その1 第三話 麻雀との出会い
第三話 麻雀との出会い
小島涼子とは同じ中学校で、高校に入ってから仲良くなった。同じ中学ということで話しかけられたのがきっかけだった。中学生の時、親から彼女の家は家族経営の雀荘だと聞いて正直それがなんなのか全然わからなかった。だけど、ニュアンス的にはなんとなく、あまりいいものじゃないから近寄るなという意味合いを含めているのは伝わった。だからというわけではないが中学生の頃は話したこともなかった。まあ、中学の頃はクラスが一緒にならなかったというのもあるが。
高校生になって彼女とクラスが一緒になったのもあり、それで雀荘っていうのが麻雀屋さんだということを初めて知った。でも、それの何が悪いのかは今でもよく分からない。
確かに店長(涼子の父)は細目のスキンヘッドでおっかない見た目してるけど話してみるとめちゃくちゃ優しいしママさん(涼子の母)はキツい脱色キメてるド金髪だけど性格は明るくて一緒にいると楽しいよ。
……あれ? 見た目だけだとフツーにヤクザ家族だな? 違うの、そうじゃないよってこと言いたかったのに。あ、涼子の見た目は黒髪おさげのメガネ女子でいたって真面目そうよ。そう見えて全然ふざけてるけど。
涼子と仲良くなってから私は麻雀を知った。(これ、面白いな!)と衝撃が走ったわよ。個人的な評価では他に類を見ない面白さだと思った。複雑なのが逆にいいしデザイン的にもオシャレじゃない? 渋すぎる? それはあるかもねえ。もーちょっとパステルカラーとか使えば女子ウケもあるかもとは思ったわ。まあ、私は渋いのが好みなのでこのままで全然いいけど! で、あっという間にひとりで麻雀にのめり込んで(ゲーム買ってやり込んだり、本読んで勉強したりとかね)気付いた頃には涼子の家に入り浸るようになり今に至るってわけ。
これが私の麻雀との出会い。そして、それはつまり、運命の出会いだったというわけ。この時は、そんな事思いもしなかったけれどね。




