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その3 第四話 違和感から役を読め

第四話 違和感から役を読め


 今日も元気に遅番出勤!

 最近はあまり負けなくなってきた。私も成長したってことかなー。


 今日なんてさ、相手の手牌が透けて見えるくらい読めたもんね。嘘じゃないもん、ホントよ? そんなことになった回がコレよ。


────

──


 私はその時4索が不要だった。七対子になるかなという手牌なのに場に2枚切れている4索に用はない。


ミズサキ手牌 ドラ八

三四四①①③477東東北北 西ツモ


打4


 それを下家は一瞥したのちツモりに行って―― ツモ切り。


次巡


ミズサキのツモ


(うわ、こんな4枚目をすんなり引く?)


打4


 それを見た下家は少考して「……チー」とした。


 4−7の両面チーかな? と思ったがそのチーはなんと345の嵌張チーだった。それに対しての違和感がまずあった。

(嵌張の4枚目鳴くのになにをそこまで躊躇うかな)と。


そして、


ミズサキのツモ


(ん、いいとこ。メンツ手にもなる可能性が出てきた)


打③


「チー」


今度は躊躇なくチー

③④赤⑤の赤入り両面ターツだった。


その後も私の手は育つ


ミズサキ手牌

三四四①①①77東東西北北 6ツモ


打西


ミズサキ手牌

三四四①①①677東東北北 二ツモ


下家仕掛け

③④赤⑤

345


(下家の仕掛けだけ見たらこの四はおいそれと切れない。ド本命もいいとこだ。イメージ図だけで三色赤にぶっ刺さる。けど――)


打四


(これは無い!)


 なぜそう言い切れるのかと言うと最初の4索の時の反応。もし役が三色なら2枚切れのこの4は即鳴きしかないだろう。それをしなかった。それどころかラス牌の4索すらしぶしぶ鳴いた。つまり、ここは払っていってもアガリが取れそうな手であったことがうかがえるし、三色にはなってないともわかる。おそらく下家の手は三元牌のどれかが暗刻子の良さげなリャンメン待ち。リャンメンターツが多くて赤ありの役牌暗刻だったから無理して嵌張ターツを即チーする必要が無かったと読める。ま、私の手と照らし合わせると⑥-⑨あたりが本命なんじゃないの。打点も絶対に少ないはずだから。ドラ跨ぎの六-九ってことはない。それならスパッと鳴けるからね。鳴くと2000点しかないから一回4索をスルーしたんだ。

という読みで私は下家を無視することにした。


すると


「ツモ」


下家手牌

一一⑦⑧中中中(③チー④赤⑤)(34チー5) ⑥ツモ


「ゴットー(500.1000)です」


「はい」


「ミズサキちゃんが四萬とか押してくるから怖くなっちゃってたよ。四萬切りは強気過ぎない?」

「え、この手格好は読めてたんで。アタマの一萬以外は透けてましたね」

「「エエッ?!」」

「ど、どうやって? どんなロジックでこれが読めるの?」

「それはですね……」


 ――気付くと遅番のお客さんもみんなミズサキを認めてた。むしろミズサキの強さの秘訣を探ろう、学ぼう、と素直に聞いてくるお客さんが多かった。そう、遅番という時間帯の客は完全に麻雀オタクなのだ。だからこそ強いし、強い者と打ちたがるし、強いメンバーから学んでいこうとする。


 遅番は強敵の多い時間帯ではあるが、麻雀好きには最高の環境。いわば麻雀サークルのような時間帯でもあるのであった。








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