドラ4リャンシャンテン。飛び道具こそ無いが完成すれば破壊力は抜群だ。
そして引いてくる第一ツモ――
ジャガフ
ツモ①
(えっ、面白いのを引いたな。これは採用したい所だ。重ねれば三色同刻の種になるし。だがそうなるとターツオーバーになりそうだな。どうする……)
打八
(この手牌は多分鳴いた方が早い。そうなるとこのペンチャンターツは役に立たないパターンが多い)
すぐにテンパイしそうなミズサキと完成すれば火力の強いジャガフの手。双方に勝負手が来た。
ジャガフ手牌 北家 ドラ1
一一一九①⑤⑤1155南中 ③ツモ
一一一①③⑤⑤1155南中 ①ツモ
一一一①①③⑤⑤1155南 ①ツモ
一一一①①①③⑤⑤1155 ⑤ツモ
(張った! 四暗刻。でもまて、これはリーチをするべきじゃない。ダマでも高目の出アガリが三倍満。安目ですら倍満だ。そしてドラが1索……つまりドラを使い切ろうと思えば5索がはみ出てきて、5索を使い切ろうと思えば1索がはみ出る。そんな関係の2つだ。どちらかは出るかもしれない。ダマにしておけば……)
リーチしたい気持ちはもちろんあった。シカトされてアガリを取られる可能性も大いにあるから。しかしジャガフは静かに……そっと③筒をまっすぐ捨てた。
打③ダマ
そしてその次の巡目!
「りぃ…ち」
ミズサキが力なくリーチ宣言したその打牌は
打1
「ロン!!!!」
一一一①①①⑤⑤⑤1155 1ロン
「トイトイ三暗刻三色同刻赤赤ドラ3! 24000!!」
ガタッ!
ミズサキは思わず立ち上がっていた。ジャガフのギャラリーたちは「「おおおおーーーーー!!」」「お見事」
パチパチパチと拍手までしてた。
「さ、三倍満? あのダブリーチャンスの配牌をもらった局が三倍満放銃の結末をむかえるの……? 麻雀って……なんて残酷なんだょぉ~」
ジャガフの英断により三倍満が炸裂。それはミズサキたちがマージに来て初めて見た三倍満だった。
◆◇◆◇
さて、南2局。前局で持ち点は大きく動いてこうなった。
涼子 16500
マタイ 23800
ミズサキ 4200
ジャガフ 55500
トップとの点差3300だとか考えてたのが遠い昔のようだ。今は5万点差以上。
(麻雀に5万点なんてアガリないよ。どうしてくれようかこれ)
それでも、まだ親は残ってる。ここで絶望してるのは私よりもむしろ親がなくなった涼子かもしれない。と思って涼子の顔をチラリと見たが、その目には気合いが感じられた。まだ燃えてる。まるで星飛◯馬だ。
(えっうそ、まだそんな目ができるんだ。凄いなりょうちゃん。本当に強くなった)
その涼子の成長ぶりに少し感動し。私も負けてられないなと私は背筋を伸ばして気合いを入れ直した。終局まで残り3局!




